妊活中の外食選びPoint!不安要素を取り除いて外食を楽しもう
妊活中は、毎日自炊してたっぷりの栄養を!
これが理想ですが、現実はなかなか難しいものです。忙しかったり、同僚や友人の誘いなどで外食が続いてしまうことも。
息抜きに、外で食事を楽しみたいときだってありますよね。
そこで、外食時の懸念事項や注意点、メニュー選びのポイントをしっかりお伝えします!
妊活中の外食をストレスフリーに楽しみましょう。
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妊娠力を上げるためには「食べてはいけないもの」を意識する事も大切。妊活NG食品を食べる際の注意点などもお伝えします!
妊活中の外食。不安要素は「栄養過多&添加物&トランス脂肪酸」
外食すると、夜になってやたらとのどが渇いたり、胃が重く感じることってありませんか?
外食の一番の不安要素は、自炊と異なり使用されている材料や調味料がみえないこと。
味や見た目を向上させるため、塩や砂糖、油がふんだんに使われていたり、食品添加物や化学調味料が多用されている可能性もあります。
揚げ物やパン、ケーキなどにはトランス脂肪酸が多く含まれていることも。
- 塩分・糖質・脂質過多
- 食品添加物・化学調味料
- トランス脂肪酸
これらはすべて、健康なカラダを遠ざけ、妊娠力の低下を招く恐れのあるもの。
何をどれだけ使っているのかがわからない外食によって、カラダによくないものを無意識に大量摂取してしまう可能性があるのです。
また、お店によってはメニューに偏りがあり、栄養のバランスがとりにくい点も外食の懸念事項といえます。
妊活中の外食で意識したいメニュー選びのポイント
ところで、外食時にはどのようにメニューをセレクトしていますか?
- パスタやうどん、丼物などの単品食を選んでしまう
- ラーメンにチャーハン、パスタにパンと炭水化物がメインになりがち
- お皿には揚げ物やお肉など、茶色いものばかり
- スイーツや甘い飲み物にも手を伸ばしてしまう
- 食後のコーヒーや紅茶は欠かせない
いずれも外食のメニュー選びでありがちなケースですが、上記に当てはまるものがあるなら要注意!
外食によって、野菜不足、さらに、糖質・塩分・脂質の摂りすぎとなっている可能性がありますよ。
外食も一日の大切な食事のひとつです。栄養バランスが崩れてしまうことのないよう、妊活中の外食で押さえておきたいメニュー選びのポイントを確認していきましょう。
たんぱく質が豊富な食品中心にチョイス
たんぱく質は、健康なカラダの土台を作る重要な栄養素。
また、子宮内膜の材料となったり、卵子や精子、ホルモンの生成にも関与し、妊娠力を高めるためにも欠かせない成分です。
しかし、単品食や炭水化物ばかりのメニューをセレクトしていると、糖質や塩分、脂質を摂りすぎてしまう一方、大事なたんぱく質が不足してしまうことに。
たんぱく質は常に消費されているため、毎食しっかりと摂取することが大切なのです。
たんぱく質を中心としたメニュー選びのポイント!
ご飯にするか、パンにするか、はたまたパスタにするか…、主食からメニューを考えてしまうと炭水化物がメインとなってしまいがちです。
そのため、妊活中の外食では、魚にするか、お肉にするかなど、最初にたんぱく質をしっかり摂れる主菜を決め、それに合わせて副菜や主食を選んでいくとよいでしょう。
【管理栄養士監修】たんぱく質は、身体の土台を作る大切な栄養素。妊活にはどのような効果や影響があるのかをご説明します!
単品食のみはNG!野菜・きのこ・海藻豊富なメニューを追加
単品食には、糖質を摂りすぎてしまう問題があります。
パスタもうどんも丼物も、半分以上が炭水化物(糖質)。
糖質が多い食べ物は血糖値を急激に上昇させ、老化や生活習慣病の原因となる「糖化」を促してしまうのです。
なお、糖化とは余分な糖がたんぱく質と結びついて変性し、老化の原因物質であるAGEs(糖化最終生成物)を作り出してしまう現象のこと。
糖化が進み、体内にAGEsが蓄積すると、卵子や精子も老化して質が低下してしまいます。[参考1]
糖質による卵子や精子の質低下を防ぐメニュー選びのポイント!
糖化を防ぐには、できるだけ糖質を抑え、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが大切です。食物繊維⇒たんぱく質⇒炭水化物の食べ順も大事。
そのため、単品食のなかでもできるだけ具だくさんのものを選んだり、野菜・きのこ・海藻など食物繊維豊富な副菜を追加するようにしましょう。
選べる主食は玄米や全粒粉パンなどの血糖値を上げにくいものを
白米や小麦粉を使ったパン・うどんなど、白く精製されたものは糖質が高く、血糖値が上がりやすいため要注意。
すでにご説明した通り、食後の急激な血糖値の上昇は「糖化」を促し、卵子や精子の質を低下させる要因となってしまいます。
そこでメニュー選びのポイント!
糖化を防ぐため、糖質の高い白米やパン、うどんなどはできるだけ量を減らす工夫をしましょう。
主食が選べるような場合には、精製されていない玄米や全粒粉パン、ライ麦パンなどを選ぶと◎。
デザートや飲み物の糖質・カフェインに注意
外食となると、普段食べないようなデザートや甘い飲み物、食後のコーヒーや紅茶などを頼みたくなってしまうことも。
しかし、白い砂糖をたっぷりと使っているデザート、ジュースや炭酸飲料などの甘い飲み物は糖質の摂りすぎにつながってしまうため、できるだけ控えたほうがよいメニューです。
また、好きな飲み物が何倍でも飲めるドリンクバーにも要注意。ジュースは糖質、コーヒーや紅茶はカフェインの過剰摂取となる心配があります。
カフェインの利尿作用による体の冷えに注意
ちなみに、カフェインは、利尿作用によってカラダを冷やしてしまったり、過剰摂取により胎児の発育を阻害してしまう可能性が報告されている成分です。
そのため、妊娠中はもちろん、妊活中にも飲みすぎは禁物。コーヒーや紅茶、お茶など、カフェインを含む飲料全体で、一日1~2杯程度までにしておきましょう。
【管理栄養士監修】妊活で控えたいコーヒーやカフェイン摂取。しかし具体的な根拠はご存知ですか?素朴な疑問を解消します。
妊活中の外食注意ポイント【ランチ編】
妊活中に外食をする際の基本的な注意事項を押えたところで、ここからは外食のシーン別に気をつけたいポイントを解説していきます。
まずは、妊活中の外食【ランチ編】。早速、詳しくみていきましょう。
単品食・大盛りはNG
これまでお話した通り、単品食はできるだけ避けるのが◎。
忙しいときなどにはササっと簡単に済ませたいところですが、単品食だけではたんぱく質不足、糖質・塩分・脂質過多となり、妊娠を遠ざけてしまう可能性があります。
そこで、ランチにおすすめなのは定食。野菜やきのこ、海藻などを使った副菜・たんぱく質の摂れる主菜・汁物・主食が揃った〇〇定食にすれば、バランスよく栄養が摂れ、さらに血糖値を上げにくい「食物繊維(野菜など)⇒たんぱく質(肉や魚、豆類など)⇒炭水化物」の食べ方も実行しやすいですよ。
また、糖質を摂りすぎてしまうため、主食の大盛りもNG。たんぱく質をしっかりと摂取できるメニューを選び、主食は半ライス、パンやパスタもハーフサイズにするなど、できるだけ炭水化物の摂取量を減らす工夫をしましょう。
主食以外の糖質にも注意を
糖質というと主食が注目されがちですが、実はさまざまな食材、食品に潜んでいるため注意が必要です。
例えば、ヒレカツ定食の糖質について考えてみましょう。
まず、主食の白米は当然高糖質。そして、見落としがちな糖質が、メインのヒレカツです。
お肉は大事なたんぱく源ですが、お肉の周りを覆っている衣の正体は糖質の高い小麦粉(パン粉)。
ヒレカツにソースやケチャップなど甘みのある調味料をかけると、さらに糖質が追加されてしまいます。
また、副菜が甘い味つけになっていたり、さつまいもやかぼちゃ、とうもろこしなど、糖質の高い食材を使っている場合も要注意。
このように、糖質は主食以外にも多く含まれているものです。
そのため、ご飯は少なめ、調味料は塩とレモンにするなど、食事全体で糖質を摂りすぎない工夫をしましょう。
がっつりメニューはランチが正解
がっつりメニューはディナーでセレクトしたいところですが、実はランチで食べるのが正解。
夜にボリュームのあるものを食べると消化が間に合わず、睡眠中にも胃が働き続けて睡眠の質が低下してしまうことに。
その結果、生体リズムが崩れ、翌朝の体調不良や食欲低下へつながってしまいます。[参考2]
…かといって、朝食抜きは妊活中のNG行為ですよ
ちなみに、朝食抜きは妊活中のNG行為。朝食を食べないと、カラダのエネルギーが不足して低血糖状態が続き、昼食時に血糖値が急上昇してしまいます。
すると、今度はインスリンが大量に分泌されるため、血糖値は急降下。
【管理栄養士監修】妊活にバランスのよい朝食はとっても大切!朝食が妊活へ与える影響に焦点を当てわかりやすく解説します。
このような血糖値の激しいアップダウンは、自律神経のバランスを乱して排卵障害を引き起こしたり、糖化を促してしまいます。
「今日はがっつり食べたい!」
そんな日は、午後の活動が控えているランチにいただきましょう。
妊活中の外食注意ポイント【ディナー&飲み会編】
つづいては、妊活中の外食【ディナー&飲み会編】です。基本的な注意点はランチのときと同じですが、夜ならではの気をつけたいポイントも。
早速、詳しくみていきましょう。
低糖質・高たんぱくなメニューをセレクト
低糖質・高たんぱくな食事は、妊娠体質になるための基本です。ディナーでも、たんぱく質中心のメニュー選びを心がけ、糖質を摂りすぎないよう注意しましょう。
なお、遅い時間に食事を摂るなら、消化に時間のかかるものはNG。たんぱく源であっても、脂ののった魚や肉などは避けたほうが無難です。
消化に時間がかかってしまうと睡眠中も胃が働き続けることになり、その結果、睡眠の質が低下したり翌日の体調不良につながってしまいます。
お酒を飲むなら〇〇でケア
夜の外食にはお酒がつきもの。お付き合いで飲むことや、息抜きに飲みたいこともありますよね。
そこでここから、妊活中にお酒を飲む場合の注意点について確認しておきましょう。
亜鉛を多く含むメニューでケア
アルコールを分解する際、体内では亜鉛が多く消費・排出されます。そのため、お酒を飲む場合には亜鉛不足に要注意!
【管理栄養士監修】妊活における亜鉛は、男性女性ともに大切な役割を果たします。そんな亜鉛の効果や影響を大特集しました!
なお、亜鉛は妊活カップルに欠かせない栄養素のひとつです。
女性ホルモンのバランスを整えて、エストロゲンとプロゲステロンを活性化したり、男性ホルモンの合成を促進して、精子数の増加や運動量の向上に関与しており、妊娠力を高めるための重要な働きをしているのです。
なお、亜鉛を多く含む食材は次の通り。
- 牡蠣
- レバー
- カニ
- チーズ
など。
これらを含むメニューを上手に活用して、亜鉛をしっかりと補っていきましょう。
また、アメリカ生殖医学会の研究より、「男性のアルコール摂取量が増えると、精子の濃度と運動性が低くなり、受精の確率も下がる」という結果が報告されています。[参考3]
お酒は適度な量を!飲みすぎないよう注意しましょう。
白湯でケア
お酒を飲むと、次第にカラダが冷えてしまいますよね。
カラダを冷やす主な原因は、アルコールの利尿作用によって尿と一緒にカラダの熱が出ていってしまうこと。さらに、アルコールの分解によってカラダの水分が奪われ、血流が悪くなってしまうことにあります。
そのため、お酒を飲む場合には、適度な感覚で白湯を飲み、水分補給しながらカラダを冷やさないようにしましょう。
抗酸化食材でケア
お酒を飲むと、アルコールを分解する際に活性酸素が発生します。
活性酸素は、カラダの免疫機能として働く一方、飲酒や喫煙、偏った食生活などによって過剰に発生すると、正常な細胞や遺伝子までも傷つけて酸化させてしまう物質。
活性酸素の攻撃を受けると卵子や精子も酸化し、老化が進んでしまいます。
そのため、お酒を飲む場合には、活性酸素の発生と働きを抑制する、抗酸化作用のある食材を使ったメニューがおすすめ。
ちなみに、ビタミンA・C・Eは、「抗酸化ビタミン」とも呼ばれ、抗酸化力の高い栄養素です。
- ビタミンA:レバー・うなぎ・かぼちゃ・春菊、など
- ビタミンC:アセロラ・柿・いちご・パプリカ・ブロッコリー、など
- ビタミンE:アーモンド・落花生、など
これらを含むメニューを意識して食べるとよいでしょう。
妊活中の気を付けたい外食メニュー
妊活中の外食のさまざまな注意点を確認したところで、ここからは最後の総仕上げです。
これだけは避けたい!!妊活NG外食メニューを押さえていきましょう。
ファストフード
ファストフード定番のハンバーガー&ポテトの定番セットは、まさに糖質&糖質の高糖質セット。
野菜が不足してしまいますし、成型肉であるパテには化学調味料や食品添加物の心配もあります。
パンケーキやフレンチトーストなどの甘い食事
糖質の高い小麦粉&甘い味つけで、こちらも高糖質。
圧倒的に野菜も不足しています。甘い食事のみでお腹を満たすことは避けましょう。
単品食
パスタやうどん、丼物などの単品食は半分以上が炭水化物。食後の血糖値が急激に上がりやすくなってしまいます。
できるだけ具沢山のものや、野菜やきのこ、海藻など食物繊維たっぷりの副菜を追加するようにしましょう。
妊活外食におすすめのメニュー例
妊活中の外食におすすめなのは、次のようなメニューです。ぜひ参考にしてくださいね。
定食
主菜・副菜・汁物・主食が揃った定食は、栄養バランスのよいおすすめメニュー。
食物繊維⇒たんぱく質⇒炭水化物の食べ順がしやすく、血糖値の急激な上昇を防ぎやすいのもポイントです。
フレンチや日本食のコースメニュー
前菜⇒スープ⇒メイン⇒ライスorパン⇒デザートといった順番で料理が運ばれてくるコースメニュー。
栄養の偏りを防げますし、順番に食べるだけで、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
ビュッフェ
さまざまな食材を豊富に摂取できる点がビュッフェの魅力。
低糖質な野菜やきのこ、高たんぱくな肉や魚、豆腐などを意識的に食べるようにしましょう。
ただし、食べすぎには要注意!
妊活中の外食はポイントを押えて楽しもう
妊活中の外食は、低糖質・高たんぱく、そして野菜不足にならないようなメニュー選びがポイントです。
…とはいえ、せっかくの楽しい外での食事。
毎回単品食のみ、毎回デザートの盛り合わせ、では困りものですが、あまり神経質になりすぎないことも大切なポイントです。
ストレスにならない程度に注意点を押えつつ、外食を楽しんでくださいね。
この記事を作るため参考にした文献、サイト名
監修
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管理栄養士柳 寿苗(やなぎ としえ)