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ブロッコリーは妊活の救世主!その栄養素やおすすめのレシピは?

蕾の部分だけでなく、茎の部分もおいしく食べられるブロッコリー。栄養面も優れており、妊活を支える食材の1つとしても知られています。では、具体的にどのような栄養素が含まれているのでしょうか。ブロッコリーを使ったレシピもあわせてお伝えします!

ブロッコリーが妊活に良い理由

栄養豊富なイメージのあるブロッコリーですが、「実際にどのような栄養素が含まれているのか、あまり知らない…」という方も多いのではないでしょうか。さっそく、1つずつチェックしていきましょう!

ビタミンC

ブロッコリーに含まれている栄養素のなかでも、「ビタミンC」は代表的な存在です。抗酸化作用をもち、細胞を攻撃する可能性のある活性酸素を除去してくれる働きがあります。妊活中だけに限らず日常的にビタミンCを摂取し、活性酸素を減らしておきたいですね。

また、ビタミンCは鉄の吸収率をアップさせてくれる効果にも期待できます。鉄は、子宮内膜の材料になる頼もしい栄養素の1つ。そんな鉄を効率よく吸収するためにも、ブロッコリーに含まれているビタミンCに手助けしてもらいましょう!

葉酸

葉酸はビタミンB12と共に赤血球の生成をサポートする栄養素であることから、「造血のビタミン」とも呼ばれています。そして、細胞分裂をサポートしてくれるため、妊活中から積極的に摂取したい栄養素。妊活にとって非常に大切である、受精卵の細胞分裂にも関わっていますよ。

また、妊娠超初期に摂取することで、お腹の赤ちゃんの先天性異常のリスクを抑えられるメリットも。目安として、妊娠から3週間以内に摂取することが推奨されています。妊活のためにも、そして将来の赤ちゃんのためにも、妊娠する前から葉酸を取り入れておきましょう。

ビタミンE

「子宝ビタミン」とも呼ばれているビタミンE。美容のイメージがありますが、実は妊活にも深く関わっている栄養素の1つです。

ビタミンEには、自律神経やホルモンバランスを整える働きがあります。自律神経のバランスが乱れた状態は、活性酸素の増加に繋がります。また、ホルモンバランスが乱れていると、生理不順や生理痛、不正出血などが発生することも。規則正しい生理サイクルを生み出すためにも、しっかりとビタミンEを摂取しておきましょう。

ビタミンK

ビタミンKは脂溶性ビタミンの1つ。人間の体内では、食材から摂取するビタミンKと、腸内細菌や組織で生成されたビタミンKの両方が存在します。

出血した際に、血液を固める役割を担っています。また、骨に存在するたんぱく質を活性化させ、骨の形成を促進させる働きも。そのため、骨粗しょう症の治療薬としても活用されています。さらに、動脈の石灰化を予防する効果まで。納豆や春菊などに多く含まれていますが、ブロッコリーから摂取することもできますよ。

カリウム

カリウムは、人間にとって必要不可欠なミネラルの1つです。細胞の外液にあるナトリウムとバランスをとりつつ、細胞内の水分や血圧をうまく調整してくれています。また、過剰なナトリウムを排出する役目も果たしています。

カリウムが不足してしまうと、ナトリウムが増えて細胞の水分が増加し、血管が圧迫されて血圧の上昇に繋がるケースも。カリウムをうまく摂取すれば、血圧を抑える、むくみが解消するといった効果が期待できますよ。

食物繊維

腸の動きが鈍くなると血流が悪化し、体や内臓が冷えてしまいます。それにより、自律神経や女性ホルモンのバランスが乱れてしまうことも。そのため、妊活中は食物繊維で腸内の働きを活性化させ、血の巡りをスムーズにしておくことが大切です。

ブロッコリーに含まれている食物繊維の量は、野菜の中でもトップクラス。水に溶けない「不溶性食物繊維」が含まれているため、腸内で水分を吸収して膨張し、腸壁を刺激してくれます。便秘で悩んでいる、血流を改善したいという方は、ブロッコリーを食べて食物繊維を摂取しましょう!

ブロッコリーの栄養価

続いて、ブロッコリーに含まれる栄養価について確認していきましょう。「生のブロッコリー可食部100gあたり」に含まれている主な栄養価は、以下の通りです。(参考:七訂日本食品標準成分表)

・ビタミンC…140mg

・葉酸…220μg

・ビタミンE…3.4mg

・ビタミンK…210μg

・カリウム…460mg

・食物繊維…5.1g

ここでとくに注目してほしいのは、「ビタミンC 140mg」という数字。これは生のブロッコリーに含まれている量ですが、茹でたあとでも約半分のビタミンCは残ると言われています。

ちなみに、レモン100gあたりに含まれているビタミンCは100mg、なつみかんは38mgとなっています。ビタミンCのイメージが強い食材を上回る量がブロッコリーに含まれているなんて、驚きですよね!

ブロッコリーの基礎知識・種類

続いて、ブロッコリーを食べるうえで知っておきたい基礎知識をご紹介します!意外と知らないブロッコリーの種類についても、ここでチェックしておきしょう!

そもそも、ブロッコリーってどんな食材?

ブロッコリーは、アブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜です。原産地は地中海沿岸。原種はキャベツと同じく、ケールであると言われています。

品種は切り取る部位によって異なり、日本では茎に大きな花蕾が付いた「頂花蕾型」がメイン。それ以外にも、脇芽が次々と生育していく「側花蕾型」が存在します。

また、スーパーでは通常のブロッコリーのほかに、細長い形をしたスティックタイプも見かけられます。これは、中国野菜のカイランやサイシンと交配して生まれたもの。そして「天然のサプリメント」とも呼ばれているブロッコリースプラウトは、「ブロッコリーの新芽」を意味しています。

ブロッコリーの選び方は?

おいしくて鮮度の良いブロッコリーの特徴は、「濃い緑色でツヤがある」「蕾がきゅっと小さく締まっている」の2つ。花蕾が大きく盛り上がっているブロッコリーは、房が強くておいしいですよ!

また、茎の切り口に空洞がないかも要チェック。スが入って穴が開いているものは、鮮度が落ちている可能性も。茎もおいしく食べられるので、なるべく太いものを選びましょう。

ブロッコリーの保存方法は?

生のブロッコリーは、ポリ袋に入れた状態で冷蔵庫の野菜室へ入れましょう。とくに花蕾は水分が蒸発しやすいので、そのままの状態で冷蔵庫に入れるのは控えて。すぐに食べない場合、軽く茹でて冷蔵もしくは冷凍保存をしておくと、品質を長くキープできますよ。

ブロッコリーの旬の時期は?

年中手に入りやすいブロッコリーですが、国産のものは11月~3月頃の寒い時期が旬です。それ以外の時期に売られているのは、アメリカなどで育ったものが主流。どの季節も安定した値段でブロッコリーが手に入るのは、輸入によって1年中出回っているためです。

ブロッコリーの適量(1日)

では、1日に食べるブロッコリーの量は、どれくらいが目安なのでしょうか。ここでは、ビタミンCと葉酸を基準に考えていきます。

ビタミンCを基準にすると…

先述の通り、ブロッコリーに含まれている栄養素のなかでもとくに多いのが「ビタミンC」です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020 年版)の概要」では、「ビタミンCの摂取推奨量は15歳以上で1日あたり100mg」とされています。

そして、生のブロッコリー可食部100gあたりには、140mgのビタミンCが含まれています。茹でるとやや減ってしまうことを踏まえると、1日に食べる量は100gほどにしておくといいでしょう。

葉酸を基準にすると…

葉酸の1日の推奨摂取量は240μg。妊活中はそれに加え、サプリメントなどから400μgを摂取すべきだと言われています。そして、生のブロッコリー可食部100gあたりに含まれている葉酸は220μg。食事から摂取すべき240μgをやや下回りますが、他の食材から補える分を考えると、それくらいの量で問題ないでしょう。

つまり、ビタミンCと葉酸のどちらにおいても、「1日100g」が目安となります。ちなみに、「生のブロッコリー100g」というのは、大小合わせて4房ほどです。

ブロッコリーを食べすぎると?

このように、ビタミンCや葉酸などの栄養素がたっぷりと詰まったブロッコリーですが、食べすぎには注意が必要です。過剰に食べてしまうと、以下のようなリスクが発生します。

生で食べすぎると「甲状腺機能低下症」に!?

ブロッコリーには、「ゴイトロゲン」というものが含まれています。これは、「甲状腺機能低下症」の原因に繋がる可能性があるとも言われています。甲状腺機能低下症に陥ると、エネルギー代謝を促進する甲状腺ホルモンの分泌量が低下し、神経機能や心臓や代謝の働きが悪化してしまいます。

この症状を防ぐポイントは、ブロッコリーを加熱してゴイトロゲンを減らしておくこと。食べる前に茹でる、蒸すなどの調理をしておき、甲状腺機能低下症になるリスクを抑えておきましょう。

体臭がキツくなる可能性も

ブロッコリーには、「コリン」という成分が含まれています。このコリンが体内に入ると、体内で魚の臭いのような「トリメチルアミン」という物質を生成します。その量が多すぎると、体臭がキツくなる可能性も。とはいえ、1日に1kg以上もの量を食べない限り、そこまで影響が出ることはないでしょう。

ブロッコリーのおすすめの食べ方

加熱した状態で適量を食べるように意識すれば、妊活の強い味方ともいえるブロッコリー。その食べ方は、サラダや添え物だけではありません。ブロッコリーをおいしくたくさん食べられる、おすすめの食べ方をご紹介します!

ブロッコリーのチーズ焼き

チーズとマヨネーズだけで簡単に作れる、お手軽レシピです!すでにブロッコリーを小分けにしておけば、包丁やフライパンを使うことなく用意できるのも嬉しいですね。

【作り方(2人分)】

1.小分けにしたブロッコリー(1株)をゆで、マヨネーズとピザ用チーズをかける

2.トースターで焼き、チーズがとろけたら完成

パプリカとブロッコリーのクリームチーズ和え

実はブロッコリーと同じく、パプリカもビタミンCが豊富に含まれている食材の1つ。ブロッコリーと一緒に食べることで、ビタミンCをたっぷりと摂取することができますよ。

【作り方(2人分)】

1.小分けにしたブロッコリー(半株)をゆでてお皿に移し、クリームチーズ80gと一緒に混ぜる

2.ひとくちサイズに切ったパプリカ(2分の1個)、細かく刻んだくるみ少々、すり白ごま少々、塩少々を加えてまぜる

ブロッコリーのビタミンCと葉酸で妊娠力アップを目指そう!

ブロッコリーには、ビタミンCや葉酸をはじめ、ビタミンE・ビタミンK・カリウム・食物繊維などの栄養素がぎゅっと詰まっています。性酸素を減らして鉄の吸収をよくするビタミンC、そして胎児の先天性異常のリスクを抑えてくれる葉酸を効率よく摂取するためにも、妊活中はブロッコリーを積極的に食べておきましょう。

食べやすくて1年を通して入手しやすい、メリット尽くしのブロッコリー。さっそく今日から食事に取り入れ、妊娠しやすい体づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。その際は、「加熱したブロッコリーを1日100g」と意識しておくのもお忘れなく。栄養満点のブロッコリーの力を借りて、妊娠率アップを目指しましょう!

この記事を作るため参考にした文献・サイト名

日本食品標準成分表 (七訂)

マイナビ農業

・ 厚生労働省  日本人の食事摂取基準(2020 年版)の概要

監修

  • 柳 寿苗

    管理栄養士
    柳 寿苗(やなぎ としえ)

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