食べ物

妊活はまず食事の見直しから!妊娠できる身体のつくり方を解説します

妊娠しやすい身体とは、心身ともに健康なカラダのこと。そして、そんなカラダは毎日の食事からつくられます。
とはいえ、具体的にどのようなモノを食べればよいのか、悩んでしまいませんか?
そこで、妊活におすすめの食事や食材、栄養素など、パートナーとともに妊娠しやすい身体づくりを目指すための「食事」について着目してみました。
ぜひ1度、ふたりで食事内容を見直してみましょう!

我が家の食事で即戦力!妊活におすすめの食材【男女編】

パートナーと一緒に妊娠しやすい身体をつくるための食事。具体的には、どのようなモノをとり入れると効果的なのでしょうか。
まずは、即戦力となるような食材や食べ物、摂取すべき栄養素について正しい知識を深めることが大切です。
それでは、妊活におすすめの食材【男女編】を詳しくみていきましょう。

(1)健康な身体づくりに必要不可欠!たんぱく質を含む食材

身体をつくるための土台となる「たんぱく質」。
皮膚に爪、筋肉に骨に血管、さらに内臓にいたるまで、人間の細胞を構成しているもので、子宮内膜の材料になったり、精子の主成分ともなっている大切な栄養素です。
パートナーとともに良質なたんぱく質をしっかり摂取しましょう。

動物性たんぱく質のおすすめ食材

  • 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉、鴨肉など)
  • 魚介類(アジ、サワラ、サケ、マグロ、カツオ、ブリ、サバ、タコ、イカなど)
  • 乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)

など。

植物性たんぱく質のおすすめ食材

  • 豆類(大豆(納豆、豆腐、油揚げ、きなこなどの大豆製品も含む)、ひよこ豆)

など。
「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」は、偏ることなく1:1の割合で摂取することがポイントです。

(2)老化を防ぐ!抗酸化作用の強い栄養素を含む食材

「卵子の老化」という言葉を聞いたことはないでしょうか?歳を重ねるごとに、卵子や精子も老化し、その機能が衰えてしまうのです。
また、加齢だけでなく、ストレスや喫煙、過剰な飲酒、食生活の乱れ、紫外線なども老化の大きな要因。
老化やストレスから身体を守るため、パートナーとともに「抗酸化作用」の強い栄養素を含んだ食材をしっかりと摂取するようにしましょう。[参考1]

おすすめ食材:ビタミンA

体内でビタミンAに代わる「β-カロテン」を含む食材が、細胞の老化に効果があるといわれています。
主な食材は以下のとおり。

  • 緑黄色野菜(ほうれん草、にんじん、かぼちゃ、春菊、ニラ、チンゲン菜など)
  • 果物(とくにマンゴー、パパイヤ、柿、あんず、柑橘類、スイカ、プルーン、ビワなど)
  • とうもろこし
  • 赤唐辛子
  • 海藻類(わかめやひじきなど)

など。
緑黄色野菜について、厚生労働省では野菜の摂取目標量を「1日350g以上、そのうち緑黄色野菜を120g以上」としています。
また、吸収率を上げるため、油類と一緒に摂取することがポイントです。[参考2]

おすすめ食材:ビタミンC

強い抗酸化作用をもつ「ビタミンC」。1度にたくさんとっても尿中に出てしまうので、回数を分けてこまめに摂取することがポイントです。
また、「ビタミンE」を含む食材と一緒に摂取することで、より強い抗酸化作用を発揮します。
主な食材は以下のとおり。

  • 緑黄色野菜(パプリカ、ブロッコリー、小松菜など)
  • 淡色野菜(キャベツなど)
  • 芋類(さつまいも、じゃがいも)
  • 果物(とくに柑橘類、いちご、キウイ、柿など)

など。
「ビタミンC」は水溶性で熱や光に弱い栄養素。そのため、果物やサラダなど、なるべくそのまま食べるようにしましょう。
加熱する場合は、野菜スープやお味噌汁などがおすすめ。汁ごといただけば、溶けだした「ビタミンC」を効率よく体へ取り入れることができます。芋類のビタミンは加熱しても減少しにくいですよ。[参考3]

おすすめ食材:ビタミンE

「ビタミンE」も抗酸化作用をもつ栄養素。積極的に摂り入れることで、卵子や精子の酸化(サビ)を防ぎ、老化を予防する効果を期待できます。
また、「ビタミンE」の抗酸化作用は、「ビタミンC」と一緒に摂取することでより強い効果を発揮。同時に摂取することがポイントです。
主な食材は以下のとおり。

  • ナッツ類(アーモンドやピーナッツなど)
  • 植物油(ヒマワリ油、菜種油、米ぬか油(米油)、ぶどう油など)
  • 緑黄色野菜(モロヘイヤ、かぼちゃ、豆苗など)
  • アボカド

など。
別名「妊娠ビタミン」ともいわれる「ビタミンE」は、妊娠に欠かせない栄養素。
血流の循環を良くしたり、排卵の促進やホルモンの調節をする作用があり、「ビタミンE」を摂取することによって子宮内膜の質が高まり、着床率、妊娠率が高くなるといわれています。[参考4]

(3)生殖器と深くかかわる!ビタミンDを含む食材

生殖器に深く関与している「ビタミンD」。
卵巣予備能の値を高く維持するために必要で着床を促すため、妊娠率アップのためには必須の栄養素です。
また、妊活男性にとっても欠かすことのできない作用がたっぷり!ビタミンDが欠乏している男性の精子は、精子の運動率や前進運動能力が低く、正常精子形態率が低いことが報告されているのです。
妊娠力アップのため、パートナーとともにしっかり「ビタミンD」を摂取しましょう。[参考5]

ビタミンDを多く含む食材

  • 魚介類(イワシ、サケ、マグロ、サバ、ウナギなど脂肪性の魚)
  • キノコ類(干ししいたけ、きくらげ、舞茸など)

「ビタミンD」は食品から摂取するほか、皮膚が直射日光を浴びることで体内でも生成されます。
ただし、室内で窓越しに日光に当たっても生成されないようです。また、日焼け止めクリームなどを塗っている場合も作られにくくなってしまいます。
日光を浴びる機会が少ない方や、日焼け止めや衣服で皮膚を覆っていることが多い方は、食生活から意識的に「ビタミンD」を摂取するようにしましょう。サプリメントで補うのもおすすめです。[参考6]

女性妊活に最適な食べ物!ポイントは「ビタミン」と「葉酸」

つづいて、妊活中の女性に最適な食材や食べ物、摂取すべき栄養素についてみていきましょう。

(1)妊娠前から摂取が重要!葉酸を含む食材

厚生労働省によると、産まれてくる赤ちゃんが神経管閉鎖障害を発症してしまうリスクを低減するため、妊娠1ヶ月以上前より、1日あたり食事から240㎍の推奨量にプラスして、栄養機能食品などから付加的に400㎍の「葉酸」(合計640㎍)を摂取することが推奨されています。[参考7]

神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄がうまく形成されず、二分脊髄や無脳症などの先天性異常を起こしてしまう障害のこと。1万人に6人の割合で発生しているという報告もされています。
妊娠検査薬などで妊娠を自覚できるようになる頃には、すでに赤ちゃんの脳がつくられています。このときに葉酸が欠乏していると、赤ちゃんの健康な成育に大きな悪影響を与えてしまう可能性があるのです。
いつ妊娠しても安心して赤ちゃんを迎え入れられるように、妊活を意識したときから積極的に葉酸を含む食材を摂取するようにしましょう。[参考8]

葉酸を多く含むおすすめ食材

  • 肉類(とくに牛レバー、豚レバー、鶏レバーなど)
  • 緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー、小松菜、グリーンアスパラガスなど)
  • 淡色野菜(芽キャベツなど)
  • きのこ類(きくらげ、エリンギ、えのきだけなど)
  • 豆類(大豆類、枝豆、ひよこ豆など)
  • 果物(いちごなど)

など。

(2)葉酸とセットで摂取が重要!ビタミンB12を含む食材

「ビタミンB12」は「葉酸」とともに体内で一緒に働く栄養素。
「葉酸」と協調して造血作用があり、「葉酸」を活性化して体内で潤滑に働けるようにします。
「ビタミンB12」と「葉酸」が含まれた食材を常にセットで摂取するようにしましょう。

ビタミンB12を含むおすすめ食材

  • 肉類(とくに牛レバー、豚レバー、鶏レバーなど)
  • 魚介類(サンマ、イワシ、サケ、サバなど)
  • 貝類(アサリ、赤貝、ホタテ、牡蠣、しじみなど)
  • 牛乳およびそのほかの乳製品(チーズなど)

「ビタミンB12」は動物性食品に含まれる栄養素で、栄養強化食品として添加したものでないかぎり植物性食品には含まれていません。
ダイエットのためにと動物性食品を控えていると「ビタミンB12」が不足し、疲労や体力低下、巨赤芽球性貧血などを引き起こす可能性があります。
動物性食品と植物性食品をバランスよく食べるように心がけましょう。[参考9]

(3)ふかふかの子宮内膜をつくる!鉄を含む食材

受精卵が着床する際に、受精卵のベッドの役割を担っているのが「子宮内膜」。その子宮内膜の材料となるのが「鉄」です。
「鉄」が十分に足りていれば、子宮内膜は着床しやすいふかふかのベッドになりますが、欠乏していると着床しにくいかたいベッドとなってしまい、不妊の原因となる場合があります。
厚生労働省によると、毎日におよそ1mgの鉄が失われていくとのこと。さらに女性の場合は、毎月の月経があるので、慢性的な鉄不足に陥っている方が多いようです。
子宮環境を整えて着床しやすくするために、「鉄」を含む食材を積極的に摂取するようにしましょう。

ヘム鉄が多く含まれるおすすめ食材

  • 肉類(牛レバー、豚レバー、鶏レバー、牛赤身肉など)
  • 魚介類(マグロ、カツオ、イワシ、あさり、しじみなど)

非ヘム鉄が多く含まれるおすすめ食材

  • 緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜、菜の花など)
  • 大豆および大豆製品
  • ひじき
  • 黒きくらげ
  • 貝類(牡蠣、あさり、しじみなど)

など。
食品に含まれる「鉄」には肉、魚などの動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と植物性食品や卵などに多く含まれている「非ヘム鉄」があります。
2つの違いは、体内への吸収率。
鉄は基本的に吸収が悪いミネラルですが、そのなかでも「ヘム鉄」は吸収率が高く、「非ヘム鉄」は吸収率が低いとされています。

「鉄」のほかにも、赤血球のなかに含まれるヘモグロビンなどの材料となる「たんぱく質」や鉄の吸収を高める「ビタミンC」や「クエン酸」も一緒に摂取することが大切です。
効率よく体に「鉄」を吸収するため、動物性、植物性と、いろいろな食品をバランスよく組み合わせて食べることを心がけましょう。[参考10]

男性にも重要な妊活栄養素「亜鉛」

つづいては、妊活中の男性に最適な食材や食べ物、摂取すべき栄養素についてみていきましょう!

(1)男性ホルモンの合成を促進!亜鉛を含む食材

「亜鉛」は、女性ホルモンの生成を促してくれるミネラルです。さらに、抗酸化にも働くため老化を予防して、質のよい卵子をつくってくれるという嬉しい効果も期待できます。
妊活女性は積極的に摂取したい「亜鉛」ですが、実は、妊活中の男性にも必要不可欠な栄養素なのです。
「亜鉛」は別名「セックスミネラル」とも呼ばれ、必要量を摂取することで、性機能に働きかけて男性ホルモンを促進。精子の数を増加させたり、精子の運動量を活発にさせるといわれています。
また、精子の質の向上も期待できるので、ぜひ意識して摂取するようにしましょう。

亜鉛が多く含まれるおすすめ食材

  • 牡蠣(最良の亜鉛摂取源)
  • 魚介類(カニ(カニ缶でも可)やロブスターなど)
  • 肉類(牛赤身肉、牛レバー、豚レバー、鶏レバーなど)
  • 種子類(ごまなど)
  • 豆類
  • チーズ製品(パルメザンチーズ、プロセスチーズ、カマンベールチーズなど)

加工食品に含まれている添加物には、亜鉛の吸収を阻害するものや排出を促すものがあります。
レトルト食品や冷凍食品で食事を済ませることが多い場合は、亜鉛が欠乏している可能性があります。
また、ダイエットや健康志向から野菜中心の食生活をしている人、アルコールをたくさん飲む人も同様に、亜鉛が十分に摂取できていない可能性があるので注意しましょう。[参考11][参考12]

この食材には注意!気をつけたい食べ物や飲み物

妊娠しやすく健康的な身体をつくるための基本は食事から。
でも、積極的に摂り入れたい食材がある一方、摂取する際に気をつけたいモノもあります。
では、注意すべき食べ物や飲み物について詳しくみていきましょう。

(1)トランス脂肪酸

「トランス脂肪酸」とは、脂質の一種。
植物油などを人工的に精製、加工する工程でできるものと、天然に食品中に含まれるものがあります。

トランス脂肪酸が含まれた食品って?

トランス脂肪酸が含まれた主な食品は以下のようなものがあります。

  • マーガリン
  • ショートニング
  • ファットスプレッド
  • マヨネーズ
  • 食用植物油、食用調合油
  • 揚げもの、調理冷凍食品類(フライドポテト、からあげ、フライドチキン、チキンナゲット、コロッケ、魚などのフライ、天ぷらなど)
  • クリーム類(ホイップクリーム、植物性クリーム、コンパウンドクリーム、コーヒークリームなど)
  • 洋菓子類(ケーキ、パイ、ドーナツ、ビスケットなど)
  • パン類(ショートニングなどが使用された食パン、菓子パンなど)
  • 牛肉、牛乳、チーズなどの乳製品(※)

※牛や羊などの反すう動物は、胃のなかの微生物の働きによってトランス脂肪酸が作られます。そのため、牛や羊に由来する肉や乳製品にも含まれています。

トランス脂肪酸で排卵障害?

日本人よりも平均的に多くのトランス脂肪酸を摂取している諸外国の研究結果から、トランス脂肪酸の過剰摂取が、心筋梗塞などの冠動脈疾患を増加させる可能性を高めたり、肥満やアレルギー疾患にも関連していることが認められています。
また、アメリカでの研究においても、トランス脂肪酸の摂りすぎが排卵障害に影響を及ぼすという報告があるようです。[参考13]

これらの研究結果は、あくまでトランス脂肪酸を過剰摂取した場合。
厚生労働省によると、日本人の大多数はWHO(世界保健機関)の目標基準摂取量を下回っており、通常の食生活では健康への影響は少ないと考えられているようです。
ただし、トランス脂肪酸は体にとって不可欠なものではなく、できるだけ摂取を少なくすることが望まれているもの。
妊活のためにも健康のためにも、なるべく摂らない食生活を心がけましょう。[参考14]

(2)カフェイン

コーヒーや紅茶、緑茶など、日常的によく口にする食品に含まれている「カフェイン」。
1日の摂取量が多くなっている方も多いのではないでしょうか。

国際機関がカフェインの過剰摂取に注意喚起

厚生労働省によると、カフェインの過剰摂取には、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあるとされています。
国際機関においても、とくに妊娠中や授乳中、妊娠を予定している女性へのカフェイン摂取に注意を呼び掛けています。

世界保健機関(WHO)

2001年より、妊婦に対する1日あたりのコーヒー摂取量は3~4杯まで。

英国食品基準庁(FSA)

2008年より、妊婦に対する1日あたりのカフェイン摂取量は200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)まで。

カナダ保健省(HC)

2010年より、1日あたりのカフェイン摂取量について、健康な成人は400mg(コーヒー3杯程度)、妊娠中や授乳中、妊娠を予定している女性は300mg(コーヒー2杯程度)まで。

カフェインの胎児への影響はまだ確定してはいないようですが、出生時の低体重と将来の健康リスクの上昇につながる可能性があるとのこと。
また、カフェインは妊活、妊娠の大敵「冷え」を体にもたらすものでもあります。
妊娠しやすい身体のため、さらに、いつ妊娠しても健やかに赤ちゃんを育ててあげるために、コーヒーであれば1日2杯くらいまでなど、なるべくカフェインの摂取を控えるようにしましょう。[参考15]

妊活中の外食で気をつけたい食べ物

妊活中とはいえ、外食を楽しみたい!
忙しくてなかなか自炊できず、外食ばかりになってしまう!
毎日バランスを整えた食事を自炊できれば理想ですが、現実になかなかそうはいかないこともありますよね。そこで、外食する際の注意点をしっかり押さえておきましょう。

(1)単品メニュー

カレーライスやラーメンなど、単品メニューは糖質や脂質が多く栄養が偏ってしまいがち。
なるべく栄養バランスを整えるために、副菜や汁物がついた定食スタイルのメニューを選ぶようにしましょう。

(2)揚げものメニュー

飲食店では、油が空気に触れている時間が長いため、油の酸化が進んでいる可能性があります。
酸化した油は発がん物質やビタミンの劣化が考えられ、体の老化を進める原因に。
脂質の摂りすぎにもつながるので、揚げものメニューはなるべく控えるようにしましょう。[参考16]

ずっと意識したい「妊活料理の食べ方」

カラダをつくる食事。実は、その食事のとり方によっても、身体へプラスに働いたり、反対にマイナスとなってしまうことがあります。
そこで、食事をとる際に意識したい、「妊活料理の食べ方」をしっかりと押さえておきましょう。

妊活中の朝、昼、晩の食べ方

妊娠しやすい身体づくりのために大切なのは、栄養バランスの整った食事。
そこで、効率よく、バランスよく栄養を摂り入れるための、朝、昼、晩それぞれおすすめの食べ方をみていきましょう。

朝ごはん:脳と身体にエネルギーを補給

朝のカラダは、脳や神経、内臓の働きが低下していて、血糖値、体温ともに低い状態。脳もカラダもエネルギーが不足しています。
忙しい毎日のなかで、つい朝食を抜いてしまうという方はいませんか?妊活のためはもちろん、身体の健康のためにも、朝食抜きは絶対にNG。
朝食を抜くと、血糖値や自律神経が乱れて排卵障害を引き起こす可能性もあるのです。
脳のエネルギー源となる「炭水化物」、体温を上げて元気な身体をつくる「たんぱく質」、身体に活力をつける「ビタミン、ミネラル」といった栄養素をとれるような朝食を心がけましょう。
また、サラダなどの冷たいものではなく、スープや温野菜など温かいものをとり入れるのもポイントです。

昼ごはん:「主食:主菜:副菜=3:1:2」のバランスを意識

サッと食べられるうどんやどんぶりなど、単品メニューで済ませがちな昼食。でも、単品メニューから得られる栄養素は炭水化物やたんぱく質などが多く、偏りがちになってしまいます。
忙しい時間帯の昼食も主食、主菜、副菜をしっかりと取り入れるようにしましょう。主食、主菜、副菜は見た目もよく、バランスのよい食事をとるための核となるものです。
ポイントは、「主食:主菜:副菜=3:1:2」。
この割合を意識して食べると、自然と栄養バランスが整った食事をとることができるといわれています。

夜ごはん:腹八分目がポイント

夕食はしっかり食べたい!と考えがちですが、ポイントは「腹八分目」に抑えること。
夕食を食べすぎると、消化が間に合わずに睡眠の質が落ちたり、翌朝の体調不良へとつながってしまう場合があります。
「もう少し食べられる」程度に抑え、さらに夜遅くに食べることはできるだけ控えるようにしましょう。
また、比較的時間をかけることができ、メニューを調整しやすいのが夕食のメリット。朝食や昼食で不足した栄養素が補えるような食材を意識して食べるようにしましょう。

食べる順序に注意

米や麺類などは、血糖値を急激に上げやすい糖質がたっぷり。
血糖値の急上昇は、身体にさまざまなトラブルを引き起こし、不妊の一因にもなる可能性があります。
そこで、血糖値の上昇をゆるやかにするための「食べる順番」を押さえておきましょう。

糖質は最後に

血糖値が上がりにくいものから食べることがポイント。
具体的には、

  1. 「食物繊維」を多く含むもの(野菜、キノコ、海藻など)※野菜でも、カボチャやトウモロコシなど糖質の多い野菜は最後に食べるようにします。
  2. 「たんぱく質(肉、魚、豆腐、卵など)」
  3. 「糖質(炭水化物)」

といった順番。
サラダやスープなどから食べはじめ、つづいて肉や魚といったたんぱく質がメインのおかずを食べて、最後に主食となる米やパンなどを少量食べる、といった食べ方、順番がおすすめです。

毎日の食事チェックシート

農林水産省のHPでは、「何を」「どれだけ」食べればよいか、「コマ」の絵を使った「食事バランスガイド」が紹介されています。

出典:農林水産省/「食事バランスガイド」
http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/

これは、健康で豊かな食生活を具体化するために、2005年に発表されたもの。
毎日の食事が「主食」「副菜」「主菜」「牛乳、乳製品」「果物」の5つのグループに分類され、料理の組み合わせから栄養バランスをチェックすることができます。
「コマ」を毎日安定して回し続けるためには、バランスのとれた食事と適度な運動が必要であることが表現された「食事バランスガイド」。
健康な身体づくりのために必要な食事が毎日簡単にチェックできます。ぜひ活用してみてくださいね。

ストレスは天敵!食事でムリなく妊活

妊娠しやすい身体づくりのためには、栄養バランスのとれた食事を心がけること。でも、毎日毎食完ぺきな食事をとろうとしたら、なんだか疲れてストレスになってしまいますよね。
大切なのは、妊娠しやすい健康なカラダづくりをすることで、100点満点の完ぺきな食事をとることではありません。妊活にストレスは天敵です。
お菓子デー、揚げものデー、コーヒータイムなどを決めて、摂取を減らした方がよいとされる食品の食べる回数や量を少しずつ減らしていくなど、ストイックになりすぎず、無理なく妊活をしていきましょう。

妊活の食事を楽しみましょう

妊娠しやすい身体づくりとは、本来備わっている妊娠する力を呼び起こすことです。
そのためにはまず、バランスのよい食生活と、十分な睡眠や適度な運動といった規則正しい生活習慣が基本。心身ともに健やかにすることが大切なのです。
1度これまでの食生活を見直し、自分に不足している栄養を少しずつ体へ摂り入れてみてください。
妊活のために食事を意識すると、いつしか肌がキレイになったり、髪がサラサラになったり、朝からシャキッとできたりと、カラダの内側から元気になっていくのを実感できるはず。
赤ちゃんを迎え育てるため、そして自分自身のために、バランスのよい「妊活の食事」を楽しみましょう。

また、一昔前であれば、妊活や不妊は女性だけの問題と考えられることもありました。
しかし、妊娠は二人の絆と協力で成立するものです。ぜひ、パートナーと一緒に食生活を整えてみてくださいね。

この記事を作るため参考にした文献、サイト名

参考サイト:「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業

監修

  • 柳 寿苗

    管理栄養士
    柳 寿苗(やなぎ としえ)

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