妊活中には白米よりも玄米が適してます!栄養面や食べ方をご紹介
玄米は、白米に比べて、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていたり、血糖値を上げにくかったりと妊活中の主食として食べる食品として非常に優れています。
普段食べている主食を玄米に変えることで、妊活により適した食事になりますよ。
玄米は妊活に効果的なの?玄米が持つ妊活パワーを解説します
普段の食事の主食を玄米にすることで、妊活にとても効果的な食事となります。
ここでは、主食を玄米に変えることで、どのような効果が得られるのかご説明します。
玄米は白米よりもビタミンやミネラルが豊富
玄米は、白米に比べてビタミンやミネラルが多く含まれています。
白米よりも豊富に含まれているビタミンやミネラルの、それぞれの含有量とその倍率を以下に示しました。
白米よりも玄米に多く含まれているビタミンのそれぞれの含有量とその倍率
玄米
ビタミン名 | 玄米 | 白米に対する倍率 |
---|---|---|
ビタミンB1 | 0.16mg | 約8倍 |
ビタミンB2 | 0.02mg | 約2倍 |
ナイアシン | 2.9mg | 約145倍 |
ビタミンB6 | 0.21mg | 約11倍 |
葉酸 | 10mg | 約3倍 |
ビオチン | 2.5μg | 5倍 |
白米よりも玄米に多く含まれているミネラルのそれぞれの含有量とその倍率
ミネラル名 | 玄米 | 白米に対する倍率 |
---|---|---|
カリウム | 90mg | 約3倍 |
カルシウム | 7mg | 約2倍 |
マグネシウム | 49mg | 約7倍 |
リン | 130mg | 約4倍 |
リン | 130mg | 約4倍 |
鉄 | 0.6mg | 約6倍 |
マンガン | 1.04mg | 約3倍 |
ビタミンやミネラルは、糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変換したり、身体の調子を整えるのに必要な栄養素であるため、白米よりもビタミンやミネラルが多く含まれている玄米を主食として食べるとよいでしょう。
とくにビタミンに関しては、精神的な安定を促すビタミンB6、赤ちゃんの脳や神経の発達に不可欠な葉酸、奇形予防に役立つビオチンが妊娠に関わる栄養素であるため、豊富に含まれているのはありがたいですね。
玄米の妊活効果:主食としてはGI値が低い
玄米は主食として用いられる食品のなかでは、GI値が低くなっています。
GI値とは、ブドウ糖を摂取した後の血糖値上昇率を100として、血糖値の上がりやすさを数値化したものです。
GI値が高い食品ほど血糖値が急激に上昇します、その一方で、GI値が低い食品ほど血糖値の上昇は緩やかになります。
以下に、主食として主に食べられている食品のGI値をまとめました。
主食として食べられている主な食品のGI値
食品名 | GI値 |
---|---|
フランスパン | 95 |
食パン | 91 |
餅 | 85 |
白米 | 84 |
うどん | 80 |
そうめん | 68 |
スパゲティー | 65 |
玄米 | 56 |
パンや白米、麺類に比べて、玄米はGI値がとても低いことがわかりますね。
GI値が高い食品を食べて血糖値が急激に上昇すると、体に糖分を取り込むインスリンというホルモンが大量に分泌されてしまい、体に脂肪が蓄積されやすくなります。
また、血糖値の変動が大きいと不安感やイライラ感を伴ない、精神的に不安定な状態になることも。
血糖値の急激な変化は、妊活中の心身へ良い影響を与えないため、主食として用いられる食品の中でもGI値が低い玄米を主食とすることをおすすめします。[参考1]
妊活中に玄米を食べる時期について
玄米は、いつから食べ始めても妊活へよい効果をもたらしますが、そのなかでも高温期に食べるのがおすすめです。
高温期は生理前の時期にあたります。「生理前になって、食欲が増加した」という経験はありませんか?これは、高温期のホルモンバランスの変動による影響です。
ホルモンバランスが変化し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことで、精神的に不安定になる影響が。
その結果、イライラ感や不安感が増して、食欲がコントロールできなくなるといった「生理前症候群」が起こるとされています。[参考2]
食欲がコントロールできず、食べ過ぎてしまうことは健康体を維持するためにも避けたいですよね。
玄米は白米よりも噛みごたえがあり、噛む回数が増えることで満腹感が得られ、食べ過ぎを防ぐことができます。
玄米には白米よりも多くのビタミンやミネラルが含まれているため、体調や気持ちが揺らぎやすい高温期に食べるのがおすすめです。[参考3]
玄米をおいしく食べるための炊き方について
玄米を食べた人のなかでは「独特な食感があって、白米よりおいしくない」という感想をもつ人もいるため、主食として食べ続けるには抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、玄米は炊き方次第では非常においしく食べられます。その一方、炊き方を間違えてしまうと、ぼそぼそしていたり、べちゃべちゃしていたりといった食感となり、おいしさが半減してしまうことも。
玄米をおいしく食べられるようおいしい炊き方についてまとめました。皆さんもぜひ参考にして、おいしい玄米を炊いて玄米食を続けてみましょう。
- ボールのなかに水と玄米を入れて、2~3回水を変えながら洗う。
- 両手で玄米をすくいあげて、手のひらですり合わせるようにもみ洗いをする。
- 洗った玄米を炊飯器の釜に移し、玄米1合に対して0.3gの塩と300mlの水を加える。
- 6時間以上浸漬させる。
- 水を入れ替え玄米モードで炊き始める。
- 炊きあがったら、10分程度蒸らす。
玄米は吸水しにくいため、浸漬時間を十分にとることで、芯からふっくらとした玄米に炊き上げることができますよ。
また、塩を入れることで、さらに水の吸収率がよくなります。
玄米と一緒に食べるとよい妊活中の食べ合わせ
玄米のみでは、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足してしまいます。
そのため、たんぱく質が摂取できる主菜、ビタミンやミネラルが摂取できる副菜を玄米に組み合わせましょう!
たんぱく質が豊富な主菜を!
玄米食では、たんぱく質が豊富な主菜を食べましょう。
私たちの体も赤ちゃんの体も、たんぱく質を基本の材料として一つひとつの細胞がつくられるため、しっかりとたんぱく質を摂取しないことには元気な赤ちゃんは迎えられません。
玄米には1食に摂るべき量のたんぱく質が含まれていないため、主菜でたんぱく質を十分に補う必要があります。
たんぱく質はアミノ酸という物質が元となっており、アミノ酸の種類はおよそ20種類です。
たんぱく質食品はアミノ酸がそれぞれ違う組み合わせで含まれています。主菜には毎食異なったたんぱく質食品を用いて、さまざまな種類のアミノ酸をまんべんなく摂取すると良いですね。
ビタミンやミネラルが豊富な副菜を!
玄米には、白米よりもビタミンやミネラルが非常に豊富に含まれているということは、すでにお伝えしました。
しかし、玄米に含まれているビタミンやミネラルの量では、1食分に必要な量は当然補うことはできません。
とくに妊活に必要な栄養素のなかで、玄米に不足しているビタミンやミネラルは、鉄、カルシウム、葉酸、ビタミンB12です。
これらの栄養素を補うことができる食材を具体的に挙げると、ほうれん草、のり、干しエビ、菜花、枝豆です。
これら食材を使った副菜を玄米と組み合わせることで、妊活に必要となるビタミンやミネラルをほぼ不足なく体へ取り入れることができますよ。
妊活中でもGI値が低いからといって玄米を食べすぎないように注意
玄米は食べ過ぎることのないよう注意する必要があります。
玄米は、よくダイエット食としても食べられており、かなりヘルシーなイメージをお持ちの人もいらっしゃるかもしれません。
「玄米は妊活に効果的なの?玄米が持つ妊活パワーを解説します」の項目でお話したように、GI値が低いという点では主食として食べられている食品のなかでは太りにくいです。
しかし、玄米のカロリーは白米のカロリーとそれほど変わりません。そのため、食べ過ぎてしまえば、カロリー摂取過多となり太ってしまいます。
また、玄米には消化できない食物繊維が豊富に含まれているため、食べ過ぎると胃に負担がかかり、胃痛や吐き気などの症状が現れることがあります。
赤ちゃんを迎える健康体であるためにも、玄米を適度に食べて妊活に役立ててくださいね。
妊活にもダイエットにも効果的な玄米
玄米は白米よりも妊活に効果的な要素が多いことがわかりましたね。
主食として白米を食べることが多いという人は、ぜひ白米を玄米に置き換えることをおすすめします。
また、炭水化物食品のなかで、玄米はGI値が非常に低いということもお伝えしました。
GI値の高いパンや麺類を食べるよりも、玄米を食べた方が心身ともに健康な状態を保つことに役立ちます。
白米だけでなくパンや麺類と比較しても、玄米は妊活に効果的な炭水化物食品だといえるでしょう。
近年において、炭水化物の摂取を控えた方が痩せられるため、炭水化物抜きダイエットが流行るなど炭水化物が悪者扱いされているように思われます。
しかし、炭水化物は人間の大切なエネルギー源であり、ましてや妊活においてはお母さんにも赤ちゃんにも欠かせない栄養素です。
そのため、太りたくないから炭水化物を食べない!なんてことはしないようにしてください。
玄米は炭水化物食品のなかでも血糖値を上げにくく、脂肪蓄積がされにくいため、体型が気になるという方はぜひ玄米を活用してきちんと炭水化物を摂取してくださいね。
妊活中の食事においては、主食として玄米を食べ体も心も妊活に適した状態にしていきましょう。
この記事を作るため参考にした文献・サイト名
監修
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管理栄養士柳 寿苗(やなぎ としえ)