レバーはビタミン・ミネラルの宝庫!妊活への効果効能を大特集
レバーは妊活には欠かせないビタミンやミネラルがたっぷり含まれています。
ただし、妊娠初期には食べ過ぎないように注意する必要も…。
今回は、レバーが持つ妊活への効果や、食べ方の工夫について詳しくお伝えします。
ビタミンやミネラルたっぷりのレバー!妊活への効果を大解説します
レバーに含まれるビタミンやミネラルが、妊活にどのような効果をもたらすのか?!詳しくチェックしていきましょう。
ほぼすべてのビタミンが豊富に含まれている
レバーには、ほぼすべての種類のビタミンが豊富に含まれています。
ビタミンが豊富に含まれる食材と言えば、野菜や果物を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
しかし、レバーは野菜や果物よりも多種類のビタミンを豊富に含んでおり、非常に優秀なビタミン供給源なのです。
ビタミン類は、赤ちゃんを作るのに必要であったり、母体の健康の維持向上に働きます。
また、精神的に安定させる作用があるなど、妊活には欠かせない非常に重要な役割を果たします。
そのため、妊活中には多種類のビタミンを、不足なく体へ取り入れることが理想的です。その点においてレバーが妊活に大きく貢献することは言うまでもありませんね。
多種類のビタミンのなかでも、妊娠前の摂取が非常に重要であるということで、積極的な摂取が呼びかけられているビタミンがあります。
葉酸たっぷりのレバー
すでににご存知の方が多いかとは思いますが、葉酸はビタミンであり、妊活中には欠かせません。
妊娠を希望している人で「葉酸なんて知らなかった…」という人は、葉酸の摂取が大切であるということを忘れないよう心に留めておいてくださいね。
葉酸は、赤ちゃんの脳や神経をつくる大切なビタミンです。
赤ちゃんの脳や神経は、妊娠6週目ごろにはほぼできあがりますが、妊娠6週目では妊娠に気づいていない可能性もあります。
この時期に葉酸が欠乏すると、赤ちゃんの脳や神経の形成が正常に行われず、発育に影響が出てくる可能性があるのです。
レバーの葉酸含有量は、数多くある食品のなかでも群を抜いて高いため、妊活中にレバーを食べれば葉酸が欠乏する心配はありません。
レバーはビタミンB12も豊富です
また、葉酸と一緒に摂取すると良いと言われているのがビタミンB12で、ビタミンB12についてもレバーに非常に多く含まれているビタミンです。
なぜ葉酸とビタミンB12を一緒に摂取すると良いでしょうか?
それは、ビタミンB12が葉酸を効率よく体内で利用するために必要不可欠なビタミンだから。
また、葉酸とビタミンは協調して造血を促すため、貧血や疲れやすさを感じる人にも非常に効果的です。
レバーを食べることで、葉酸やビタミンB12をはじめとする、妊活に必要なビタミン類を充足させることができます。
妊活中には積極的にレバーを食べることをおすすめしたいです!
亜鉛や鉄などのミネラルもたっぷり含まれている
レバーには、ビタミンのみならずミネラルも豊富に含まれています。
レバーにたくさん含まれるミネラルのなかでも、とくに含有量が多く妊活に効果的なものが鉄と亜鉛です。
妊娠に備えて摂取したい鉄
鉄は妊娠を望む女性に重要な栄養素のひとつ。
鉄は子宮内膜の材料になるため、子宮内膜を着床しやすい状態にするためにも必要不可欠な栄養素です。
そのほかにも、黄体ホルモンの分泌低下やミトコンドリアでのエネルギー生産の低下につながる可能性もあります。
また、妊娠すると子宮環境を整えたり、お母さんと赤ちゃんのダブルで造血が必要になったりするために、体の内部で鉄への需要が上昇。
そのため、妊娠前から鉄の貯蓄を増やして、鉄が不足することのないようにする必要があります。
鉄を取り入れる際は、体への吸収率も重要です
鉄を効率よく貯蔵するために、吸収率の高い鉄を摂取するとよいでしょう。
鉄には、動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄は非ヘム鉄よりも5~6倍ほど吸収率が高いのです。
レバーは動物性食品であるため、吸収率が高い方のヘム鉄が含まれます。
レバーに含まれる鉄は含有量が多いだけでなく、吸収率が高いという優れた性質も持っているため、レバーを食べることで体内の鉄の貯蓄を増やして、妊娠に備えることができます。[参考1]
男性にも女性にも必要な亜鉛も含まれている
亜鉛は、男性のセックスミネラルと言われており、男性の精子の生成をサポートしたり、精子の運動率を上げたりする働きがあります。
妊活においても、男性にぜひとも摂取していただきたい栄養素ですね!
亜鉛は、男性のみに必要だと思われがちですが、実は性ホルモンの生成や赤ちゃんの成長にも深く関わってくる栄養素でもあるので、女性も十分に摂取する必要があります。
亜鉛には細胞分裂を促す働きがあり、亜鉛を体へ取り入れることは胎児の正常な成長のためにとても重要です。
卵子が受精すると激しく細胞分裂を繰り返して胎児になっていきます。この時期にいちばん激しく細胞分裂が行われるため、妊活中の女性は亜鉛をしっかりと摂取しなければなりません。
亜鉛は男性、女性ともに必要な栄養素であるため、亜鉛が豊富に含まれるレバーを一緒に食べて妊娠力をあげられるとよいですね。[参考2]
レバーの種類やおいしい食べ方をご紹介
レバーは好き嫌いが分かれる食品で、独特な臭みや食感があって苦手だという人もいるのではないでしょうか?
レバーはおいしく食べるための工夫をすることで、嫌な臭みや食感をなくすことができます。
レバーが苦手な人も、今回ご紹介する簡単な工夫をすることで、レバーをおいしく食べられるかもしれませんよ。
レバーの種類を解説!苦手な方は鶏レバーがおすすめ
レバーと一口に言っても、鶏レバー、豚レバー、牛レバーがあり、それぞれ違った味や食感があります。
このなかでも1番食べやすいのは鶏レバーです。
鶏レバーは豚レバーや牛レバーよりもクセが少ないため、今まで豚レバーや牛レバーを食べて苦手だと感じた人は、鶏レバーを食べると食べやすく感じるかもしれません。
鉄や亜鉛などのミネラルが豊富なのは豚レバーなので、レバーが苦手ではない方は豚レバーもおすすめです。
よりおいしく食べるためのレバーの下処理
もうひとつ。レバーの下処理を丁寧に行うことで、独特な臭みを取り除くことができます。
レバーの下処理方法をご紹介しますね。
- まずは血抜きを行ないます。レバーと一掴みの塩とたっぷりの水をボールに入れて15~20分浸けておきます。
- 浸け終わったら、レバーを水洗いして下さい。
- 次にレバーの臭み取りをしていきます。水洗いしたレバーの水気をふきんやキッチンペーパーでふき取ります。
- レバーをバットに広げて置き、その上から牛乳を注いで、そのまま20分浸けておきます。
- 浸け終わったら牛乳から出して、ふきんやキッチンペーパーで牛乳をふき取ります。
少々手間と時間はかかりますが、下処理を怠らずにきちんと行なうことで、レバーをおいしく食べられますよ。
妊活中にレバーと一緒に組み合わせるとよい食べ物
レバーはかんきつ類やナッツ類と一緒に食べると、より妊活への効果が高まります。
ここでは、レバーに柑橘類やナッツ類を組み合わせて摂取すると、どのような効果が得られるのか詳しくお伝えしていきます。
かんきつ類
レバーは柑橘類と一緒に食べることで、よりいっそう鉄や亜鉛が吸収されやすくなります。
かんきつ類には、ビタミンCやクエン酸が豊富に含まれています。鉄には二価鉄と三価鉄が存在し、二価鉄の方が吸収されやすいのです。
食品に一般的に含まれているのは三価鉄の方で、三価鉄はビタミンCと一緒に摂取することで還元されて二価鉄となり、吸収されやすくなります。
また、クエン酸にはキレート作用という働きがあり、鉄や亜鉛などのミネラルを包み込んで吸収しやすい状態へと変化させます。
かんきつ類のなかでも、とくにビタミンCとクエン酸が豊富に含まれているのは、オレンジ、グレープフルーツ、レモンです。
レバーを食べる際には、これらのかんきつ類と組み合わせて取り入れることで、レバーへ豊富に含まれる鉄を効果的に吸収することができますよ。
アーモンドやピーナッツなどのナッツ類
レバーと一緒にアーモンドやピーナッツなどのナッツを摂取することで、レバーに不足するビタミンEを補うことができます。
レバーにはほぼすべてのビタミンが豊富に含まれているというお話をしましたが、ビタミンEに関しては十分な量が含まれていません。
ビタミンEは、妊娠のビタミンとも呼ばれるほど妊活に効果的なビタミンです。ビタミンEには強い抗酸化作用があり、卵子の老化防止に役立ちます。
卵子が老化すれば妊娠力は下がるので、ビタミンEを十分に取り入れて卵子の老化を緩和しましょう。
また、ビタミンEが豊富に含まれる食品がアーモンドやピーナッツです。
レバーとアーモンドやピーナッツなどのナッツを組み合わせれば、妊活に効果的なビタミンを不足なく体へ取り入れることができます。
また、ナッツの香ばしい風味でレバーがよりいっそうおいしく食べられるので一石二鳥ですね。
妊活中にレバーを食べる際の注意点
とても栄養価の高いレバーですが、レバーは非常に多くのビタミンAが含まれており、とくに妊娠初期にはレバーの摂取量に注意する必要があります。
なぜ注意が必要なのかというと、ビタミンAの過剰摂取は健康を損なう可能性があります。
とくに妊娠初期のビタミンA過剰摂取は、お腹の赤ちゃんに奇形が生じるリスクがあるのです。
そのため、レバーを摂取する目安量をしっかり把握した上で、食事にレバーを取り入れていただきたいと思います。
焼き鳥のレバー1本で約30gのレバーを使用しています。レバー30gあたりのビタミンAの量は4200μgです。
この値だけ見ても多いかどうかは判断できませんので、ビタミンAの1日の摂取量の目安を見てみましょう。
以下に18〜29歳女性のビタミンAの食事摂取基準を示しました。
ビタミンAの食事摂取基準(μgRAE/1日)
必要量 | 400μgRAE |
---|---|
推奨量 | 650μgRAE |
上限量 | 2700μgRAE |
なんと、焼き鳥のレバー1本を食べただけで、余裕で上限量を超えてしまいます。
そのため、レバーを食べる場合は1回に食べる量を、多くても15g(焼き鳥のレバー1/2本分)程度としましょう。
この量であれば1日分の上限量を超えることはなく、妊活に有効なビタミンやミネラルを摂取することができます。[参考3]
レバーは栄養たっぷり!妊活中の男性にも女性にもおすすめです
レバーを食べることで、葉酸をはじめとする妊活に必要なビタミンをほぼすべて不足することなく摂取でき、鉄や亜鉛などの妊娠初期に必要なミネラルも十分に摂取できることがわかりましたね。
ただ、レバーはビタミンAを多く含むため、摂取量には十分注意をしなければならないということを心に留めておいてください。
そのほかにも、レバーをおいしく食べる方法や、レバーと一緒に食べるとよい食材をお伝えしました。
レバーは、調理の仕方や食べ合わせを工夫することでよりおいしく、より妊活への効果を高めた状態で栄養を体へ取り入れることができますね。
また、レバーには亜鉛も豊富に含まれていて、妊活中にはパートナーの男性にも食べていただきたいというお話をしました。
亜鉛以外にも、レバーに豊富に含まれるビタミン類やミネラルは、妊活中の男性にも女性にも効果的です。
パートナーとご一緒にレバー料理をおいしく食べて、レバーに含まれる栄養をたっぷり取り入れて妊活に役立ててくださいね!
この記事を作るため参考にした文献・サイト名
監修
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管理栄養士柳 寿苗(やなぎ としえ)