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トマトジュースに含まれる「リコピン」が妊活のカギ!?トマトの妊活効果を徹底解説!

栄養バランスの優れたトマト。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」といったことわざがあるほど健康効果は絶大です。
しかも、トマトジュースなら栄養成分がギュギュっと濃縮。妊活にもさらなるパワーを発揮しますよ。
トマトジュースが妊活カップルへどんな効果をもたらすのか、詳しく探っていきましょう。

妊活の味方!トマトの栄養成分「リコピン」とは

低カロリーで栄養豊富なトマト。
βカロテンやビタミンCをはじめ、ビタミンB群やビタミンEなど、さまざまな栄養成分がバランスよく含まれた優秀食材です。
なかでも、とくに注目なのが「リコピン」。トマトの赤い色素のもととなっている成分で、妊娠しやすいカラダづくりのための強力なサポーターとなってくれる栄養素です。
まずは、このリコピンが妊活に及ぼす働きを確認していきましょう。

リコピンが「精子と卵子の老化」を予防

リコピンには強い抗酸化作用があり、老化や生活習慣病を引き起こす活性酸素を除去する働きがあります。
活性酸素とは、体内に入ってきたウイルスや細菌を撃退する免疫機能として働く一方、ストレスや偏った食生活などが要因となって過剰発生すると、正常な細胞や遺伝子を傷つけて酸化させてしまうやっかいな物質。
精子や卵子も活性酸素の攻撃を受けると酸化し、老化が進んでしまいます。

そこで、リコピンの出番。
リコピンの抗酸化力はずば抜けて強く、βカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上もあることがわかっています。
つまり、リコピンをたっぷり含んだトマトを摂取することで、活性酸素が除去され精子や卵子の老化を防止する効果が期待できるのです。

リコピンだけじゃない!妊娠をサポートする栄養たっぷりのトマト!

さまざまな栄養成分をバランスよく含んでいるトマトは、リコピンのほかにも妊活にうれしい栄養素がたっぷり。主な栄養素と妊活への効果を簡単に確認していきましょう。

βカロテン

βカロテンは、必要に応じて体内でビタミンAに変換され、子宮環境を整える働きをする栄養素。
子宮内膜の材料となるため、ビタミンAを十分に摂取することで子宮内膜がふかふかで厚みのあるベッドになり、受精卵が着床しやすくなります。
また、リコピン同様、活性酸素を消去して酸化からカラダを守る抗酸化作用もあり、精子や卵子の老化を予防する効果が期待できます。

ビタミンC

リコピン同様、抗酸化作用が強い栄養素。
細胞をサビつかせる活性酸素を消去し、精子や卵子が酸化して老化するのを防ぐ効果があります。

ビタミンE

『妊娠ビタミン』ともいわれ、妊娠力に繋がるとても大事な栄養素。
黄体ホルモン(プロゲステロン)の原料となり、黄体ホルモンの分泌量や活動を活発にさせて、ホルモンバランスを調整したり、排卵を促進するといった働きがあります。
また、強い抗酸化作用があり、毛細血管の血流促進や精子や卵子の酸化を防ぐ効果も。

葉酸

葉酸は、妊娠のごく初期から胎児の脳や神経をつくる重要な働きをする栄養素。
妊娠前から葉酸を十分に摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが低減することがあきらかとなり、厚生労働省より妊娠可能な年齢の女性に葉酸の積極的な摂取が勧告されています。

また、葉酸は妊活中の男性にもうれしい効果のある栄養素。
葉酸を充分に摂取している男性の精子は、そうでない男性の精子と比べて、染色体異常が約20%低いことがあきらかにされています。

食物繊維

食物繊維は、腸内環境を整えるために不可欠な栄養素。
また、脂質・糖・ナトリウムなどをカラダの外に排出する働きがあり、これらの摂り過ぎが原因となって引き起こされる肥満・糖尿病・高血圧などといった生活習慣病の予防・改善にも効果が期待できます。

なお、食物繊維には不溶性と水溶性の2種類がありますが、トマトに含まれているのはペクチンという水溶性の食物繊維。
腸内のビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やして腸内環境を正常に整えてくれたり、糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えくれる働きがあります。

生トマトよりトマトジュース?その理由とは

これまでみてきた通り、妊活にうれしい栄養素がたっぷりつまったトマト。早速、サラダでトマトを摂取…といきたいところですが、実は、トマトの栄養をより効果的に摂り入れるためには、生トマトよりトマトジュースがおすすめです!

では、一体どうしてトマトジュースなのでしょうか。ここからは、トマトジュースに秘められた健康パワーのヒミツを探っていきましょう。

実は、トマトジュースに使われる加工用トマトがカギ!なんと栄養が2倍!

トマトジュースなどの加工品は、生食用トマトとは品種も栽培方法も、さらに栄養価も異なる「加工用トマト」を使って作られています。

引用:一般社団法人全国トマト工業会
http://www.japan-tomato.or.jp/process/

店頭に並ぶまでの時間を考慮し、わずかに色づきはじめた頃に収穫される生食用トマト。一方、農林水産省の規格で完熟してからの収穫が定められている加工用トマトは、真っ赤に熟すまでは畑の中。旬にもぎ取られてその日のうちに加工されるので、栄養成分が凝縮されているのです。

そのため、完熟期の加工用トマトは、生食用トマトに比べてリコピンが約3倍、βカロテン・ビタミンCが約2倍、食物繊維が約1.5倍!
つまり、加工用トマトで作られているトマトジュースは、生トマト以上に栄養が詰まった超優秀食品なのです。[参考1]

男性不妊にも効果のあるトマトジュース!だからパートナーで取り組める!

不妊の50%は男性側に原因があるといわれています。そして、男性不妊の原因のひとつが精子の異常(精子の運動率の低下、精子の濃度が低いなど)であり、精子に悪影響を与えている因子のひとつが活性酸素とされています。
そこで注目なのが、トマトジュースに豊富に含まれているリコピン。

リコピンの抗酸化作用に注目して、2011年、カゴメと国際医療福祉大学病院が共同研究を行った結果、トマトジュースの摂取により精子運動率の上昇と精液中白血球数の改善が確認されました。[参考2]
このことから、トマトジュースを継続的に摂取することで、男性不妊が予防、改善される可能性が示されています。
ぜひ、トマトジュースを毎日の食生活に摂り入れ、強力なリコピンパワーで妊娠力をアップさせていきましょう。

もう一工夫でさらに効果UP!妊活中のトマトジュースの隠れ技!

妊活の手助けをしてくれる栄養満点のトマトジュース。ここからは、その栄養をより効果的に取り入れるためのコツをご紹介していきます。

トマトジュースを飲むタイミングは朝がベスト

カゴメの試験研究により、リコピンの吸収率は『朝』が最も高いことが明らかになっています。
つまり、トマトジュースを飲むタイミングは朝がベスト!
リコピンの吸収率をさらにアップさせるためには、朝食時に「トマトジュース+牛乳」がおすすめです。牛乳はリコピンと相性バッチリ。カルシウムなども一緒に摂取でき、栄養価も高まりますよ。

トマトジュースは加熱&オリーブオイルと同時摂取で吸収率アップ

カゴメと日本女子大学の共同研究により、トマトジュースとオリーブオイルを一緒に摂取することでリコピンの吸収が高まることが報告されています。[参考3]
また、リコピンは加熱することでも吸収率がアップ。

トマトジュースをほかの野菜と一緒にオリーブオイルで炒めて、トマトソースやミネストローネなどにアレンジしていただきましょう!
リコピンは脂溶性のため、オリーブオイル以外でも脂質と合わせて摂取することを意識しましょう!

トマトジュースは無塩・無添加のものをセレクト

スーパーに並んでいるトマトジュースには、加塩のものと無塩のもの、さらに、香料・保存料が添加されているものなどさまざまな種類がありますよね。
塩や香料などが添加されたものは飲みやすいというメリットがあるものの、塩分の摂りすぎにつながりますし、添加物はカラダの健康のために極力控えたいところ。
妊活にトマトジュースを摂り入れる場合には、できるだけ無塩・無添加のものをセレクトしましょう。

1日1杯から始められるトマトジュース妊活!

最後に、トマトジュースの1日の摂取目安量を確認していきましょう。
『カゴメの公式ホームページ』によると、カゴメから販売されている『カゴメトマトジュース食塩無添加』の1日の摂取目安量はコップ1杯(200ml)とされています。

すでにご説明した通り、トマトやトマトジュースに含まれるリコピンは、強力な抗酸化作用をもち、老化や病気の原因となる活性酸素を除去してくれる妊活の心強い味方。
しかし、リコピン摂取による唯一の有害事象として、カロテンを多量に摂取した際に血中のカロテン値が上昇し、皮膚の色が黄色くなる状態がカロテン血症が報告されています。[参考4]

米国健康医学諮問機関では、『カロテン血症は生物学的に無害である』と認められていますが、トマトジュースも過剰に摂取することは控えたほうがよいでしょう。
1日コップ1杯を目安に、トマトジュースを毎日の食生活へ上手に摂り入れてくださいね。

妊活でトマトジュースを飲んで妊娠力を高めましょう!

栄養が凝縮された加工用トマトで作られているトマトジュースは、妊活におすすめの優秀食品です。
強力な抗酸化作用をもつリコピンパワーをはじめ、妊活にうれしい栄養成分がギュギュっと凝縮されていますよ。
トマトジュースの継続的な摂取により、卵子や精子の質を上げる効果、妊娠力を高める効果が期待できます。
ぜひ、妊活カップル揃って、トマトジュース活用してみてくださいね。

この記事を作るため参考にした文献・サイト名

監修

  • 柳 寿苗

    管理栄養士
    柳 寿苗(やなぎ としえ)

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