妊活中のパンはちょっとまって!食べる際の注意点を解説します
パンは糖質量が多かったり、添加物が使用されていたりするため、妊活中は量や頻度を注意したほうがよい食品です。
今回は、妊活中にパンを食べるならどんな種類のものを選べばよいか?何に注意するべきかについて詳しくお伝えしていきます。
妊活においてパンを食べるのはあまりおすすめできません
さっそくですが、パンは
- 糖質が多く含まれている
- 食品添加物が使用されている
という2点から、妊活中に主食や間食にすることはあまりおすすめしません。
しかし、パンの種類や食べ方、食べる量などに気を配ることで、妊活中にもパンを楽むことができます!
まずは、パンを妊活中におすすめしない2点の理由について、詳しくご説明していきましょう。
妊活中にパンをおすすめしない理由(1)「糖質が多い」
パンは、糖質が非常に多く含まれている食品。
糖質とはエネルギー源として重要ですが、多すぎると生活習慣病のリスクが高まる栄養素です。
糖質を多く摂取しエネルギーとして消費できない分は、脂肪として体に蓄積されてしまいます。
パンは軽い口当たりで、非常に食べやすいため1度にたくさん食べてしまい、糖質やカロリーを過剰に摂取してしまう可能性が。
糖質を摂りすぎることで血糖値が高い状態が続くと、インスリンの放出される量も増加します。
そのような状態が続くと、排卵障害を起こしやすいと言われています。
糖質が多く含まれるパンを妊活中に食べるのは注意が必要です。[参考1][参考2]
妊活中にパンをおすすめしない理由(2)「食品添加物が使用されている」
市販のパンには、大量生産しつつ保存性を高めたり、見た目や風味を良くしたりするために、さまざまな食品添加物が使われています。
市販のパンに使用されていることの多い食品添加物をご紹介します。
イーストフード
イーストフードはパンづくりに欠かせず、生地をふっくらと柔らかくさせる働きをします。
しかし、大量に摂取すると、嘔吐や下痢の症状を引き起こす可能性があります。[参考3]
ショートニングやマーガリン
ショートニングやマーガリンは、サクサクとした食感を生み出します。
しかし、ショートニングやマーガリンにはトランス脂肪酸が含まれており、心疾患や脂質異常、卵巣機能低下を引き起こす可能性があります。[参考4]
保存料
保存料は、パンの変敗やカビの発生を防ぎます。
保存料のなかには発がん性が疑われているものや、アレルギー症状を引き起こすものがあります。[参考5]
酸化防止剤
酸化防止剤は、鮮度や風味を保持し、褐変(かっぺん。りんごなどのように酵素や熱による作用で、食品の色が変化すること)を防ぎます。
酸化防止剤のなかには、過去に発がん性が疑われたものもあります。
増粘安定剤
増粘安定剤は、なめらかな食感や粘り気を加えるために添加されます。
増粘安定剤のなかには、発がん性が疑われているものもあります。
ただし、パンは妊活への絶対悪だ!という訳ではありません
基本的に食品添加物は健康への影響が出ない量が使用されているため、絶対にパンは食べてはいけないということではありません。
しかし、パンばかり食べていると、食品添加物を過剰に摂取することになり、健康に悪影響が出てくる可能性が考えられます。
そのため、メインの主食はお米にして、パンはたまに楽しむ程度に食べるのはいかがでしょうか?
妊活中の食事にパンを取り入れるポイントについて
パンには糖質が多く含まれていたり、健康に悪影響を及ぼす可能性のある食品添加物が使用されていたりすることから、パンはたまに楽しむ程度に食べるべき食品であることをお伝えしました。
妊活中にパンを食べる場合は、ライ麦パンや全粒粉パンなどのパンを食べることや、野菜やたんぱく質食品と一緒に食卓へ取り入れること。
また、食事の1番最後にパンを食べることなどを意識して、できる限り血糖値を上げにくい食べ方や、ほかの栄養素もしっかり摂取する食べ方をする必要があります。
これらのパンの食べ方については、これから詳しくご説明させていただきます。
食べる順番を意識!パンは食事の1番最後に食べる
食事をするときはどのような順番で食べていますか?
思いつくままに好きなものから食べる、三角食べをするというのは、実は妊活には向いていない食べ方です。
今回ご紹介しているパンのような糖質を多く含む食品を最後に食べる食べ方が血糖値を上げないため、妊活に適しています。
糖質を多く含む炭水化物よりも、食物繊維を多く含む野菜を使用した副菜や汁物などから食べることで、糖の吸収が抑えられ、血糖値の上昇が緩やかになります。
「パンの選び方」の項目でもお話をしますが、血糖値の上昇は体に脂肪が蓄積されやすくなったり、精神的に不安定になったり、排卵障害の原因になったりするため、炭水化物を最後に食べて血糖値の上昇を防ぐことが妊活に効果的です。
パンを選ぶ際は全粒粉やライ麦のパンを選びましょう
パンと一口に言っても食パンやフランスパン、ロールパン、クロワッサンなどさまざまな種類のパンがありますね。
パンはGI値が高い食品です。GI値とは、ブドウ糖を摂取した後の血糖値上昇率を100として、血糖値の上がりやすさを数値化したものです。
GI値が高い食品ほど血糖値が急激に上昇し、逆に低い食品ほど血糖値の上昇は緩やかになります。
以下に、さまざまな種類のパンと、主食として食べられている主な食品のGI値を表しました。
炭水化物食品のGI値
炭水化物食品 | GI値 |
---|---|
あんぱん | 95 |
フランスパン | 95 |
食パン | 91 |
飴 | 85 |
白米 | 84 |
ロールパン | 83 |
うどん | 80 |
ベーグル | 75 |
クロワッサン | 68 |
そうめん | 68 |
スパゲティー | 65 |
ライ麦パン | 58 |
玄米 | 56 |
そば | 54 |
全粒粉パン | 50 |
上記を見ると、あんぱん、フランスパン、食パンはGI値が非常に高いことがわかりますね。
GI値が高い食品を食べて血糖値が急激に上昇すると、体に糖分を取り込むインスリンというホルモンが大量に分泌されてしまい、体に脂肪が蓄積されやすくなります。
また、血糖値が急上昇するときには不安感やイライラ感を伴い、精神的に不安定になることも。血糖値の急上昇を繰り返すと、排卵障害を引き起こすリスクもあります。
血糖値の急激な変化は、妊活中の体にも心にも良い影響を与えません。
そのため、妊活に向いているパンは、ライ麦パンや全粒粉パンですね。
この2つのパンは、主食として食べる主な食品の中でもGI値が低い上に、ミネラルやビタミンも取り入れることができるため、主食として用いるのにもおすすめです。
妊活中にパンを食べるなら、ライ麦パンや全粒粉パンを選びましょう。
パンと一緒に取り入れるとよい食べ合わせを2点ご紹介!
パンには、妊活中に体へ取り入れるべきたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足しています。
そのため、パンを食べる際には、たんぱく質の豊富な主菜、ビタミンやミネラルの豊富な副菜を必ず一緒に食べるようにしましょう。
ここでは、主菜と副菜、それぞれの内容について具体的にご紹介します。
たんぱく質が豊富な主菜を!
私たちの体も赤ちゃんの体も、たんぱく質を基本の材料として1つひとつの細胞が作られています。
そのため、しっかりとたんぱく質を摂らないと元気な赤ちゃんを迎えることができません。
たんぱく質食品を食事に取り入れる際には、できる限り毎食異なった種類のものを選ぶようにしましょう。
たんぱく質はアミノ酸という物質が元となっており、たんぱく質を構成するアミノ酸の種類はおよそ20種類あります。
アミノ酸は、20種類すべてのアミノ酸がバランスよく体に取り込まれることで、体内で充分なたんぱく質が生成されるのです。
たんぱく質食品にはそれぞれ異なった組み合わせでアミノ酸が含まれているため、さまざまな種類のたんぱく質を摂ることでアミノ酸をバランスよく体に取り入れることができ、効果的なたんぱく質の摂取が可能となります。
ビタミンやミネラルが豊富な副菜を!
パンには、妊活中に摂取するべき量のビタミンやミネラルが含まれていません。
そのため、ビタミンやミネラルが摂取できる野菜をたっぷりと使用した副菜を一緒に食べましょう。
ビタミンやミネラルのなかでも、とくに妊活中に取り入れていただきたい栄養素は葉酸です。
すでにご存知の方も多いかとは思いますが、葉酸は赤ちゃんの脳や神経をつくる大切なビタミン。赤ちゃんの脳や神経は、妊娠6週目頃にはほぼできあがります。
妊娠6週目では、まだ妊娠に気づいていない可能性もあり、この時期に葉酸が欠乏すると赤ちゃんの脳や神経の形成が正常に行われず、発育に影響が出てくる可能性も否定できません。
葉酸を多く含む食品としては、レバー、菜の花、アスパラガス、ほうれん草、春菊、枝豆、小松菜、ブロッコリーなどがあります。
パンを食べる際には、これらの野菜をたっぷりと使った副菜を一緒に食べて、葉酸を始めとするビタミンやミネラルをしっかりと体へ取り入れてくださいね!
妊活中にパンを食べる際の注意点
妊活中にパンを食べる際には、パンの味付けや食べる量に注意する必要があります。
ここでは、パンの摂取量と味付けについて、どのような注意が必要か詳しくご紹介します。
パンにジャムやマーガリンをつけるのは避けましょう
パンは、何かしらの味付けをして食べる人がほとんどではないでしょうか?
とくに、ジャムやマーガリン等をつけて食べる人が多いかもしれませんね。
ジャムは砂糖の含有量が多く、砂糖は体を冷やす性質を持つため妊活には適していません。
マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は妊活へ悪影響
またマーガリンには、人工的に作られた油であるトランス脂肪酸が含まれています。
トランス脂肪酸の摂取は、心疾患や脂質異常、卵巣機能の低下を引き起こすと言われています。
また、そもそもパンにも糖質が多く含まれており、原材料としてもトランス脂肪酸を含むマーガリンやショートニングが使われています。
そのため、ジャムやマーガリンをプラスすることで、さらに糖質やトランス脂肪酸を摂取することになってしまいます。
妊活中には、ジャムやマーガリンなどで味付けをしたパンを食べるのは、できるだけ避けるようにしましょう。
マーガリンやジャムに劣らないおすすめの味付けは…
「とは言っても、マーガリンぐらい付けて食べないとパンを食べた気がしない」「パンに何もつけずに食べるなんて考えられない」
そうですよね!そこで、パンに何かをつけて食べるのであれば、何がいいのか?
妊活専門の管理栄養士のおすすめは、バターやココナッツオイル、砂糖が添加されていないナッツペースト、はちみつなどです。
当然ですがパンの摂取量(食べすぎ)には要注意
パンは食べすぎないように注意する必要があります。
すでにご紹介した通り、パンは基本的に糖質含量が多く、GI値が高い食品です。
いくらパンのなかでもGI値の低いライ麦パンや全粒粉パンを選んで食べているからとはいえ、数多くある食品の中ではGI値がかなり高い食品です。
そのため、たくさん食べれば血糖値の上昇が激しくなり、妊活中の体や心に良い影響を与えません。
パンは口当たりが軽く食べやすいため、食べ過ぎてしまいがちです。
妊活に適した身体状態や精神状態を保つため、パンを食べる量には十分注意しましょうね。
パンの選び方や食べ方を工夫し、妊活中は上手に取り入れましょう!
パンは糖質が多く含まれていたり、さまざまな添加物が使用されていたりするため、主食や間食として頻繁に取り入れることには注意が必要です。
とくに、市販のパンには添加物が非常に多く使用されているため、どうしてもパンが食べたくなった場合は、ご自宅でパンをつくるとよいかもしれません。
ご自宅で作れば食品添加物が少なく、市販のものより安全性の高いパンを作って食べることも可能です。
また、パンの種類はライ麦パンや全粒粉パンを選ぶこと、そして、パンは食事の最後に食べることを意識しましょう。
妊活中はパンの選び方や食べ方を工夫して、適度な頻度でパンを楽しんでみてくださいね。
この記事を作るため参考にした文献・サイト名
監修
-
管理栄養士柳 寿苗(やなぎ としえ)