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甘酒が妊活にいいって本当?甘酒の栄養価やうれしい効果を大特集

日本伝統の発酵飲料である甘酒。飲む点滴といわれるほど栄養価が高く、健康のためはもちろん、妊活中にもぜひ摂り入れていきたい飲みものです。
驚くべき甘酒の栄養価から妊活にもたらすうれしい効果まで、甘酒パワーの魅力を徹底的に 探っていきましょう。

    甘酒で妊娠力チャージ!妊活におすすめの5つの理由

    飲む点滴と呼ばれるほど栄養価の高い甘酒。
    妊活へもたらすうれしい効果を、さっそく確認していきましょう!

    甘酒のブドウ糖パワーで妊活時の冷えを改善

    甘酒には、エネルギーの源であるブドウ糖が豊富。
    ブドウ糖は、体内に吸収されてエネルギーに変換される際、同時に熱を発生させるため、体温を上昇させる効果が期待できます。

    冷えは妊活の大敵!カラダが冷えると血流が悪くなり、酸素や栄養分が卵巣までしっかりと届かなくなってしまいます。その結果、排卵障害などといった不妊のリスクを引き起こす可能性も。
    甘酒のブドウ糖パワーでカラダを芯から温め、卵巣機能を向上させましょう!

    甘酒の善玉菌パワーで妊活中の腸内環境を改善

    甘酒に含まれる麹菌は、腸に届いて善玉菌として働きます 。腸内環境を良好にしてくれるビフィズス菌や善玉菌を増やして腸内環境を整える働きをします。
    ちなみに、ヒトの腸内には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌という3種類の細菌が棲みついていて、善玉菌:悪玉菌:日和見菌が『2:1:7』のバランスとなっていることが理想的な腸内環境とされています。

    腸内細菌の総量はほぼ決まっているので、善玉菌が増えると悪玉菌が減り、悪玉菌が増えると善玉菌が減るというしくみ。
    さらに、善玉菌が減ると日和見菌が悪玉菌に加勢するため、一気に腸内環境が悪化してしまいます。

    こうなると、せっかくバランスのよい食事を摂っても、栄養分がうまく体内に吸収されません。
    甘酒で腸内環境を良好にして、栄養素の消化吸収を促進させましょう![参考1]

    甘酒に含まれるアミノ酸パワーで妊活中のストレスを軽減

    続いては、赤麹や玄米麹で作る甘酒に含まれるGABAに注目。
    アミノ酸のひとつであるGABAは、自律神経に作用して緊張を緩和、ストレスを軽減する働きがあります。
    ストレスも妊活の元凶!過度なストレスは、自律神経を乱して不妊を招く可能性があるのです。

    実は、自律神経と女性ホルモンは密接な関係にあります。女性ホルモンはおもに卵巣から分泌されますが、排卵を起こす指令を出しているのは脳の視床下部。
    そして、自律神経を司っているのも視床下部。そのため、自律神経が乱れてしまうと、女性ホルモンがスムーズに分泌されなくなってしまうのです。

    また、ストレスは精子や卵子の質を低下させる要因にも。
    ストレスを受けると、細胞を酸化させる活性酸素が過剰発生し、精子や卵子の細胞を攻撃して老化を促進してしまうのです。

    甘酒のアミノ酸パワーで、ストレスとサヨナラしましょう![参考2]

    甘酒の銅パワーで妊活中の貧血予防を助ける

    甘酒の原料となる米麹には、鉄分とともに造血に働く銅が含まれているので、貧血予防に効果的です。

    鉄分は、子宮内膜の材料になる栄養素。実際に不妊治療をしている女性の多くは貧血気味であるともいわれており、鉄分不足は排卵障害や不妊の原因となってしまう可能性があります。

    甘酒を味方につけて、貧血を予防しましょう!

    甘酒は妊活に欠かせない葉酸もチャージできる

    甘酒には、妊活に欠かせない葉酸も含まれています。
    葉酸は、妊娠のごく初期から胎児の脳や神経をつくる重要な働きをする栄養素。さらに、妊娠前から葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが低減することもあきらかとなり、厚生労働省より妊娠可能な年齢の女性に積極的な摂取が勧告されている栄養素です。

    また、葉酸は妊活中の男性にもうれしい効果があります。
    葉酸を充分に摂取している男性の精子は、そうでない男性の精子と比べて、染色体異常が約20%低いことが明らかにされているのです。
    妊活カップルに欠かせない葉酸を甘酒からもチャージしましょう! [参考3]

    甘酒には2種類ある!妊活へ役立てる前に詳しくチェックしよう

    その名の通り、ほっこりした甘さが魅力の伝統的な飲みものである甘酒。
    実は、一言に甘酒といっても、原料と製法により次の2つのタイプに分けられています。[参考4]

    • 米麹甘酒
    • 酒粕甘酒

    では、それぞれの違いや特徴を確認していきましょう。

    米麹甘酒 (こめこうじあまざけ)

    『飲む点滴』と呼ばれているのは米麹甘酒のほう。 米麹甘酒は、米と米麹で作られた甘酒です。米麹とは、蒸したお米に麹菌を繁殖させたもの。
    米麹を炊いたご飯に混ぜて保温すると、菌の働きによって発酵が進み、甘酒ができあがります。

    なお、麹菌の発酵により、お米のでんぷんがブドウ糖やオリゴ糖に分解されるため、砂糖を一切加えなくても自然な甘みがでるのが特徴ですよ。

    原料米麹・米(※玄米やもち米を使用する場合もあり)
    アルコール度数0%
    甘み米麹と米の自然な甘み

    ノンアルコールなので、子どもから大人まで誰でも気軽に飲むことができます。

    酒粕甘酒 (さけかすあまざけ)

    酒粕甘酒は、おもに酒粕・砂糖・水で作られた甘酒です。酒粕に水と砂糖を加えて溶き伸ばせば、簡単に酒粕甘酒のできあがり
    ちなみに、酒粕とは、酵母・米・麹・水を仕込んで発酵したもろみを絞った残りカスで、若干のアルコールが含まれています。

    原料酒粕・砂糖・水など
    アルコール度数1%未満
    甘み砂糖の甘み

    アルコールが含まれているため、子どもやアルコールが苦手な方には不向き。さらに、砂糖も使用しているのでカロリーが高めです。

    米麹vs酒粕はドロー!妊活にはどちらの甘酒も◎

    米麹を使った甘酒と酒粕を使った甘酒。ところで、妊活に摂り入れるなら、2つの甘酒のうち一体どちらを選べばよいのでしょうか。
    実は、米麹甘酒と酒粕甘酒はそれぞれに栄養価が高く優れた健康効果があり、どちらが妊活に適しているのか甲乙つけがたいところなのです。
    そのため、2つの特徴を把握して上手に摂り入れていくことが大切。

    そこでここからは、米麹甘酒と酒粕甘酒の栄養成分、メリットとデメリットをそれぞれ確認していきましょう。

    米麹甘酒に含まれる妊活によい栄養成分

    まず、米麹甘酒に含まれる主な栄養成分は次の通りです。

    • ブドウ糖
    • ビタミンB群(B12を除く)
    • 葉酸
    • アミノ酸
    • ビオチン
    • ナイアシンなど

    ブドウ糖をはじめ、ビタミンB群やアミノ酸など、点滴と同じ成分が豊富に含まれ、疲労回復にはもってこいの飲みもの。
    また、麹菌が善玉菌のえさとなって働くため、整腸作用や免疫力を高める効果も期待できます。

    さらに、肌の健康維持に効果抜群のビオチン、シミやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑えるコウジ酸、強力な抗酸化作用をもつフェルラ酸と、エイジング成分も含まれているのも魅力。
    ただし、米麹甘酒はブドウ糖が豊富なため、飲むと一気に血糖値が上がりやすく、飲みすぎると肥満や糖尿病の原因ともなってしまいます。

    酒粕甘酒 に含まれる妊活によい栄養成分

    酒粕甘酒の主な栄養成分は次の通りです。

    • たんぱく質
    • 炭水化物
    • 食物繊維
    • ビタミンB6
    • 葉酸
    • ミネラル
    • アミノ酸など

    酒粕は、米麹に酵母菌を加え発酵させて作られたもの。そのため、酒粕甘酒の魅力は、なんといっても麹菌と酵母のW発酵パワーにより、さまざまな栄養成分が凝縮されています。
    食物繊維やビタミンでは葉酸やビタミンB6、ミネラル、アミノ酸などを豊富に含んでいますよ。

    酒粕の働きにより、血流を改善してカラダを温める効果やコレステロールの上昇を抑える効果、便通を良くする効果、肌のキメを調える美肌効果なども期待できます。

    ただし、酒粕甘酒は、甘みを加えるためにたくさんの砂糖を使用しているのがデメリット。砂糖は肥満の原因にもなりますし、妊活の大敵、カラダの冷えを引き起こしてしまいます。そのため飲みすぎは厳禁。
    また、微量ですがアルコールも含まれていますので、お酒に弱い方も注意が必要です。

    甘酒は朝がベスト!妊活中に効果的な甘酒の取り入れ方と注意点

    甘酒には、一日のエネルギー源となる栄養分が豊富に含まれています。そのため、甘酒は朝飲むと効果的。
    さらに、飲むときの温度は、甘酒に含まれている酵素が最も作用する60℃くらいがベストといわれています。カラダを芯からポカポカにするためにも、甘酒は、ぜひ60℃程度に温めて飲みましょう。

    ただし、酒粕の甘酒はアルコールを含むので、3~5分程度沸騰させてアルコールを飛ばすのがおすすめです。
    また、米麹甘酒も酒粕甘酒も飲みすぎは禁物。糖分やカロリーの摂りすぎとなってしまいますので、1回にコップ1杯程度、1日で200ml程度を目安に摂取してくださいね。

    妊活中に試したい甘酒の栄養価UPアレンジレシピ

    甘酒の栄養や妊活にもたらす効果を押さえたところで、ここからは最後の総仕上げです。
    甘酒の作り方と簡単なアレンジレシピをご紹介します。

    米麹甘酒の作り方とおすすめのちょい足し食材

    まずは、米麹甘酒の作り方をみていきましょう。

    材料

    • お米:1合
    • 炊飯用の水:360ml
    • 冷まし用の水:360ml
    • 生の米麹:400g
      ※乾燥麹の場合は、麹の量を1/2にする

    作り方

    1. お米に炊飯用の水を加え、炊飯器でご飯を炊く。
    2. (1)に冷まし用の水を少しずつ加えて、60℃くらいになるまで冷ます。
      ※炊飯器の保温は切らないこと。麹は60度以上で死滅してしまうので、温度計で測りながら60℃をキープ。
    3. 炊飯器のフタを空けたまま濡れ布巾をかぶせ、8時間程度発酵させる。
      ※4時間ほど経過したら一度軽く混ぜる。
    4. トロッとしたペースト状になったら完成!

    参考:Foodie

    粗熱が取れたら、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存してください。消費目安は1週間。冷凍保存も可能です。冷凍の場合は、1ヶ月程度日持ちしますよ。

    甘酒×トマトジュース

    トマトには、強力な抗酸化作用のあるリコピンが豊富に含まれています。
    米麹甘酒にトマトジュースを加えることで、細胞の酸化を防ぎ卵子の質の低下を防ぎましょう!

    材料

    • トマトジュース(無塩):100cc
    • 甘酒:100cc

    作り方

    トマトジュースと甘酒を1:1の割合で混ぜ合わせれば完成です。
    なんとこれだけ!特別なことは何も必要ない簡単レシピです。

    甘酒×バナナ×ヨーグルト

    乳酸菌がたっぷりと含まれたヨーグルト、オリゴ糖と水溶性食物繊維が豊富なバナナを甘酒にプラスすれば、腸内環境をより効果的に整えることができます。
    スムージーにして、さっぱりといただきましょう!

    材料

    • バナナ:1本(※冷凍バナナでもOK)
    • プレーンヨーグルト:100g
    • 甘酒:100ml

    作り方

    すべての材料をミキサーでしっかり混ぜ合わせれば完成!
    こちらのレシピも、超簡単に作れるお手軽レシピですね。

    酒粕甘酒の作り方とおすすめのちょい足し食材

    次に、酒粕甘酒の作り方をみていきましょう。

    材料

    • 吟醸酒粕:100g
    • 水:500cc
    • 砂糖:大さじ3~4杯
    • しょうがの搾り汁:お好みで少々

    作り方

    1. 鍋に細かくちぎった酒粕・水・砂糖を入れて火にかける。
      ※黒糖やてんさい糖を使用するとコクが出てビタミン・ミネラルUP!
    2. 沸騰したら弱火にして、しっかりかき混ぜる。
    3. 酒粕が溶けたら完成
      ※お好みで生姜の搾り汁を2~3摘たらすと風味UP!

    参考:吟醸酒粕 甘酒 | おたまや

    酒粕甘酒の保存期間は、冷蔵庫で3日間程度。冷凍すれば、1ヶ月ほど保存できます。
    なお、酒粕そのものはかなり日持ちがするので、飲むときに飲む分量だけ作ることをおすすめします。

    甘酒×牛乳

    牛乳は、脂質・糖質・たんぱく質の3大栄養素、さらに、カルシウムをはじめとするミネラルやビタミンもしっかり含まれた栄養バランス抜群の食品です。
    甘酒に牛乳をプラスして、栄養価をさらにアップさせましょう!

    材料

    • 酒粕甘酒:100cc
    • 牛乳:100cc

    作り方

    酒粕甘酒に牛乳を適量加え、電子レンジで1分程加熱したら完成です。

    甘酒×ココア

    ココアには、強い抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれています。
    酒粕甘酒にココアをプラスして、卵子や精子の老化を防ぎましょう!

    材料

    • 酒粕甘酒:100cc
    • ピュアココア:小さじ1
    • 牛乳(水・豆乳でもOK):50cc

    作り方

    酒粕甘酒にココアと牛乳(または水・豆乳)を加えて、電子レンジで1分程度温めたら完成。よく混ぜてから飲んでくださいね。
    甘みを加えたい場合には、はちみつやメープルシロップがオススメです。

    妊活パワーたっぷりの甘酒で妊娠力を上げましょう

    昔から飲まれ続けている甘酒には、絶大な健康パワーが秘められています。
    カラダを温めて冷えを改善する効果、ストレスや疲れを軽減する効果、さらに、抗酸化作用でカラダのサビを防止したり、腸内環境を良好に整えてくれたりと、妊娠しやすいカラダづくりのためにも絶大な力を発揮しますよ。
    妊活に甘酒を摂り入れて、妊娠力を上げていきましょう!

    この記事を作るため参考にした文献・サイト名

    監修

    • 管理栄養士
      柳 寿苗(やなぎ としえ)

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