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妊活中のカフェインは、実は摂取しても大丈夫!?本当に注意しないといけないのは摂取量!

妊活中にカフェインって摂取してもよいのか気になりませんか?
妊娠中は控えるべきとよくと耳にしますが、毎日飲んでいるコーヒー、妊活中のカラダには影響しないのでしょうか。
そこで、カフェインが身体へ与える影響や摂取時の注意点など、妊活とカフェインの関係を徹底解説!
カフェインの知識を深めて、安心した妊活ライフを送りましょう。

妊活中にコーヒーって大丈夫なの?

コーヒーは、カフェインが含まれている代表的な飲み物のひとつ。妊娠中は控えるべきといわれていますが、妊活中はどうなのでしょう?
その答えはやはり、「カフェインを含む食品の摂取は妊活中もできるだけ控えたほうがよい」
カフェインは、コーヒーをはじめ、紅茶や緑茶、栄養ドリンクなど日常よく口にする食品に含まれているもの。1日に何杯も飲んでいるという人にとっては、少々耳が痛い情報ですよね。
妊娠中だけでなく、妊活中も控えるべきとされているのはなぜなのでしょうか。では、妊活中のカラダにカフェインがもたらす影響について、深く探っていきましょう。

カフェインがもたらす身体への影響とは?

カフェインは、コーヒー豆や茶葉、カカオ豆などに天然に含まれている食品成分のひとつ。
カフェインを含んだ飲食物にはさまざまなものがありますが、なかでも、コーヒーとお茶が摂取源の多くを占めるとされています。

カフェインの過剰摂取は障害や流産に繋がることも

コーヒーには、適切に摂取することでガンを抑えるなど、死亡リスクを減少させる効果があるという科学的データも報告されているようです。
しかし、カフェインを過剰摂取した場合、急性的な作用として、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などの健康被害。
さらに長期的な作用として、人によって高血圧のリスクが高くなる可能性があること、妊婦が高濃度のカフェインをとることで、胎児の発育を阻害(発達障害や低体重)する可能性があることなどが報告されています。
また、妊婦がコーヒーをたくさん飲むことで、流産や死産のリスクを上げてしまうとの報告もあります。[参考1]

カフェインの利尿作用で基礎体温が下がることも

コーヒーやお茶を飲むと、トイレが近くなると感じたことはないでしょうか?
これは、カフェインの利尿作用によるもの。利尿作用には、カラダに溜まった余分な水分や老廃物を排出する効果が期待できます。
しかし、水分と一緒に身体の熱も出てしまうので、カフェインをとりすぎると体温が下がり、カラダが冷えやすくなってしまうのです。
また、尿へのカルシウムの排出量を増やしてしまうので、カルシウム不足になりやすいともいわれています。[参考2]

それでも妊活中にカフェイン摂りたい!適切な摂取量は?

では、害のでないカフェインの適切な摂取量とは、具体的にはどれくらいなのでしょうか。

国際機関におけるカフェイン過剰摂取に関する注意喚起

まずは、カフェインの過剰摂取おいて、国際機関ではどのような注意喚起がされているのかをみていきましょう。

世界保健機関(WHO)

カフェインの胎児への影響はまだ確定していないとしつつも、2001年より妊婦に対して、「1日あたりのコーヒー摂取量は3~4杯まで」にすべきとしています。

英国食品基準庁(FSA)

妊婦のカフェインのとりすぎにより

  • 低体重での出生や将来の健康リスクが高くなること
  • 高濃度のカフェインは自然流産を引き起こす可能性があること

以上から、2008年より妊婦に対して、「1日あたりのカフェイン摂取量を200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)」に制限するよう呼びかけています。

カナダ保健省(HC)

2010年より、1日あたりのカフェイン摂取量について、健康な成人は400mg(コーヒー3杯程度)。
妊娠中や授乳中、さらに妊娠を予定している女性は300mg(コーヒー2杯程度)までとしています。

妊活中のコーヒーは2杯までに抑えましょう

カフェインの胎児へ与える影響についてまだ明確な根拠はわかっていないようです。
しかし、摂りすぎることによって、自然流産や、出生児の低体重と将来の健康リスクの上昇につながる可能性が指摘されています。
また、カフェインの利尿作用は、妊活、妊娠の大敵であるカラダの冷えを引き起こす原因ともなるもの。
妊娠しやすいカラダつくりのため、いつ妊娠しても安心して赤ちゃんを迎え入れるために、コーヒーは1日2杯くらいまで。
また、カフェインの含まれるお茶や紅茶も飲んでいるような人は、その量に応じてコーヒーの量を減らすなど、なるべくカフェインの摂取量を控えるようにしましょう。

この飲み物には注意!カフェインが多く含まれている飲み物リスト

コーヒーのほか、お茶や紅茶など、日常的によく口にするものに含まれているカフェイン。
コーヒーを意識的に控えても、ほかの飲み物からとりすぎになってしまうケースもあります。
そのため、カフェインが多く含まれている飲み物をしっかり把握しておくことが大切です。

カフェインを多く含む主な飲み物と含有量

カフェインを多く含む主な飲みものと、含有量の目安を以下の表にまとめました。

飲み物カフェイン量※1
玉露約160mg
コーヒー約60mg
エナジードリンク約36~150mg
ウーロン茶約20mg
コーラ約10~13mg

[※1]カフェイン量は飲み物100mlあたりの量
[※2]備考省略 参考:食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

カフェインの代表といえばコーヒー、紅茶ですが、水分補給やご飯と一緒によく摂取することの多い、せん茶やウーロン茶などにも含まれていることがわかります。
また、玉露に関しては、100mlあたりのカフェイン含有量は160mgと、なんとコーヒーの約2.7倍。知らずに飲んでいると、かなりのカフェインを摂取してしまうことになります。
過剰摂取にならないようにするためには、カフェインの含まれている飲み物をしっかりと把握することが大切。
コーヒーだけでなく、紅茶やせん茶、エナジードリンクなど、その日に飲んだものを合計して、1日のカフェイン摂取量が過剰にならないように意識しましょう。

妊活中におすすめ!カフェインが少ない飲み物リスト

コーヒーに紅茶、せん茶にウーロン茶にはカフェインが…。毎日飲んでいる人にとっては、少々頭を抱えてしまう情報ですよね。
でも、カフェインが含まれていないノンカフェインの飲み物や、含有量の少ないローカフェインの飲み物は意外と多いもの。
毎日のコーヒーやお茶をカフェインの少ないもの、含まれていないものへと少しずつ切り替えみてはいかがでしょうか。

カフェインが少ない飲み物と含有量

では、カフェインをなるべく摂取しないようにするため、カフェイン含有量が少ない飲み物、一切含まれていない飲み物をしっかりと把握しておきましょう。
カフェイン含有量が少ないローカフェイン飲料は以下のとおり。

飲み物カフェイン量※1
番茶約10mg
玄米茶約10mg
デカフェコーヒー製品により変動
デカフェ紅茶製品により変動
コーラ約10~13mg

[※1]カフェイン量は飲み物100mlあたりの量
[※2]備考省略

デカフェとは

デカフェとは、もともとカフェインを含むものから、できるだけカフェインを取り除いた飲み物のこと(※完全に取り除いたものではありません)。デカフェコーヒーやデカフェ紅茶などがあります。
以前は味や香りが劣るといわれることの多かったデカフェですが、年々進化しているよう。今では、普通のコーヒーや紅茶と味も香りもほぼ変わらないデカフェも販売されているようです。
コーヒー専門店や紅茶専門店などで購入することができ、最近ではコンビニエンスストアでも取り扱いが増えてきました。

カフェインが含まれていない「ノンカフェイン飲料」

カフェインが含まれていない飲み物は以下のとおり。

  • 黒豆茶
  • たんぽぽコーヒー
  • ゴーヤ茶
  • 昆布茶
  • とうもろこし茶
  • ごぼう茶
  • ルイボスティー
  • ローズヒップティー

赤ちゃんからお年寄りの方まで飲めるノンカフェインの定番麦茶や、カラダにとってうれしい成分が含まれた健康茶といわれる黒豆茶や甜茶など、カフェインを含んでいない飲み物はたくさんあります。
香りや味もさまざま、ぜひお好みのものを見つけてみてはいかがでしょうか。

これだけは知っておきたい!カフェイン摂取時の注意点!

コーヒーを日常的に飲んでいる人は多いもの。
さらに身近な飲み物に含まれていることが多いので、妊活のためとはいえ、一切カフェインをとらないようにするのはなかなか難しいですよね。
そこで、妊活中にカフェインが入った飲料を飲む際の注意点をみていきましょう。

200mg以上のカフェイン摂取

妊活中にカフェインを摂取することが必ずリスクにつながるわけではありません。注意しなければならないのは、あくまで過剰摂取した場合。
欧州食品安全機関(EFSA)でも、習慣的なカフェイン摂取について、大人で1日あたり400mg、妊婦や授乳婦で1日あたり200mgまでであれば健康リスクは増加しないと評価されています。
コーヒーであれば1日2杯程度、あわせて紅茶やせん茶を飲むのであれば、コーヒーの量はより控えるなど、飲まないではなく、「飲む量」に注意しましょう。

利尿作用によるカラダの冷え

すでにみてきたとおり、カフェインには利尿作用があるのでカラダを冷やしてしまいます。ホットで飲んでもアイスで飲んでも同じ。
冷えは内臓や子宮を冷やし、血行不良となって不妊の一因となってしまうことがあるのです。
コーヒーであればたっぷりのミルクを入れてカフェオレにするなど、飲み方にも工夫をして体内へ採り入れるカフェインの量を減らすようにしましょう。

デカフェやたんぽぽ茶がオススメ

毎日必ずコーヒーを飲んでいる人にとって、飲まないことはストレスになってしまいますよね。
ストレスも妊活、妊娠の大敵。そんな人には、毎日のコーヒーを少しずつデカフェやたんぽぽ茶(たんぽぽコーヒー)に切り替えることをおすすめします。

たんぽぽ茶(たんぽぽコーヒー)

たんぽぽ茶は、たんぽぽの根や葉から抽出されたエキスを使って作られているお茶のことで、カフェインを一切含まない飲み物です。たんぽぽ茶とたんぽぽコーヒーがありますが、この2つはほぼ同じもの。
味は、薄いコーヒーや濃い麦茶と例えられることが多く、コーヒーの代替品として楽しむことができます。

カフェインを減らして、安心した妊活ライフを送ろう

妊活中の気になるカフェイン。コーヒーであれば1日2杯程度なら心配ないようです。
ただし、コーヒーや紅茶、お茶など、毎日よく飲むものに含まれていることが多いので、とりすぎにならないよう1日の合計摂取量を意識するようにしましょう。
妊活へ励むにあたり、これまでのコーヒー、紅茶習慣を一度見直すことも大切です。
より安心した妊活ライフを送るために

  • 飲む回数を減らす
  • ミルクを多めに入れるなど飲み方を工夫する
  • ノンカフェインやデカフェに切り替える

上記のような取り組みを毎日の生活で実践して、少しずつカフェインの摂取量を減らしていきましょう。

この記事を作るため参考にした文献・サイト名

監修

  • 柳 寿苗

    管理栄養士
    柳 寿苗(やなぎ としえ)

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