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妊活中の女性におすすめ!便利で美味しいサバ缶の話

肉は頻繁に食べるけれど、魚はあまり…そんな人も多いはずです。 妊活中の女性は栄養バランスの整った食事をとることが理想的。

忙しい毎日の中でも気軽に魚を食べたい、そんな女性におすすめなのがサバ缶です。

今回はさばに含まれる栄養素や妊活との関係、便利なサバ缶を使った簡単レシピなどを詳しくご紹介したいと思います。

さばが妊活に良い理由

妊活中には肉や魚、野菜などの食べものをバランスよく食べられるように意識する女性も多いと思います。

しかし、魚を使った料理を作ることが苦手だったり、忙しくて足が早い魚を食べることが難しいなどの問題を抱えるケースも珍しくありません。

そんな問題を解決してくれるのが便利で美味しい鯖缶の存在です。

鯖缶は保存期間も長く、忙しい時でもサッと食べられておすすめ。また、鯖には妊活に良い栄養素も含まれているのですよ。

栄養素(DHAやEPAなど、オメガ3脂肪酸)

さばにはいくつもの栄養素が含まれています。

DHAやEPAなどのオメガ(n-3)系脂肪酸、ビタミンDやビタミンB12、タンパク質など種類が豊富で、どれも健康な体作りに繋がる栄養素ばかりです。

それぞれの栄養素にどんな働きがあるのかを具体的にみていきましょう。

DHA

サプリメントなどでもよく耳にするDHAという栄養素は、さばやいわしなどの青魚に多く含まれている栄養素です。

DHAの正式名称はドコサヘキサエン酸と呼び、必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸の一つ。人体のあらゆるの細胞にありますが、特に脳神経系や網膜、精巣、そして心筋に豊富に存在しています。それぞれの機能の働きを促す効果があるとも言われています。

DHAは体内で作ることが難しいため、不足しがちにならないためにもDHAを含む青魚を積極的に取ることが理想的です。

また、DHAは母乳の中にも含まれているので、授乳中のママも注目していただきたい栄養素です。

EPA

EPAは正式名称でエイコサペンタエン酸と呼ばれ、EPAはDHAと同様、オメガ3脂肪酸の一つであり、青魚に含まれている栄養素です。

EPAはDHAとペアで考えられることが多く、主に血液をサラサラにしたり、中性脂肪の低下の効果が期待出来る栄養素です。

また、DHAとEPAには抗炎症作用があるとも言われており、摂取することで子宮内膜症の予防や治療効果があるとも考えられているそうですよ。

子宮内膜症は生理痛が強くなったり、可能性はそれほど高くはないものの、不妊症になる原因の一つだとも言われているため、EPAやDHAを摂取して妊娠しやすい体作りを心がけることも大切です。

ビタミンD

ビタミンDには、カルシウムの吸収を向上させる働きがあり、健康な骨を形成する効果が期待されると言われています。

ビタミンDが不足すると、骨がスカスカになってしまう骨粗鬆症に繋がる恐れもあり、背中や腰に痛みを感じるようになったり、骨折しやすくなったりすることも。

また、ビタミンDは妊活にも影響力があり、子宮や精巣などの生殖器にもプラスの働きをすることが分かってきました。

妊婦さんがビタミンDを摂取することで妊娠糖尿病のリスクを減らす効果が期待できるとも言われているそうですよ。

ビタミンB2

ビタミンB2は、水溶性のビタミンで、水に溶ける性質があります。

主に、皮膚や粘膜などの健康維持を促す働きがあり、不足することでニキビなど肌荒れの原因になったり、口唇炎や口角炎などの粘膜のトラブルにつながる恐れがあります。

また、ビタミンB2は葉酸と一緒に摂取することで葉酸の働きを高める効果も期待出来ます。

葉酸は妊娠を意識する女性にとって大切な栄養素の一種。

葉酸のパワーを効率よく発揮させるためには、ビタミンB2が重要な役割を担っていることが分かりますね。

タンパク質

私達の体の中は、その半分以上が水分で占められています。

そして、水分以外に多いものとしてタンパク質があり、タンパク質は体のあらゆる部分と密接に関わっているのです。

臓器や骨、筋肉や髪などの主な成分もタンパク質。

健康な体を作り&維持するためにも欠かせない栄養素です。

さばの栄養価

さばにはDHAやEPA、ビタミンD、ビタミンB2、タンパク質などの栄養が含まれていますが、それぞれの栄養素がどのくらいの量含まれているのか、他に含有量の多い食べものにどのような物があるかなども知っておくことで栄養バランスの整った食生活に繋げることが出来ますよ。

今回は日常でも食べる機会の多い、生のマサバ(100gあたり)を基準にそれぞれの栄養価をみていきましょう。

●DHA→970mg

●EPA→690mg

●ビタミンD→5.1μg

●ビタミンB2→0.31mg

●タンパク質→20.6g

マサバ以外にDHAやEPA含む食べものとして、マグロやさんまなどが代表的です。

ビタミンDは野菜に多く含まれるイメージがありますが、サンマやサケなどの魚類、そしてきくらげや干ししいたけなどのキノコ類に含まれています。

一方、ビタミンB2を含む食べ物は多く、卵や納豆、豚レバーやうなぎ、乳製品など幅広いです。

タンパク質を含む食べ物はささみやするめ、きな粉や豆腐、チーズや卵などで、私達の生活の中でもより身近な食べ物から取り入れることが出来ます。

さばの基礎知識・種類

さばは日本のみならず、世界各国で食べられている魚です。

私達が普段食べているさばの品種はマサバ、ゴマサバ、大西洋サバの3種類。

マサバとゴマサバは日本近海で水揚げすることが出来て、大西洋サバはノルウェーから輸入されることが多く、ノルウェーサバとも呼ばれています。

マサバ、ゴマサバ、大西洋サバ、それぞれ旬や見た目、味に特徴があり、栄養価にも少しずつ違いがみられます。

マサバ

マサバの体はぷっくりと太く、両端はとがったような形をしています。背中部分が青や緑がかった色味でつる草のような模様が見られ、お腹は白っぽくつややか。もともと脂がしっかりとついていますが、最も美味しくなるのが秋から冬にかけての時期です。

ゴマサバ

ゴマサバの大きさは約50㎝くらいになることが多く、背中部分は青や緑がかった色をしています。

お腹の部分は銀色で、ゴマのような黒い点の模様が見られることから「ゴマサバ」と言う名が付けられたそうです。 マサバよりも脂身が少なく、旬の時期のマサバに比べるとやや味が落ちる傾向があります。

しかし、季節を問わず味が安定しているので、ゴマサバを好む人も多いのだとか。

大西洋サバ

見た目や形などはマサバに近く、脂ののりも良く、一年を通じて安定しているといわれています。

少し前までは価格も安くて手に入りやすいかったのですが、最近では価格が高騰している傾向があります。

栄養価の違いとしては、脂肪酸いわゆる油が多いのが大西洋サバであり、エネルギーも多いです。

タンパク質はゴマサバが1番、ビタミンDが多いのは大西洋さばです。 ビタミンB2は3種類大差はありません。

DHAは大西洋サバが多く、2番手にマサバが続きます。 EPAが多いのも大西洋さば、次にマサバ。ゴマサバはやや少な目。

さばの適量(1日)

1日あたりのさばの適量は特に決められていませんが、体に良いからといって何食も食べ続けることは好ましいことではありません。

さばに限らずどんな食べ物でも【バランスよく自分が美味しいと感じられる量】が適量だと言えるのではないでしょうか。

サバ缶であれば1日1缶食べれば十分だと感じられる人がほとんどだと思いますので、この量を目安にすると分かりやすいかもしれませんね。

尚、さばに含まれるオメガ3脂肪酸の1日の目安量は成人男性だと2.0gから4.0g程度、成人女性のだと1.6gから2.0g程度です。

さばを食べすぎると?

さばを食べることで体に良い栄養素であるDHAやEPAなどを取り入れることが出来ます。

しかし、さばを過剰に摂取しすぎることで生じるリスクもあり、体の調子を悪くしてしまう恐れも出てきます。

DHAとEPAが過剰摂取になることも

さばはDHAやEPAを気軽に取ることが出来るため積極的に食べるようにする人もいますが、食べすぎることで逆に過剰摂取に繋がってしまうケースも少なくありません。

DHAやEPAを摂取しすぎると、吐き気や下痢をしてしまったり、出血が止まりにくくなるなどの症状が出ることもあるようです。

先ほどサバ缶を例にしてさばの適量のお話をしましたが、実はサバ缶1缶当たりの内容量によっては、1缶を食べきっただけでも一日あたりのDHAとEPAの摂取めやす量を超えてしまうこともあるそうです。

しかし、目安量を超えてしまったからといって食べてすぐに吐き気や下痢などの体調不良が起こるわけではなく、あくまでも何食も続けて食べたり、過剰摂取の状態が継続された時を想定したお話です。

「たまにサバ缶を食べる」程度であれば、過剰に心配することはありませんので安心してくださいね。

肥満に繋がる恐れも

さばを気軽に食べるのにサバ缶が便利でおすすめ。

しかし、食べやすいサバ缶をいくつも食べ続けることで肥満に繋がる恐れも出てきます。 サバ缶には水煮や味噌などの種類がありますよね。

「水煮であればヘルシーなんじゃ?」と勘違いしがちですが、これは間違い。

水煮であっても300キロカロリー前後ありますので、十分なおかずになってしまうのです。 また、サバ缶はご飯との相性が抜群!

サバ缶とご飯をモリモリ食べてしまい太ってしまわないように注意してくださいね。

ちなみに…気になる水銀のリスク

「さばを食べることで水銀の取りすぎになる心配は?」と考える人もいるようですが、さばを普通に食べる分には水銀の心配をする必要はないようです。

水銀を多く含む魚としてマグロ類やキンメダイなどが代表的ですが、これらを週に何度も食べたり、量を食べすぎたりした場合、水銀の過剰摂取になってしまう恐れが出てきます。

水銀を摂取しすぎると、中枢神経に障害を引き起こすリスクがあり、特に、妊婦さんの水銀の過剰摂取は注意が必要で、胎盤を通じて水銀が赤ちゃんに移行して脳の発達に影響を与える恐れが生じます。

さばは水銀濃度の低い魚なので、マグロやキンメダイのように食べることを極端に控えるようにしたりする必要はなく、普段通り食べることがOKなのですよ。

さば(サバ缶)のおすすめする食べ方

スーパーでも安定して手に入れやすいさばはアレンジ次第で食べ方も豊富です。

また、安くて長期保存がきくサバ缶を利用すれば更に気軽にさばを食べることが出来ますよ。

手間なく美味しいさば料理が食べたい人におすすめな、サバ缶を使ったレシピをご紹介していきますね。

サバ缶はそのまま食べても抜群に美味しい!

サバ缶には水煮や味噌などが一般的ですが、中にはトマト煮であったり、レモンバジル風味などの一風変わった味付けもありますよ。

これらに更に調味料や食材を加えてアレンジするのももちろんOKですが、そのまま食べても十分美味しく食べることが出来ます!

味付けによって、主食をご飯を選んだりパンにしたりするのもおすすめですよ。

昼食のおかずや忙しくて夕飯が作れない時などの一品用として、ストックしてみてはいかがでしょうか。

サバ缶を使った炊き込みご飯

そのまま食べても美味しいサバ缶を炊き込みご飯の具として入れるのもGOOD!

さばの身はもちろん、オイルや汁も全部入れるようにするとサバ缶のうま味がギュッと詰まった炊き込みご飯を作ることが出来ますよ。

用意するもの

米2合

サバ缶1缶(サバ缶の味はお好みで。水煮や味噌なら間違いなし!)

醤油  大さじ1

みりん 大さじ1

酒   大さじ1

お好みの具材(ニンジン、しいたけ、油揚げなど)

研いだ米を釜に入れて醤油、みりん、酒、サバ缶を入れます。

水を2合分入れたら、お好みの具材を入れてスイッチオン!

調味料の量はサバ缶の種類や味付けによって調節してくださいね。

サバ缶のお味噌汁

サバ缶とお味噌汁の組み合わせに驚かれる人も多いはず。

しかし、この2つを組み合わせることで、とっても美味しいお味噌汁が簡単に出来上がってしまいます。

用意するもの

サバ缶1缶(水煮)

味噌 大さじ2~3

水  600CC程度

お好みの具材(大根やネギ、ニンジンなどなんでもOK)

お鍋にサバ缶、お好みの具材、水を入れて煮ます。

具材が柔らかくなってきたら味噌を溶かし、ひと煮立ちさせれば完成です。

(味噌や水はあくまでも目安量です。具材の量や味をみながら調節してくださいね。)

さばパワーは妊活中に最適!

さばにはDHAやEPAなどの栄養素が含まれ、生殖機能を活性化させたり、体の健康を維持・向上の効果が期待出来たりするため、妊活中の夫婦にぜひおすすめしたい食べ物です。

生のさばを調理して食べるのも良いですし、そのまま食べられるサバ缶を選ぶのもおすすめ。

色々な味のサバ缶をストックしておけば、忙しい時でも栄養バランスの整った食事をとることが出来ますよ。

また、サバ缶はそのまま食べるだけでなく、アレンジ次第であっという間に美味しい料理に早変わり!炊き込みご飯やお味噌汁など、意外な組み合わせの食材とも相性がバッチリです。

栄養がギュッと詰まったサバ缶をぜひ活用してみてくださいね。

この記事を作るため参考にした文献・サイト名

日本生活協同組合連合会 HP

授かるレシピ

監修

  • 柳 寿苗

    管理栄養士
    柳 寿苗(やなぎ としえ)

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