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妊活に強い味方のくるみ。妊娠力をアップさせる鍵に迫ります

コクのある味わいが特徴のくるみ。ナッツ類のなかでもとくに栄養価が高く、老化防止や動脈硬化の予防に効果を発揮することは広く知られていますよね。
そんな高栄養化食品のくるみは、もちろん、妊活の心強い味方となってくれる食材なのです。

くるみのどんな成分が妊活によいとされるのか。くるみの効果をさらにアップしてくれる食べ合わせや食べる際の注意点など、詳しく迫っていきます!

    くるみが持つ妊活に良い栄養素を見ていきましょう

    ほのかに甘さがあって、そのまま食べてもよし。ヨーグルトに入れたり、お菓子や料理のアクセントに使ってもよし。
    おいしくて使いやすく、さらに栄養価が高いなんて、くるみってまさにスーパーフードですよね。

    くるみには、具体的に以下の栄養成分が含まれています。

    • オメガ3脂肪酸
    • ビタミンB6
    • 葉酸
    • 食物繊維
    • ポリフェノール
    • マンガン

    現代人に不足しがちな栄養素を豊富に含むくるみは、妊活にも積極的に摂り入れていきたい食材ですね。
    それでは、くるみに含まれている成分を具体的に把握していきましょう。

    オメガ3脂肪酸

    『健康に良いオイル』として、近年じわじわと注目されるようになったオメガ3脂肪酸。一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
    このオメガ3脂肪酸には、血液中の悪玉コレステロール値を低下させ、動脈硬化や血栓を防ぐ働きがあります。
    血液の流れやすさは、健康上はもちろん、妊活にとってもかなり重要なこと。
    血液がスムーズに流れると、子宮や卵巣までしっかりと酸素や栄養分が届けられるようになり、妊娠しやすいカラダへとつながるのです。
    さらに、オメガ3脂肪酸の摂取が多い人は少ない人より、精子の異常のリスクが低かったり、妊娠率や出産率が上昇するともいわれています。[参考1][参考2]

    現代人に不足しがちなオメガ3脂肪酸を豊富に含む

    くるみは、このオメガ3脂肪酸がとても豊富。ナッツ類の中でもダントツに含まれているんですよ。
    厚生労働省によると、18歳~59歳の女性におけるオメガ3の摂取目安量は1日あたり1.7g。
    10粒(28g)程度のくるみで、この目安量を摂取できると言われています。
    ちなみに、調理によく使われるひまわり油や紅花油、ごま油にはオメガ6、オリーブオイルにはオメガ9が多く含まれています。

    オメガ6ひまわり油、紅花油、ごま油など
    オメガ9オリーブオイルなど

    オメガ3が健康によいとされているからと言って、オメガ6やオメガ9が健康に悪い油という訳ではありません。
    現代の食生活では、オメガ6とオメガ9を摂りすぎてしまい、オメガ3の摂取量が圧倒的に少なくなっていることが問題とされているのです。重要なのは、摂取量のバランス。普段の食生活でオメガ6やオメガ9は十分に摂取できるので、オメガ3脂肪酸を積極的に摂取することを意識しましょう。

    ビタミンB6

    水溶性のビタミンであるビタミンB6は、たんぱく質の代謝をサポートする重要な働きをしています。
    さらに、神経伝達物質の生合成にも深く関わっているため、補助因子として女性に嬉しい働きが期待できます。
    イライラ感、頭痛や腰痛、全身のだるさなどといった症状があらわれる月経前症候群(PMS)をやわらげる効果や、妊娠中であれば、つわりを軽減する効果が期待できるのです。[参考3]

    一般的にビタミンB6が不足することはあまりない

    くるみには、ひとつかみ約28gあたり0.14mgのビタミンB6が含まれています。
    一般的に、通常の食事で不足することが少ないとされるビタミンB6ですが、不足すると、皮膚炎や口内炎、手足のしびれや貧血といった症状が出やすくなります。
    ホルモンバランスの関係で、生理前や妊娠中などにはビタミンB6が欠乏しやすくなるので、意識的に摂取することを心がけましょう。
    ちなみに、厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2015年版)』によると、1日のビタミンB6摂取推奨量は18~49歳までで1.2~1.4mgとされていますよ。[参考4]

    葉酸

    葉酸は妊娠を希望する女性なら積極的に摂取しておきたい重要な栄養素のひとつです。
    妊娠のごく初期に葉酸が不足すると、産まれてくる赤ちゃんの神経管閉鎖障害を発症してしまうリスクが高まってしまうのです。
    厚生労働省では、妊娠1ヶ月以上前より、1日あたり食事から240μgの推奨量にプラスして、栄養機能食品などから付加的に400μgの葉酸(合計640μg)を摂取することが推奨されています。

    くるみには葉酸も含まれている

    くるみには、そんな大切な葉酸がひとつかみ28gあたり25μg含まれていますよ。
    妊娠検査薬などで妊娠が自覚できるようになる時期には、すでに赤ちゃんの脳の神経がほぼできあがっています。
    このときに葉酸が欠乏していると、赤ちゃんの発育に悪影響を与えてしまう可能があるのです。
    いつでも安心して赤ちゃんを迎え入れられるよう、積極的に葉酸を摂取しましょう。

    食物繊維

    食物繊維は、腸内環境を整えて善玉菌を増やす作用がある栄養素です。
    腸内には、大きく分けて善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類の細菌が生息していて、このうち、善玉菌の占める割合を増やすことがカラダの健康には重要とされています。
    腸は第二の脳とも言われ、カラダのすべての健康のカギを握っている臓器なんですよ。腸が健康であることは、妊活にももちろんよい影響を与えます。

    食物繊維により腸内環境のバランスが保たれる

    まず、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増えると、便秘になりますよね。
    便秘になると代謝や血行も悪くなって、子宮や卵巣まで十分に栄養分が届けられなくなってしまうのです。
    さらに、お母さんの腸内のビフィズス菌は、出産時、赤ちゃんが産道を通ってくるときに移行するため、腸内細菌のバランスが悪いまま妊娠してしまうと赤ちゃんにも影響を与えてしまうのです。[参考5][参考6][参考7]

    くるみには、ひとつかみ約28gあたり2.1g(不溶性食物繊維1.9g、水溶性食物繊維0.2g)の食物繊維が含まれています。ちなみに、厚生労働省で定められている1日あたりの目安量は18g(18歳以上の女性)です。
    腸を元気にするために、くるみなど食物繊維をたっぷり含む食材を摂るようにしましょう。

    マンガン

    マンガンは、さまざまな酵素を作るっているミネラルで、代謝や成長を助ける大切な栄養素です。
    また、性ホルモンを合成する際にも不可欠で、マンガンが不足すると、生殖機能が低下するとも言われています。[参考8]

    マンガンもあまり不足することはない

    くるみには、ひとつかみ約28gあたり0.96mgのマンガンが含まれています。
    厚生労働省で定められている1日あたりの摂取目安量は、男性4.0mg・女性3.5mg、上限量は男女とも11mgです。
    マンガンが不足すると、疲れやすい、めまい、体重減少といった症状が現れやすくなります。
    また、過剰に摂りすぎると生殖系や免疫系の機能不全、精巣障害などが起こる可能性があるとされていますが、通常の食生活をしていれば、不足したり過剰摂取となってしまう心配はほとんどありません。

    ポリフェノール

    少し苦みのある、くるみの薄皮。実は、抗酸化作用のあるポリフェノールの宝庫なんですよ。くるみひとつかみ(約28g)で赤ワイン1杯分を上回るポリフェノールが含まれているのです。
    さらに、健康によいとされるナッツ類のなかでも、くるみの抗酸化値はダントツ。
    アメリカのスクラントン大学の化学教授ジョー・ヴィンソン博士の研究によれば、悪玉コレステロールなどから心臓を守る抗酸化物質の量、働きともに、くるみに含まれるポリフェノールが最も優れていることが報告されています。

    くるみに含まれるポリフェノールは赤ワイン1杯分以上

    ポリフェノールの抗酸化作用には、体内の活性酸素を取り除き、増えすぎた活性酸素から細胞を守る働きがあります。
    細胞の老化は卵子も例外ではありません。
    卵子は、年齢とともに老化するのに加え、ストレスや食生活の乱れ、紫外線などの影響で発生しすぎた活性酸素により、サビついて老化が早まってしまうのです。

    妊娠しやすいカラダづくりのためには、ます、生活習慣を見直して活性酸素の発生要因をなるべく減らすことが重要です。
    そのうえで、くるみのように優れた抗酸化作用のある食材をしっかり摂取して、卵子の老化するスピードをゆるやかにしていきましょう。[参考9]

    くるみを取り入れ妊活力アップ!おいしい妊活レシピ3選

    ここからは、食材にくるみを使った栄養たっぷりの妊活レシピを厳選してご紹介します!
    レシピを作るまでの動画や手順も解説しているので、ぜひお好きなタイミングで活用してみてください。

    また、くるみを食べる際の注意点もいくつかご説明しますね。ぜひ参考にしてください。

    くるみが入ったボリュームたっぷりの信田煮

    ボリュームたっぷり信田煮の妊活レシピ完成写真
    写真タップでレシピが見れます。

    最近の研究によって、オメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含むくるみを、ほかのホールフード(野菜や果物を未精製のまま、皮や根っこまで全部食べること)と組み合わせることにより、新陳代謝に好影響をもたらす可能性があることが明らかにされました。[参考10]

    新陳代謝がアップすると、血行が良くなったり、老廃物がカラダに残りにくくなって内臓機能の働きがよくなるなど、妊活中にうれしい効果があります。くるみとホールフードの組み合わせで、新陳代謝を高めましょう!

    また、大豆製品である木綿豆腐にはポリフェノールの一種である大豆イソフラボンが含まれているため、くるみと一緒に食べることでさらに抗酸化力もアップしますよ。

    ボリュームたっぷり信田煮

    n-3系脂肪酸 などが豊富

    ご飯にぴったり!くるみを使ったニラと大根の中華炒め

    ご飯に合う!ニラと大根の中華炒めの妊活レシピ完成写真
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    続いてのご紹介は、15分でさっと作れる妊活おかずレシピ「ニラと大根の中華炒め 」です!

    ビタミンDが多く摂取できるレシピですが、プラスでくるみを加えることにより、香ばしさも加わり不足しがちなn-3系脂肪酸も同時に体へ取り入れることができます。

    ご飯のおかずにぴったりな、ピリッとした味がアクセントのおかずです。
    ぜひ夕食の1品にどうぞ!

    ご飯に合う!ニラと大根の中華炒め

    ビタミンD などが豊富

    癖なくまろやか超簡単!ほうれん草のジェノバソース風

    癖なくまろやかほうれん草のジェノバソース風の妊活レシピ完成写真
    写真タップでレシピが見れます。

    最後の妊活レシピは、ナマのほうれん草とくるみ、カシューナッツも使ったジェノバソース風の栄養満点手作りソースです!
    主食につけてお召し上がりください。

    ほうれん草に含まれるビタミンEは、『妊娠ビタミン』とも呼ばれ、子宮内膜の質を高めたり、着床率を上げたりと、妊娠力につながるとても大事な栄養素です。

    また、優れた抗酸化作用があり、卵子や精子が酸化して老化するのを防ぐ効果も期待できます。
    くるみとほうれん草、ダブルの抗酸化作用で、卵子・精子の老化を防止しましょう!

    癖なくまろやかほうれん草のジェノバソース風

    ビタミンE などが豊富

    くるみを妊活へ役立てる際の注意点3つ

    妊活にうれしい栄養素が詰まったくるみですが、食べる際にはいくつか気をつけたいことがあります。くるみの効果を最大限得るために、注意点もしっかり押さえておきましょう。

    妊活中のくるみ目安量は1日ひとつかみ。食べすぎ注意

    くるみは1カケ(約3g)で20kcalもある高カロリー食材です。いくらカラダによいとはいえ、食べすぎると肥満の原因に。
    また、くるみには複数の脂肪酸が含まれていて、さまざまな健康効果が期待できるオメガ3脂肪酸のほか、オメガ6脂肪酸のひとつであるリノール酸も豊富です。
    リノール酸は体内で合成できない必須脂肪酸で、カラダにとって大切な栄養素ですが、普段の食事で十分に摂取量を満たしており、むしろ摂りすぎに注意とされているもの。

    このように、カラダによいからと言ってくるみを食べすぎてしまうと、肥満やほかの栄養素の過剰摂取など、かえって健康を害する結果にもつながってしまいますよ。
    くるみは1日ひとつかみ(約9カケ、28g)を目安に、上手に妊活に摂り入れていきましょう!

    妊活には、無塩・無油のくるみが正解です

    「早速くるみを買おう!」とスーパーへ行くと、数種類のくるみが並んでいるかもしれません。そのうちのどれを買ってもOKというわけではないので要注意!
    選ぶポイントは「無塩」と「無油」です。
    まず、塩で味付けしてあるくるみは、塩分のとりすぎにつながってしまいますので選ばないようにしましょう。
    また、まれに油でコーティングされているくるみが販売されていますが、どのような油が使用されているか分かりませんし、余分な油を摂取することになってしまいますので、こちらも選択肢から外しましょう。
    カラダのためには、無添加の素焼きくるみを選んでくださいね。

    面倒でなければ殻付きくるみが酸化せずよい

    くるみは、脂質が多いぶん酸化しやすいという欠点があります。
    殻をむく手間はかかってしまいますが、できれば殻付きのくるみを選び、その都度割って食べるのがおすすめ。
    むき身の場合は、密封容器に入れて、冷蔵または冷凍で保管するようにしましょう。

    くるみを上手に取り入れて、体によい妊活を!

    小さな実のなかに、オメガ3脂肪酸をはじめ、葉酸や食物繊維、ビタミン、ミネラルに、ポリフェノールと、妊活中の女性にも男性にもうれしい栄養度がギュギュっと詰まっているくるみ。
    卵子や精子の老化を防止してくれたり、腸内環境を整えてくれたりと、たったひとつかみのくるみが、妊娠しやすいカラダづくりのための手厚いサポートをしてくれるのです。

    そのまま食べたり、料理やデザートに入れたりと、手軽でいろいろな食べ方ができるのも魅力のひとつですよね。
    妊活の心強い味方として、毎日の食生活に上手にくるみを摂り入れてみてはいかがでしょうか。
    ただし、カロリーが高いので食べすぎには要注意!くるみを最強の味方につけるためには、『1日ひとつかみ』が目安ですよ。

    この記事を作るため参考にした文献・サイト名

    監修

    • 管理栄養士
      柳 寿苗(やなぎ としえ)

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