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高麗人参で妊娠力チャージ!妊活への効果と摂取の注意点を大解明

滋養強壮のイメージが強い、漢方薬でおなじみの高麗人参。実は、妊活にも嬉しい効果が期待できる食材です。
一体どんな効果が期待できるのか、おすすめの摂取方法や注意点などと併せて、高麗人参の秘める妊活パワーを丸ごと探っていきましょう!

    妊活に期待できる高麗人参のうれしい作用!

    それではさっそく、高麗人参が妊活へどのような影響をもたらすのか?妊活に期待できるうれしい作用を確認していきましょう。
    ポイントは次の3点です!

    • 血流改善
    • 抗ストレス
    • 抗酸化作用

    順番に見ていきましょう。

    血流改善効果で卵巣に栄養を届けやすく

    高麗人参に含まれるジンセノサイド(サポニン)には、血小板凝集抑制作用と血清脂質改善作用があり、これによって血流改善効果が期待できます。[参考1]

    • 血小板凝集抑制作用
    • 血清脂質改善作用

    血行が悪いと、卵巣に酸素や栄養分を十分に届けることができず、卵巣機能の低下を招いてしまいます。
    そのため、血流をよくすることは妊娠しやすいカラダづくりのための必須事項です。

    では、血小板凝集抑制作用と血清脂質改善について、詳しくみていきましょう。

    血小板凝集抑制作用

    出血すると、血液中の血小板が集団を作って血液を固める働きをします。
    これを「血小板凝集」といいますが、この作用が強いと血液の粘度が高まり、血栓(血管内にできる血の塊)ができてしまう場合も。
    血栓ができると、血流が悪化し、体内に酸素や栄養が届かなくなって卵巣機能の低下、さらには脳出血、脳梗塞などといった重篤な病気を引き起こしてしまいます。

    高麗人参には、血小板の凝集を妨げる「血小板凝集抑制作用」があり、これによって血栓ができて血管が詰まるのを防ぎ、血流改善効果が期待できるのです。

    血清脂質改善作用

    血清脂質とは、血液中に含まれる脂質のこと。中性脂肪やコレステロールなどが存在しますが、悪玉(LDL)コレステロールが多すぎる、中性脂肪が多すぎるなどのようにバランスが崩れると血液がドロドロになって、卵巣機能の低下、さらには動脈硬化を促進してしまいます。

    高麗人参には、悪玉コレステロール値を下げて、善玉コレステロールを増やす血清脂質改善作用があり、血液をきれいにする効果が期待できます。

    抗ストレス作用で妊活中の精神安定に役立つ

    体力がなかったり、カラダが弱っていたりすると、健常なときよりも外界の変化やストレスの影響を受けやすく、自律神経が乱れやすくなってしまいます。

    自律神経の乱れは、カラダの冷えやホルモンバランスの乱れ、それに伴う月経異常などを引き起こし、不妊の一因にも。
    そのため、妊娠力をアップさせるためには、心身共に健康なカラダをつくることが大切です。

    高麗人参はジンセノサイドという成分が含まれ、自律神経を整えることでストレス解消や精神の安定などの効果が期待できますよ。[参考2]

    抗酸化作用で卵子や精子の酸化を防ぐ

    活性酸素は、ストレスや不規則な生活習慣などで体内に過剰に発生すると、細胞を酸化させて老化や様々な疾患を引き起こしてしまう物質。
    卵子や精子も活性酸素の攻撃を受けるとサビついて老化し、質が低下してしまいます。

    高麗人参には、活性酸素を除去する作用があるので、卵子や精子が酸化して老化するのを防ぐ効果が期待できます。[参考3]

    高麗人参とは?妊活に役立てるため知っておきたい基礎知識

    ここからは、高麗人参を妊活に役立てるため、妊活中でも知っておきたい高麗人参の基礎知識について迫っていきましょう!

    高麗人参とは、別名朝鮮人参やオタネニンジンとも呼ばれる多年草植物のことです。
    主な原産地は中国北東部から朝鮮半島で、古くから薬用または食用として用いられています。

    ちなみに、人参という名前が付いていますが、スーパーで目にするオレンジ色のにんじんとは全くの別物。
    野菜のにんじんはセリ科で、高麗人参はウコギ科に属している植物です。

    • 高麗人参:ウコギ科
      ※別名:朝鮮人参・オタネニンジン
    • 野菜のにんじん:セリ科

    高麗人参の枝分かれした根の部分が人の姿に似ていることが、「人参」という名が付いた由来だとされていますよ。

    妊活にも大きな影響?高麗人参の効能「人参七効説」とは

    高麗人参の歴史は古く、伝統中国医学では「不老長寿の薬」としておよそ2,000年も前から珍重されてきました。

    なお、高麗人参には様々な効能があるといわれていますが、主な7つが「人参七効説」としてまとめられ、現在も医療に広く利用されています。[参考4]

    人参七効説

    • 補気救脱(ほききゅうだつ):疲労回復・体力増進・老化防止
    • 益血復脈(えきけつふくみゃく):貧血・低血圧・心臓衰弱の治療
    • 養心安神(ようしんあんしん):ノイローゼ・自律神経失調の改善
    • 生津止渇(しょうしんしかつ):カラダの渇きを潤す・糖尿病の治療
    • 補肺定喘(ほはいていぜん):肺炎・ぜんそくの治療
    • 健脾止瀉(けんぴししゃ):胃腸炎・下痢・便秘・食欲不振の改善
    • 托毒合瘡(たくどくごうそう):皮膚病・化膿性腫瘍・肌荒れの治療

    引用:東洋医学が世界に誇る高麗人参
    http://www.sanin.com/site/page/
    keisyundo/susume/medical/oriental/

    妊活にも影響ある高麗人参の有効成分

    ビタミンやミネラル、炭水化物などをバランスよく含む栄養価の高い高麗人参ですが、なんといっても最大の特徴は、ジンセノサイドという高麗人参特有のサポニン群を40種類近く含んでいることです。

    • ジンセノサイド(サポニン)

    では、高麗人参の有効成分ジンセノサイドとは一体どのような働きをする成分なのか、次の項で詳しく確認していきましょう。

    有効成分ジンセノサイドの働き

    高麗人参に豊富に含まれているジンセノサイドには、中枢神経系に抑制的に働き、末梢神経を拡張してリラックス状態を導く「Rb群」「Rc群」、中枢神経系に興奮的に作用し血管を収縮して活力を生み出す「Rg群」があります。

    • Rb・Rc群:中枢神経抑制作用(リラックス状態を導く)
    • Rg群:中枢神経興奮作用(活力を生み出す)

    このジンセノサイドの相反する2つの成分がバランスよく働き、心とカラダの健康を協力にサポート。摂取することで、下記のようなさまざまな効果が期待できます。[参考2]

    • 疲労回復
    • ストレス抑制
    • 滋養強壮
    • 体力増強
    • 血小板凝集抑制
    • 血流の改善
    • 動脈硬化の予防
    • 血中悪玉コレステロール値の軽減
    • 自律神経を整える
    • 免疫力を高める
    • 抗酸化作用によるアンチエイジング効果

    など。

    エキス?サプリ?妊活中の高麗人参製品の選び方

    これまでみてきた通り、妊活にうれしいさまざまな効果が期待できる高麗人参。
    さっそく日々の生活に摂り入れていきたいところですが、高麗人参はどのように選べば良いのでしょうか。

    市販の高麗人参製品には、濃縮エキスやサプリ、カプセルやお茶などいくつかの種類があってどれを手にとればよいのか悩んでしまいますよね。

    • 濃縮エキス
    • 顆粒タイプ
    • サプリメント(カプセル・錠剤など)
    • お茶

    など。

    そこで、それぞれの特徴を簡単にご説明していきます。
    高麗人参の効果は、継続することで実感できるとされていますので、自分に合ったものをセレクトしていきましょう。

    濃縮エキス

    製品によって多少の違いはあるものの、1 日の最大摂取目安量を摂取した場合に、高麗人参の有効成分ジンセノサイドを最も多くカラダに摂り入れることができるのは濃縮エキスとされています。

    濃縮エキスの摂取方法は、お湯で薄めて飲むだけととても手軽。
    ただし、濃縮エキスは、高麗人参特有の苦みと香りをダイレクトに感じるため、人によっては飲みにくさを感じる場合があります。さらに、高額であることもデメリット。

    味や香りが苦手な場合は、お湯の量を増やして味を薄めたり、コーヒーやジュースに混ぜたりと工夫して飲んでみてくださいね。

    顆粒タイプ

    高麗人参の顆粒タイプには、主に濃縮エキスだけを使用しているものと、濃縮エキスに乳糖やぶどう糖を加えて甘みを加味しているものの2種類があります。

    1回分ずつ個包装になっているため、持ち運びしやすく、外出先でも手軽に摂取できるのが特徴。
    ただし、濃縮エキスに比べて高麗人参成分は少ない傾向があります。

    また、顆粒タイプで甘みを加味した製品のなかには、1日の最大摂取目安量を飲むと、10g程度の糖類を摂ってしまうものがあるため要注意。
    さらに、「お好みによりハチミツなどを加えて」というおすすめの飲み方を提示している製品もあるので、糖分過多とならないよう注意が必要です。

    糖質の摂りすぎは卵子や精子の質の低下を招く要因となってしまいますので、顆粒タイプをセレクトする際は、原材料をしっかり吟味するようにしましょう。

    サプリメント

    高麗人参のサプリメントは、無臭で飲みやすく、価格も手ごろなのが特徴です。
    コンビニやドラッグストアなどで手軽に購入できるのもメリットのひとつ。

    ただし、濃縮エキスなどに比べて高麗人参成分は少ない傾向があります。

    お茶タイプ

    高麗人参のお茶は、甘く加味されているものが多く、初めてでも飲みやすいのが特徴。
    より気軽に高麗人参を摂り入れたい場合におすすめです。

    ただし、濃縮エキスなどに比べて高麗人参成分は少ない傾向があります。
    また、砂糖が入っているため飲みすぎには要注意。糖質の摂りすぎは卵子や精子の質の低下を招く要因となってしまいますよ。

    高麗人参の副作用と妊活中での摂取時の注意点

    高麗人参には、健康にとっても妊活にとってもうれしい効果が期待できますが、飲む際にはいくつかの注意点があり、さらに副作用が出る場合もあります。

    「高麗人参を飲んだらかえって健康を害してしまった…」といった事態にならないよう、高麗人参を摂取する際の注意点および副作用をしっかりと押さえておきましょう。

    副作用

    高麗人参には、以下の副作用が報告されています。

    • 興奮
    • 頭痛
    • 下痢
    • のぼせ
    • めまい
    • 喉・食道・胃の不快感、胃痛
    • 睡眠障害
    • 高血圧

    など。

    高麗人参の摂取後、上記のような症状があらわれた場合は、ただちに服用を中止し、医師や薬剤師などに相談するようにしましょう。[参考2][参考5]

    糖尿病・高血圧の方は要注意

    高麗人参は、血糖値や血圧に影響することが報告されています。

    そのため、糖尿病患者・低血糖症患者・血糖値に影響を与える薬物を服用している方、さらに高血圧の方は、自分の判断で高麗人参を摂り入れることは避けましょう。
    摂取前に、必ずかかりつけの専門医に相談するようにしてください。

    長期間の連用は要相談

    高麗人参の長期服用については、安全性が確立されていません。もちろん、妊活中も例外ではありません。
    そのため、長期間連用する場合には、医師や薬剤師などに相談するようにしましょう。

    高麗人参を飲むタイミングは食前がベスト

    「高麗人参はいつ飲めばいいの?」
    高麗人参に期待できる効果、注意点などを把握したら、次に気になるのは摂取するタイミングですよね。

    実は、高麗人参は、朝・昼・夜、食前・食後、いつでも摂取可能とされています。
    その中でも、効果を最大限発揮させたい場合には、空腹時に飲むのがベストタイミング。

    空腹時に摂取することで体内吸収が高まり、効果をより早く実感することができます。
    ただし、体質によっては空腹時に摂取すると胃に負担がかかる場合も。その際は食後に飲むようにしましょう。

    高麗人参は妊活中以外に、妊娠中・授乳中もOK?

    「高麗人参は、妊娠中や授乳中も摂取できる?」
    妊活中にうれしい効果が期待できる高麗人参ですが、妊娠中や授乳中に飲んでも問題ないのでしょうか。

    実は、妊娠中および授乳中における高麗人参の安全性は確立されていません。
    また同時に、妊娠中・授乳中に飲んではいけないとするエビデンスも報告されていません。
    [参考5]

    そのため、妊娠中・授乳中の高麗人参摂取はグレーゾーン。
    幼児、小児、妊婦および授乳期の女性に対する高麗人参の使用に反対している専門家もいるため、積極的な摂取は控えたほうが無難です。

    妊娠中・授乳中に高麗人参を摂取する際は、必ず医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

    高麗人参の独特な苦み、香りを和らげる方法

    すでにご説明した通り、高麗人参は特有の苦みと香りが特徴です。
    本来なら、濃縮エキスでしっかりと高麗人参成分を摂取したいところですが、人によっては飲みにくさを感じ、継続して飲むのが困難な場合も。

    「苦くて飲めない!」
    そんな時には、高麗人参の選び方、飲み方を工夫しましょう。
    飲みやすくするおすすめの方法は次の通りです。

    • 濃縮エキスの場合は、少量から飲み始めてだんだん量を増やしていく
    • 甘みが加味されたお茶や顆粒タイプから飲み始める
    • お湯ではなく、麦茶やコーヒー、ジュースなどに溶かして飲む

    自分にぴったりの飲み方を見つけて、無理なく摂り入れていきましょう。

    高麗人参で妊活力をチャージするのも選択肢の1つ

    高麗人参の有効成分は、ジンセノサイドというサポニン群の一種。血流改善や自律神経調整、抗酸化作用で卵子や精子の質を高める効果が期待できます。

    ちなみに、さまざまな高麗人参製品がある中で、最も効果が期待できるのは高麗人参成分が豊富に詰まった濃縮エキス。
    特有の苦みと香りで飲みにくく、さらに高額でなかなか手を出しにくいというデメリットはありますが、2,000年も前から重宝されている高麗人参パワーをたまには妊活に活用してみるのもアリですよ。

    しかし、高麗人参には副作用や摂取する際の注意点もありますので、それらを十分に把握したうえで、上手に摂り入れていきましょう。

    この記事を作るため参考にした文献・サイト名

    監修

    • 管理栄養士
      柳 寿苗(やなぎ としえ)

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