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妊娠中は気をつけたいチーズ。でも妊活中は?徹底解説します

そのまま食べる、トッピングに加える、料理に使用するといった、幅広いシーンで活躍してくれるチーズ。
でも「妊活中にチーズを食べても大丈夫なの?」「チーズを食べることは、妊活にとっていいの?それとも悪いの?」と聞かれると、しっかりと答えられる方は少ないのではないでしょうか。
今回取り上げるテーマは、妊活という視点からチーズについて迫っていきます。
はたして、チーズには子供を授かりやすくしてくれる効果があるのでしょうか。

    チーズって妊活中に食べてもいいの?

    乳製品であるチーズには、さまざまな栄養素が含まれています。
    そのなかでも多く含まれているカルシウムは、生理前症候群(PMS)と深い関係があるともいわれています。
    女性の多くが悩まされている生理前症候群(PMS)が、カルシウムを体へ取り入れることによって軽減するのであればとっても嬉しいですね!

    精神状態の安定や妊活後にも貢献するチーズ

    それだけではありません。お腹の赤ちゃんにとっては、骨を作り出す材料となります。
    妊活をしている間だけではなく、赤ちゃんを授かることができてからも、カルシウムによるメリットは大きいと言えますね。
    さらに、カルシウムには精神状態を安定してくれる働きまであります。妊活中は、妊娠に対する焦りや不安などから、ストレスが溜まりやすい時期でもあります。

    できるだけストレスが少ない状態にするためにも、カルシウムを積極的に体へ取り入れるのが望ましいですね。
    また、牛乳でできているチーズは、たんぱく質はもちろん、マグネシウムやビタミンDも含んでいます。
    マグネシウムやビタミンDは、カルシウムの吸収をより高めてくれる頼もしい存在なのです。

    妊活中にチーズを食べるのであれば種類に気をつけよう

    ただし、チーズなら何でもよいというわけではありません。とくに、チーズの種類には注意が必要です。
    妊娠を望んでいる人は、「加熱処理をしている商品かどうか」を意識するようにしましょう。

    ナチュラルチーズは非加熱なので注意

    チーズのパッケージに「ナチュラルチーズ」と記載されている場合、加熱していない状態と言うことになります。
    加熱していないチーズには、食中毒菌であるリステリア菌が含まれている可能性が。妊娠してからは、ナチュラルチーズは避けた方が安心ですね。
    飲食店で提供された際など、パッケージが確認できない場合は、チーズの種類で判断する事もできます。
    ブルーチーズやカマンベールチーズ、ゴルゴンゾーラ、モッツァレラチーズなどは、非加熱の可能性があるので注意してください。

    チーズを妊活中に食べるのなら!ポイント解説

    では、実際にチーズを食べる場合、どのようなことに意識しておく必要があるのかを確認しておきましょう。
    まず覚えておいてほしいことは、「カルシウムはあまり吸収率が高い栄養素ではない」ということ。
    カルシウムは年代やライフステージ、含まれる食品によって吸収率が変わりますが、食品に含まれるカルシウムの吸収率は30%ほど。
    そのため、できるだけ吸収率を落とさないように体へ取り入れることが大切です。[参考1]

    カルシウムを吸収しにくくするリンに注意

    リンという栄養素は、摂取しすぎるとカルシウムの吸収を阻害してしまいます。
    食品添加物に多く含まれているので、ハムやベーコンなどの食肉加工品を頻繁に召し上がっていたり、インスタント食品やスナック菓子が好きな方は、注意が必要です。
    ただし、リンは骨や歯の成長に欠かせない栄養素でもあります。
    リンを摂取すること自体を控えるのではなく、あくまでも過剰に摂らないようにしておいてくださいね。[参考2][参考3]

    カルシウムの吸収率をUPさせるマグネシウムやビタミンD

    マグネシウムやビタミンDは一緒に摂ることで、カルシウムの吸収率がアップします。
    マグネシウムは、昆布やひじきなどの海藻類、大豆製品、豆類などに。
    ビタミンDは日光に当たることでも生成されますが、食べ物では魚やきのこに多く含まれています。
    とはいえ、これらの食品とチーズを毎回うまく組み合わせることは、あまり簡単なことではありません。
    その場合は、ほかの時よりも品数が多い夕食のタイミングに、チーズと合わせるといいでしょう。

    妊活中に食べるのなら!おすすめのチーズを紹介します!

    妊活中にチーズを食べる場合、妊娠していることが分かった場合のことを考えておくことが大切です。
    「妊娠したことは嬉しいけど、あの時のチーズは食べても大丈夫だったのかな」と後から不安になることを防ぐためにも、妊活をしているうちから、加熱処理済みのものを選んでおくと安心です。
    例えば、明治の商品のうち、スライスチーズ、スマートチーズ、カマンベールチーズ、ボーノは、加熱しないでそのまま食べても問題ありません。
    ただし、とろけるタイプのものは、食べる際は加熱をしておくといいでしょう。

    プロセスチーズは加熱処理がされていて安心!

    スーパーでよく目にする、プロセスチーズはどうでしょうか?プロセスチーズは加熱処理がされています。
    妊活中はもちろん、妊娠してからもリステリア菌の心配をしなくて大丈夫なので、心配な方はプロセスチーズを選ぶようにしましょう。
    そのほかに、この商品が安心できるのか知りたいという人は、メーカーに問い合わせる方法もあります。
    妊娠を望んでいることや、妊娠してからも食べ続けられるのかを、あらかじめ伝えて確認しておくと安心ですね。

    チーズもほか食品の例に漏れず、食べすぎ注意です

    また、チーズを大量に食べてしまうことは、塩分やカロリー、飽和脂肪酸の摂りすぎに繋がる恐れが。
    米国の研究で全脂肪乳製品を多く食べる男性は、精子の形態異常が増えるほか、精子の運動能力が落ちる傾向があることが発表されています。
    個包装されている商品なら、「1日ひとつだけにしよう」と線引きしやすいというメリットも。
    カルシウムを摂取する目的とはいえ、チーズの食べすぎには気を付けておきましょう。[参考4]

    妊活中のチーズはポイントを抑え、上手に体へ取り入れましょう

    チーズに含まれているカルシウムは、妊活において大切なホルモンバランスを整えてくれる大切な栄養素。赤ちゃんが欲しい方は積極的に摂取しておきたいですね。
    ただし、妊娠の可能性がある場合は、食中毒の原因となるリステリア菌を避けるためにも、加熱加工がされているチーズを選ぶようにしましょう。
    また、塩分やカロリー、飽和脂肪酸の摂りすぎを防ぐためにも、大量のチーズを一気に食べることも避けてくださいね。

    貴重なカルシウムは、できるだけ吸収率を高めておくのもポイントです。
    チーズを食べる時には、カルシウムの吸収率を高めるマグネシウムや、ビタミンDの含まれている食品と一緒に食べるのがおすすめ。
    その一方で、食品添加物に含まれているリンは、カルシウムの吸収率を下げてしまうことを覚えておきましょう。

    チーズを食べて、身体の基となるたんぱく質や精神を安定させてくれるカルシウムをほどよく取り入れ、妊活に適した身体づくりをしていきましょう!

    この記事を作るため参考にした文献・サイト名

    監修

    • 管理栄養士
      柳 寿苗(やなぎ としえ)

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