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とろろ昆布は内膜をフカフカに…は嘘!?妊活効果の真実を解説

妊活をしている中で「とろろ昆布が妊活にいい」と耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
なんとなく栄養がありそうなイメージのとろろ昆布。でも、具体的にどう妊活へ影響するのか皆さんご存知でしょうか?
そこで今回は、とろろ昆布が妊活にあたえる影響を詳しくご説明していきます。ぜひ参考にしてくださいね。

妊活にとろろ昆布っていいの?妊活専門の管理栄養士が解説

とろろ昆布には、

  • ビタミンE
  • ビタミンC

これらが含まれており、子宮内膜の環境を整えたり老化を防いでくれる。という情報を目にしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか?
とろろ昆布には、確かにビタミンEやビタミンCが含まれています。
ですが、その量は残念ながら微量で、1食分のとろろ昆布(4g)には、1日あたりの必要量の約1%ほどしか含まれません。
以上のことから、とろろ昆布はビタミンEやビタミンCの供給源としては不向きな食品になります。

とろろ昆布の妊活効果はビタミン以外にあり

では、とろろ昆布は食べても妊活に意味がないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません!
とろろ昆布はマグネシウムやカリウム、食物繊維を含みます。
マグネシウムは骨の構成成分であるほかに、生体内で約300種類もの酵素反応に関与している必須ミネラルです。
あまり妊活とマグネシウムが結びつかない方も多いかもしれませんが、マグネシウムは妊活中にはぜひ摂取していただきたい栄養素です。

マグネシウムは妊娠しやすい身体づくりに必須の栄養素

マグネシウムは栄養の正常な吸収や体温、血液循環に関与しているほか、精神の安定にも関与するミネラルです。
妊娠しやすい身体を作るためには、栄養の吸収は大切ですし、栄養を全身に届ける血液循環も重要ですね。
そして妊活中は焦りや不安、落ち込むこともあると思います。穏やかな気持ちで妊活に取り組むためにもマグネシウムは重要です。
また、マグネシウムは間接的に自律神経にも関わっています。自律神経の乱れは精神不安定だけでなく、ホルモンバランスの乱れも引き起こす可能性があります。
しっかりとマグネシウムを摂ることで、心身ともに調子を整えることができますね。[参考1][参考2]

とろろ昆布は食物繊維も豊富

食物繊維は腸内環境を整えたり、血糖値の急上昇を防いだりするため重要です。
女性は男性と比べて筋力が低いことや、ホルモンバランスの影響により便秘を起こしやすい体質。
便秘になると排泄されない便から有害物質が発生され、免疫の低下や老化の促進を引き起こすと言われています。
また、腸内環境が悪いと栄養がきちんと吸収されなかったり、ビタミンの合成が潤滑に行われなかったりする可能性もあります。
さらに、便秘になると便が腹部を圧迫して、血行不良を引き起こす可能性も。
食物繊維は便通を促したり、ビフィズス菌や乳酸菌の餌となって腸内環境を整えたりする働きをしてくれますから、妊活中にはぜひ積極的に摂りたい栄養素ですね!

糖質の吸収も穏やかにする働きが

また、糖質を多く含む食品は血糖値が急上昇しやすいです。血糖値が急上昇すると血糖値を下げるホルモンが働きます。
血糖値の急上昇を降下を繰り返すと、血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、排卵障害のリスクが上がると言われています。
食物繊維は糖の吸収を穏やかにしてくれるため、血糖値の急上昇を防いでくれます。

とろろ昆布に含まれるマグネシウムや食物繊維が妊活へ効果的!

マグネシウムや食物繊維は妊娠中にも重要な働きをしてくれますので、妊活中から妊娠後まで継続して摂取しておきたい栄養素です。
とろろ昆布へ含まれる妊活によい栄養素はビタミンEやCではないですが、マグネシウムや食物繊維など妊活に有意に働いてくれる栄養素も含みます。
つまり、妊活中にとろろ昆布はおすすめの食品と言えるのではないでしょうか。[参考3]

妊活中のとろろ昆布は黄体期に食べるのもおすすめ

とろろ昆布はいつ食べても良いのですが、黄体期に食べてみるのはいかがでしょうか?
黄体期は、黄体ホルモンの分泌が増え、ホルモンバランスが変わるため心身ともに変化が起こりやすい時期。
イライラや不安を感じやすかったり、肌荒れや便秘をしやすかったりします。
この時期に精神の安定に関わるマグネシウムや、おなかの調子を整える食物繊維が豊富なとろろ昆布を取り入れることで、心と身体の不快感を和らげることができるかもしれませんね。

とろろ昆布を食べるためのおすすめの方法

さまざまな食べ方を楽しむことができるとろろ昆布。
少しでも無駄のないように栄養を摂るためには、できるだけ加熱していない状態で食べることがおすすめです。
手軽に食べられるものとして、ご飯に混ぜておにぎりにする方法や、冷奴の上にトッピングする方法があります。
昆布の味をしっかりと楽しむことができる上に、さっと加えるだけでよいのでとっても簡単!

味噌汁へ入れたり和え物に添えたりもおすすめ

それ以外の食べ方としては、お味噌汁にとろろ昆布を入れて食べてみるのはどうでしょうか。
体の冷えは、血行不良の原因にもなります。温かいお味噌汁を飲むことで、体のなかから温まることができ、まさに一石二鳥の食べ方!毎日の食事に取り入れやすいのも嬉しいですね。
そのほかにも、パスタのトッピングにしたり、小松菜やホウレン草の和え物に乗せて一緒に食べたりと、意外と多くのバリエーションがあります。
ずっと同じ方法で食べて飽きてしまうのを防ぐためにも、いろんな食べ方を試してみてはいかがでしょうか。

とろろ昆布と一緒に摂取すると良い食べ合わせ

とろろ昆布にはマグネシウムが豊富に含まれています。
マグネシウムはカルシウムと引けを取らず働いてくれますし、カルシウムも精神の安定に働くミネラルなので、カルシウムを豊富に含む食品との組み合わせがおすすめです。
ちなみに桜海老やしらす、ゴマなどはカルシウムを多く含みます。
さらに、ビタミンDを含む食品である魚類やきくらげ、舞茸などと合わせるとカルシウムがよく体内へ吸収されます。

とろろ昆布の注意点!ヨウ素や塩分に気をつけよう

昆布などの海藻にはヨウ素が含まれており、新陳代謝を活発にしてくれたり、皮膚や髪の毛をよい状態に保つ働きをしています。
ただし、ヨウ素を過剰に摂取してしまうと、甲状腺機能を低下させてしまうのではないかとも考えられています。
悪化してしまうと、橋本病やバセドウ病の原因になる可能性も否定できません。

毎日大量に食べるのも避けましょう

また、とろろ昆布には塩分も含まれています。
とろろ昆布を過剰に食べると塩分の摂りすぎにも繋がるため、毎日大量に食べるのは控えておきましょう。

とろろ昆布は妊活の味方になってくれるおいしさ満点の食材!

精神を安定させる働きのあるマグネシウムや、おなかの調子を整える食物繊維を豊富に含むとろろ昆布。
黄体期に食べることで、生理前を迎えた身体の心の不快感が緩和されるかもしれません。
また、食べる際には栄養を無駄にしないよう、加熱せずに食べるのがおすすめです。
ただし、過剰摂取はヨウ素による甲状腺機能の低下の恐れがあるため、とろろ昆布の食べすぎには注意が必要です。
おいしいだけではなく、妊活をしている方の味方になってくれるとろろ昆布。ぜひメニューに加えてみてください。

この記事を作るため参考にした文献・サイト名

監修

  • 柳 寿苗

    管理栄養士
    柳 寿苗(やなぎ としえ)

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