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妊活中の飲み会ってNG!?お酒が妊活に及ぼす影響&注意点を解説

妊娠中の飲酒は控えましょう。赤ちゃんへのリスクを無くすためにこれは当然のことですよね。でも、妊活中のお酒ってどうなのでしょう。例えば、飲み会に誘われたら、断るべきなのでしょうか。

毎回断るのもストレスだし、どうしても避けられない場合もある。それに、妊活中だってたまには飲み会に参加したい!が本音だったりしますよね。

そこで、妊活中に飲み会に参加することになったら、どんなことに気をつけておくべきなのかを徹底調査しました。気をつけるべきポイントをしっかり押さえて、たまには楽しく息抜きしましょう!

妊活中の飲み会はなるべく避けよう

妊娠中にお酒を飲むと、アルコールが胎盤を通過して、胎児に発達遅延や器官形成不全などの影響を及ぼす可能性があるのは事実。

いつ妊娠しても好ましい状態の体を準備しておくために、できれば妊活中から飲酒は避けておいたほうがよいものといえます。妊活中に飲み会へ行くのはやめるようにしましょう。

避けられないor避けたくない場合はどうする?

…とはいえ、どうしてもお酒の席が避けられない場合ってありますよね。
ましてや、お酒好きならたまには飲み会に参加したい!毎回毎回出席できないことにストレスを感じてしまうようでは、本末転倒になってしまいます。妊活にはストレスも大敵なんです。

そこで、妊活中に飲み会に参加することになったなら、ぜひ、気をつけておきたいポイントをご紹介します。気分転換だからと、大量のお酒をガブガブ飲んでしまうのは、もちろんNG。少量のお酒をたしなむ程度が参加の基本です。

そのうえで、「気をつけておきたいポイント」は以下の3点。

  1. 身体を冷やさないお酒をチョイス
  2. アルコールの分解を助けるおつまみをチョイス
  3. 身体のケアを常に意識

それでは早速、それぞれのポイントについて、詳しくみていきましょう。

【ポイント1】飲み会でも温活は意識!炭酸のお酒には要注意

気をつけるポイント、まずひとつめは、「体を冷やさないお酒」を選んで飲むこと。妊活中に冷えは大敵です。体が冷えて血流が悪くなると、卵巣機能が低下しやすくなるといわれています。

酸素や栄養分とともに脳からのホルモンを運ぶ重要な役割をしているのが血液。そのため、血液の流れがスムーズにいかなくなると、卵巣の働きに影響がでてしまうのです。

妊活中はとくに体を冷やさないことが大事。飲み会でも温活をしっかりと意識しましょう。

体を温めるお酒と冷やすお酒

お酒には、種類によって身体を温める効果があるもの、逆に身体を冷やしてしまうものがあります。妊活中にお酒を飲む場合には、体を温めるお酒をチョイスして飲むようにしましょう。

体を温めるお酒ってどんなものがあるの?

体を冷やさないためには、温かいお酒を飲むこと。日本酒の熱燗、焼酎やウイスキーのお湯割り、ホットワイン(白より赤)などがおすすめです。

  • 日本酒の熱燗
  • お湯割りのお酒
  • ホットワインなど

ただし、飲みすぎは禁物!体を温めるからといって大量に飲んでしまうと、結局冷えを招いてしまいますよ。適度な量を楽しく飲むようにしましょう。

体を冷やすお酒に注意!

ビール、ウイスキー、麦焼酎、チューハイ、ハイボール、甘いカクテルなどは、体を冷やすお酒といわれています。

  • ビール
  • ウイスキー
  • 麦焼酎
  • チューハイ
  • ハイボール
  • 甘いカクテルなど

まず、冷たいお酒は体を冷やす代表格。キンキンに冷えたビールは、一気に内臓を冷やしてしまいますよ。

また、ビールやウイスキーなどの原料が麦のもの、カクテル系などの白砂糖が多く含まれているものは体を冷やしやすいお酒といわれています。ウイスキーや焼酎はお湯割りで。甘いお酒はなるべく避けたほうが無難です。

鉄の吸収を阻害!炭酸のお酒にも要注意

炭酸水や炭酸飲料を大量に飲むと、胃のなかが酸性からアルカリ性に傾いている時間が長くなります。アルカリ性に傾いた胃の粘膜は、鉄の吸収を妨げてしまうので要注意。

子宮内の環境を整えるのに必要不可欠なのが「鉄分」。不足すると、排卵障害や不妊の原因につながる可能性もあり、妊活中は積極的に摂取したい栄養素です。
そのため、お酒を飲む場合は、鉄の吸収不足を招く炭酸のお酒は控えたほうが無難です。

また、おつまみにも、レバー類やアサリ、小松菜やホウレン草など、鉄分豊富なものを取り入れることをおすすめします。

【ポイント2】おつまみは「ビタミンB1」と「亜鉛」を意識してチョイス

気をつけるポイント、ふたつめは「飲酒で消費されがちな栄養素を含むおつまみ」を食べながらゆっくりお酒を飲むこと。

そもそも、空っぽのお腹にお酒を入れたり、一気に飲むことはNG。体を冷やしてしまいますし、アルコールの血中濃度が急速に上がり、悪い酔いの原因にもなってしまいます。食事と一緒にゆっくりと、が飲酒の基本ですよ。

そして、アルコールを体内で分解する際に、多く消費されるのが亜鉛やビタミンB1といった栄養素。それらの栄養素が不足しないよう、おつまみで上手に補うことを意識しましょう。

チョイスしたいおつまみ (1) 「亜鉛」を含むもの

アルコールを分解する際、体内では多くの亜鉛が使われます。また、アルコールによって、尿中への排泄も促されてしまうため、体内の亜鉛量が不足してしまいがちに。お酒を飲むときは、普段より多めの亜鉛を意識して摂取するようにしましょう。

亜鉛を含むおすすめおつまみ

  • 牡蠣のグラタン
  • レバニラ炒め
  • チーズの盛り合わせ

ちなみに、亜鉛は、牡蠣やカニなどの魚介類、牛赤身肉やレバーなどの肉類、豆類やゴマなどの種実類、チーズ製品などに多く含まれています。

  • 魚介類(牡蠣、カニ(カニ缶でもOK)など)
  • 肉類(牛赤身肉、牛レバー、豚レバー、鶏レバーなど)
  • 豆類
  • 種実類(ゴマなど)
  • チーズ製品(プロセスチーズ)

お酒の席では、これらの食材が使われたおつまみを意識してチョイスし、アルコール分解で消費しやすい亜鉛をしっかり補いましょう。[参考1]

チョイスしたいおつまみ (2) 「ビタミンB1」を含むもの

体内でのアルコール分解には、ビタミンB1も多く消費されます。さらに、アルコールによって、ビタミンB1の排泄が促進されるので、不足しがちに。ビタミンB1が不足すると、むくみや疲れが残りやすくなってしまいます。

お酒を飲むときには、亜鉛と同様、普段より多くのビタミンB1を意識して摂取するようにしましょう。

ビタミンB1を含むおすすめおつまみ

ビタミンB1を多く含む、豚肉や豆、ナッツ類を取り入れたおつまみメニューです。

  • 豚しゃぶ(ごまだれ)
  • 枝豆
  • ミックスナッツ
  • たらこのおにぎりなど

ちなみに、ビタミンB1は、豚肉、うなぎやたらこ、豆類や種実類、ナッツ類などに多く含まれています。

  • 豚肉(とくに、ひれ肉、もも肉など)
  • うなぎ
  • たらこ
  • 豆類(大豆など)
  • 種実類(ゴマなど)
  • ナッツ類(落花生など)

ビタミンB1を摂取するため、お酒を飲む際は、これらの食材が使われたおつまみを意識してチョイスするようにしましょう。ただし、カロリーや炭水化物のとりすぎには注意してくださいね。[参考2]

定番おつまみ、お刺身は食べても大丈夫?

お酒の席での定番のおつまみ、お刺身。インターネット上では、「妊娠中は生魚を控えるべき」という情報をよく目にしますが、妊活中はどうなのでしょうか。

妊娠中では魚に含まれる「水銀」が問題とされています

そもそも、生魚は控えるべきといわれているのは、魚に含まれている「水銀」が主な原因。

妊娠中に魚を極端にたくさん食べるといった偏った食べ方をした場合、体に取り込まれた水銀がお腹のなかの赤ちゃんの発育に影響を与える可能性があると報告されているのです。

各魚に含まれる水銀の量は厚生労働省のパンフレットを確認

厚生労働省からも、食べる魚の種類と量について注意勧告が発表されています。
それによると、妊娠中に魚を食べる場合の目安は、1週間にお刺身1人前(約80g)と切り身1切れ(約80g)程度。

種類によっては、食べる量をより減らした方がよい魚もありますし、とくに注意を払う必要がないとされる魚もあります。詳細は厚生労働省のパンフレットを参照してみてくださいね。[参考3]

妊活中はお刺身も週に1回程度であればOK

ただし、「魚は一切避けるべき」とされているわけではありません。厚生労働省では、注意勧告と同時に、魚は健康的な食生活のために欠かせない重要な食材であり、妊娠期にもバランスよく食べることを呼びかけています。

そのため、妊活中も極端に魚を避ける必要はありません。お刺身も週に1回程度であればOK。良質なたんぱく源、カルシウム源である魚をバランスよく食べていきましょう。

【ポイント3】妊活中の飲み会では、お酒に対する身体ケアも大切

気をつけるポイント、最後は「お酒に対する体のケアを常に意識する」こと。
お酒を飲むと体がポカポカしてきますが、実は、体の芯は冷えた状態になっています。冷えは妊活の大敵、ですよね。

そのため、お酒を飲んでいる最中はもちろん、飲み会が終わった後も、体を冷やさないためのケアが必要となるのです。

体のケア (1) お酒は適量に、飲みすぎないこと

「お酒は適量に」は飲酒の大前提となること。飲めば飲むほど体はどんどん冷えてしまいます。でも、その適量って具体的にはどれくらいの量のことなのでしょうか。

厚生労働省の飲酒のガイドラインによると、「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。」と定義されています。

アルコール20g相当のお酒の種類は、以下のとおりです。

  • ビール中瓶1本(5%:500ml)
  • 日本酒1合(15%:180ml)
  • チューハイ缶1本(7%:350ml)
  • ウイスキーダブル1杯(43%:60ml)
  • ワイン2杯(12%:240ml)
  • 焼酎1合(35度:90ml)

ただし、この飲酒の適量は男性を基準として定められたもの。女性は男性より肝臓が小さく、体内の水分量も少ないため、飲酒量をより控えめにすることが望ましいとされています。そのため、適量基準の半分程度を目安にして飲酒するようにしましょう。[参考4][参考5]

体のケア (2) 白湯のトータルケアでポカポカに

そもそも、どうしてお酒で体が冷えてしまうのでしょう。その原因は主にふたつあります。

ひとつめは、アルコールによる利尿作用によって、尿と一緒に体の熱が出ていってしまうことが原因。ふたつめは、アルコールの分解によって体の水分が奪われ、血流が悪くなってしまうことが原因です。

飲酒で冷えそうな体を白湯がやさしくサポートする

そんな飲酒による体の冷えを防ぐためには、白湯でケアする方法がベスト。白湯を飲むと、体の芯から温めることができるのです。飲み会中は適度な間隔で白湯を飲み、体を冷やさないように心がしましょう。

さらに、飲酒後はアルコールの分解に多くの水分が使われて、体は脱水症状気味にもなっています。帰宅したら、白湯でしっかりと水分補給しながら体を温めるケアをしましょう。

飲み会以外でも白湯で温活はおすすめ

ちなみに、白湯で胃腸を温めると、胃腸の働きが活発になり、代謝が上がることで、次第に冷えにくい体質になるといわれています。

目覚めの1杯に白湯を飲んだり、いつものコーヒーを1杯だけ白湯に替えるなど、日ごろから積極的に白湯を取り入れた温活もおすすめですよ。

妊活中の飲み会はポイントを押さえて楽しもう!

たまには飲み会に参加したい!そんなとき、妊活中だからといつも我慢ばかりしていては、ストレスになってしまいますよね。妊活中だってたまには息抜きしたいし、どうしても避けられないお酒の席だってあるはず。

でも、気をつけるポイントを押さえれば大丈夫です!体を冷やしにくいお酒を適量飲んだり、アルコールによって不足してしまいがちな栄養素を補えるおつまみをチョイス。

また、飲み会中、飲み会後は体を温めるため、白湯でしっかりケアをする。妊活中に飲み会に参加することになったら、温活とアルコールで不足しがちな栄養素を意識しつつ、お酒の席を十分に楽しみましょう!

この記事の参考献・サイト名

監修

  • 柳 寿苗

    管理栄養士
    柳 寿苗(やなぎ としえ)

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