【妊活中の牛乳】役立てる際のポイントと気をつけたい選び方
普段の生活で、何かと利用する頻度の高い牛乳。
飲み物としてだけではなく、料理に使ったり、コーンフレークにかけたりと、さまざまな場面で使用されます。冷蔵庫には必ず常備している人も多いのでは。
その一方で「牛乳は妊活にどんな影響があるのだろう」と、一度は気になったことがあるのではないでしょうか?
毎日のように口に入れるものだからこそ、牛乳が妊活に与える影響はしっかり知っておきたいですね。
そこで、ここでは妊活中の方にぜひ知っておいてほしい、牛乳の働きや妊活への影響をご説明します。ぜひ参考にしてください!
牛乳を飲むと妊活にどのような効果、影響が出るのか?
多くの人が「牛乳を飲むと、骨が丈夫になるよ」と聞いたことがあるのではないでしょうか?これは、牛乳にカルシウムが豊富に含まれているためです。
もちろん、それだけではありません。たんぱく質や脂質、ビタミンやミネラル、炭水化物も含まれており、成長期に必要な栄養素がたくさんつまっているのです。
これだけの栄養がぎゅっと詰まった牛乳。多くの学校で給食に提供されているのも頷けます。
成長期のお子さんだけではなく、ご年配の方にとっても貴重な栄養源になります。
牛乳はどの年代の人にとっても、健康に一役買ってくれているのですね。
妊活中に牛乳を飲むべきケースは?
カルシウムは、妊活中に不足しがちな栄養素です。カルシウムが含まれている食材はたくさん存在しますが、なかでも牛乳の吸収率は群を抜いています。
というのも、牛乳にはマグネシウムやビタミンDが含まれているところがポイント。これらは、カルシウムの吸収をより高めてくれる役割があります。
普段からカルシウム不足を感じている人や、ほかの食材でカルシウムを補う機会が少ない人は、牛乳を飲むことで効率よく摂取することができますよ。
妊活中に牛乳を飲む際、知っておきたい注意点
牛乳はどこからできているのでしょうか。そう、牛のお乳です。
そのことからも分かるように、牛乳には女性ホルモンであるエストロゲンが含まれています。
実は、この点を「女性ホルモンの過剰摂取に繋がるのでは」と警戒する専門家もいるのです。
エストロゲンの影響により、排卵障害を引き起こしたり、乳がんや子宮がんのリスクも高まるのではと考えられています。
動物実験では牛乳により子宮重量への影響は無し
ただし、動物を使った実験では、牛乳を飲んでもホルモンや子宮重量には影響しなかったという報告もあります。
前述したように、牛乳には必要な栄養がたっぷり含まれています。ほかの食品とのバランスをみて適度に取り入れてみてくださいね。[参考1]
牛乳を妊活中に飲むなら!選ぶときのポイントを徹底解説!
牛乳だと思っていたのに…よくある間違いに要注意
「今までずっと牛乳だと思って買っていた商品が、実は違った」という勘違いは、意外と多いもの。
スーパーに行った際、試しに牛乳コーナーを眺めてみてください。
パッケージをよく見てみると「牛乳」「低脂肪牛乳」だけではなく、「加工乳」「乳飲料」という商品まで幅広くあります。
実は、「牛乳」は厳密に言うと「100%牛のお乳から絞った生乳」という意味です。
脱脂粉乳やクリーム、バターなどの乳製品が加えられているものは、「加工乳」。乳製品以外の物が加えられたものは「乳飲料」と記載されています。
パッケージの裏や側面に書かれていることが多いので、なかには「牛乳コーナーに置いていたから牛乳だと思っていた」という声も。
今一度、いつも購入している商品がどれに分類されているのか、裏面までチェックしておきましょう。
牛乳と低脂肪牛乳、栄養面の違いは?
低脂肪牛乳は牛乳よりも、比較的安い傾向があります。
そのせいか、なんとなく「低脂肪牛乳よりも、牛乳の方が栄養があるのでは」とイメージされがちですが、意外にも、カルシウムの量は低脂肪牛乳の方が多く含まれています。
「カルシウムを多く摂りたいけれど、どうしてもカロリーが気になる」という人は、ついつい低脂肪牛乳を選んでしまうのではないでしょうか?
ですが、ハーバード大学公衆衛生大学院の研究チームの研究によると、「低脂肪乳製品より高脂肪乳製品を食べているグループが不妊のリスクが低い」という結果も。低カロリーで高カルシウムなのは魅力的ですが、ぜひ普通の牛乳を選んでみてください。
カルシウムを摂りたい場合は牛乳だけで補おうとせず他の食品も組み合わせてみてくださいね。[参考2]
乳飲料にも栄養はあるの?
乳飲料には、牛乳に比べて鉄分や葉酸などの栄養素が多く含まれている商品があります。
もちろん、これらも妊活中にぜひ体内へ取り入れておきたい栄養素たち。
不足していると感じる栄養素がある場合、その対象が多く含まれている商品を選べば、飲むだけで簡単に補うことができます。
必要に応じて、乳飲料を取り入れてみるのもいいですね。
スーパーなどで売られているおすすめの牛乳3選
牛乳コーナーで商品を購入する時、成分無調整の牛乳を選ぶのがおすすめです。
確かにカロリーやカルシウムだけでいえば低脂肪乳牛乳などの調整牛乳が優れているように感じるかもしれませんが、その分脂溶性ビタミンが普通の牛乳に比べて少量しか含まれません。
脂溶性ビタミンは子宮内膜の環境を整えるのに重要なビタミンAやビタミンE、カルシウムの吸収や生殖機能に深く関わるビタミンDなど、妊活において重要な働きが期待できる栄養素です。
こういった栄養素も一緒に摂取できる成分無調整牛乳を選ぶとよいですね。
ではここで、おすすめの牛乳を3つ挙げてみますね。
- 雪印メグミルク
- 森永のおいしい牛乳
- 明治おいしい牛乳
どの商品も、お店で一度は見たことがある大手メーカーのものです。
これらの牛乳は、すべて「無脂乳固形分8.3%以上、乳脂肪分3.5%以上」となっており、成分に大きな差はありません。
ただし、「明治おいしい牛乳」はほかの商品と比べて内容量が900mlと少なめです。
普段の使用頻度が高いご家庭では、雪印や森永の1000mlのものが良いでしょう。味も少しずつ異なるので、飲み比べをしてお口に合ったものを選んでも良いですね。
牛乳は妊活に悪ではなく、栄養満点の飲料です
たっぷりのカルシウムに加え、その吸収を高めてくれるマグネシウムやビタミンD。そして成長期には欠かせない、たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラル、炭水化物までが含まれています。
牛乳が持つ栄養素の豊富さには、本当に驚かされますね。このことからも、牛乳は妊活に悪影響とは言い切れません。
1日に飲む量は、牛乳なら200mlほどにしておくといいでしょう。
また、たくさんの種類があり、どれを買えばよいのか分からないこともあるでしょう。そんな時には、「生乳100%でできた牛乳」であるかどうかを基準にすることがおすすめです。
ついついお手頃な価格でカロリーも低い、低脂肪乳牛乳のような調整牛乳を選びたくなるかもしれませんが、妊活に重要な脂溶性ビタミンを含む成分無調整牛乳を選ぶことがおすすめ。
また、もし補いたい栄養素があれば乳飲料にしてみたりと、それぞれの状況に合ったものを探してみましょう。
この記事を作るため参考にした文献・サイト名
監修
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管理栄養士柳 寿苗(やなぎ としえ)