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りんごがベビーを近づける?!妊活への効果と有効な食べ方を大解説

「1日1個のりんごは医者を遠ざける」
西洋ではこんなことわざがあるほど、健康によいとされるりんご。
もちろん、妊活への効果も期待大です!どんなうれしい作用があるのか、妊娠体質へ導くりんごパワーのヒミツを徹底的にひも解いていきましょう。

妊活パワーをチャージするりんごの栄養素

さっそく、妊活にうれしい効果をもたらすりんごの栄養素と、その働きについて解説します。

  • りんごポリフェノール
  • リンゴ酸
  • 食物繊維
  • カリウム

ひとつずつ詳しくみていきましょう。

りんごポリフェノールで卵子と精子の老化を予防

りんごには、抗酸化作用のある「りんごポリフェノール」が豊富に含まれているため、卵子や精子の老化を予防する効果が期待できます。

ちなみに、老化や生活習慣病を引き起こす要因となっているのが「活性酸素」。
活性酸素は、カラダの免疫機能として働く一方、ストレスや偏った食生活などが引き金となって過剰発生すると、正常な細胞や遺伝子までも傷つけて酸化させてしまいます。
卵子や精子もこの活性酸素の攻撃を受けると酸化し、老化が進んでしまうことに。

そこで活躍するのが、りんごポリフェノールです。ずば抜けた抗酸化力で活性酸素の働きと発生を抑制。卵子と精子がサビつくのを防いでくれるのです。

りんごポリフェノールの豆知識

りんごポリフェノールについて、もう少し掘り下げていきましょう。

りんごポリフェノールとは、「プロシアニジン」を主成分としたりんご特有のポリフェノールのこと。1つの果実のなかに数種類のポリフェノールが含まれているため、総称してりんごポリフェノールと呼ばれています。

りんごポリフェノールの特徴は、なによりも優れた抗酸化作用があること。ポリフェノールとして有名な緑茶の「カテキン」や赤ワインに含まれている「レスベラトロール」などと同じく、高い抗酸化力を発揮することが報告されていますよ。

ポリフェノールのなかでも、とくに優等生のりんごポリフェノール。ぜひ、妊活にとりいれてみてくださいね。

リンゴ酸で疲労回復・免疫力UP

リンゴ酸とは、りんごに含まれている酸味成分のことです。梨やバナナなどにも含まれている有機酸のひとつですが、りんごから発見されたため「リンゴ酸」と名付けられました。

このリンゴ酸には、カラダに溜まった乳酸を分解する作用があり、疲労回復を促して免疫力を高める効果が期待できます。

疲れがたまってしまうと免疫力も低下。風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなってしまいます。リンゴ酸パワーでしっかりと疲れを癒し、免疫力を高めて、ウイルスや細菌に負けないカラダづくりをしましょう。

食物繊維で腸内バランスを良好に

りんごには、「水溶性食物繊維(ペクチン)と不溶性食物繊維」の両方が含まれているため、整腸効果が抜群。
便のカサを増やす材料になるとともに、ビフィズス菌をはじめとする善玉菌を増やして腸内環境を整える作用があります。

腸内環境が整っていることは妊娠体質への近道
腸内環境が乱れていると、せっかくバランスのよい食事を摂っていても、栄養がしっかりとカラダに吸収されません。りんごの食物繊維で腸内環境を整え、妊娠力を高める栄養素の消化吸収を促進させましょう。

また、最大の免疫器官でもある腸。カラダの免疫細胞の6~7割が腸に存在しているといわれています。そのため、腸内環境が悪化すると免疫力も低下してしまうことに。ウイルスや細菌に負けないカラダづくりのためにも、食物繊維をしっかり摂取して腸の健康を維持しましょう。

カリウムでむくみを予防

りんごには、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する「カリウム」も豊富に含まれているため、むくみを予防する効果が期待できます。
むくみは、血液の流れを悪化させ、カラダの冷えを引き起こす要因のひとつ。放っておくと、カラダの冷えはさらなるむくみを引き起こし、冷えとむくみの悪循環に陥ってしまうことも。

ちなみに、むくみや冷えで骨盤内の血行が悪くなると、子宮や卵巣まで酸素、栄養分が届かなくなり、卵巣機能が低下してしまう恐れがあります。また、陰茎内に十分な血液が流れなくなることで勃起障害を引き起こしてしまうことも。
血行不良による卵巣機能の低下や勃起障害を防ぐためにも、カリウムでカラダのむくみをスッキリさせましょう。

銅で貧血予防

りんごには、微量ミネラルのひとつ「銅」も含まれています。
銅は、鉄の吸収と血液の生産を助ける働きがあり、貧血予防に不可欠な栄養素。鉄を十分に摂っていても、銅が不足していると赤血球がうまくつくられず貧血になってしまいます。

なお、銅は、普通の食生活を送っていれば不足しにくいとされるミネラルですが、ストレスなどによって排出される量が増えてしまうため要注意。
ストレスを感じやすい場合などには、意識的に摂取するとよいでしょう。

妊活のためのおいしいりんごの選び方

「さっそく、妊活のためにりんごを取り入れよう!」
そこで気になるのが、りんごの選び方。せっかくなら、おいしいりんごを食べたいものです。
そこでここからは、おいしいりんごの選び方を確認していきましょう。

りんごを選ぶ際のポイントは次の通り。

  • 全体的に赤く、果皮に張りとツヤがあるもの
    ⇒おしりの部分まで濃い赤色のものが◎
  • 手に持つと重みを感じるもの
  • おしりの部分が深くくぼんでいて変形していないもの
  • ツル(軸)が太くしっかりしているもの

上記のポイントを押さえれば、太陽の光をたっぷり浴びて糖度が高くなったりんごや、歯ごたえがあってみずみずしいりんごがセレクトできますよ。

妊活中のりんごは1日1/2個

ずばり、りんごは1日に1/2個が摂取目安。
中サイズのりんご1/2個でおよそ150g、90kcalです。

ちなみに、果物はさまざまな生活習慣病の予防に効果を発揮することが分かっており、農林水産省では1人1日200g以上の果物摂取を推進しています。
りんご1/2個で150g。残りは旬の果物で補うなど、毎日の食生活に欠かせない一品として果物を意識して摂取していきましょう。

妊活中の効果的なりんごの食べ方

ところで、普段りんごを食べるとき、皮はどうしていますか?
そして次のうち、より健康効果が高いのはどちらの食べ方でしょう。

  1. 皮をキレイに剥いて食べる
  2. 剥かずに皮ごと食べる

正解は、2)皮ごと食べる。

実は、りんごの皮と、皮と実の間には栄養がたっぷり詰まっています。食物繊維のペクチンやビタミン類などは果肉部分よりも豊富。さらに、りんごポリフェノールの一部も皮に多く含まれているので、捨ててしまってはもったいない部分なのです。

ちなみに、水溶性食物繊維のペクチンは加熱することではるかに増加、りんごポリフェノールは加熱することでわずかに損失してしまうことがわかっています。
そのため、りんごは皮ごとを前提に、ペクチンをより多く摂取したいなら加熱、ポリフェノールをより多く摂取したいなら生で食べるとよいでしょう。

妊活力アップ!りんごの効果的な食べ合わせ

りんごの妊活にもたらす作用、効果的な食べ方などを把握したところで、最後に、りんごの妊活パワーをより発揮させるおすすめの食べ合わせをご紹介します。
りんごと○○の食べ合わせで、妊娠力をさらに高めていきましょう!

りんご×シナモン(ポリフェノール食品)

複数のポリフェノールを組み合わせることで、抗酸化力がさらに高まるといわれています。

そこでおすすめなのが、アップルパイでも定番のりんごとシナモンの組み合わせ。
すでにお話した通り、りんごにはプロシアニジンを主成分とするりんごポリフェノールが豊富。そして、シナモンにもプロシアニジンやオノゲノールといったポリフェノールが含まれています。

バターで焼いた皮付きりんごにシナモンをたっぷりと振りかけて食べれば、強力なポリフェノールパワーで卵子や精子の老化を予防する効果が期待できますよ。

ポリフェノールを多く含む食材

ちなみに、代表的なポリフェノールの種類とポリフェノールが多く含まれている食品には次のようなものがあります。上手に組み合わせて、抗酸化力を高めていきましょう。

  • アントシアニン…赤ワイン・ブルーベリー・なす・赤しそ
  • イソフラボン…大豆・大豆製品
  • カテキン…緑茶・紅茶
  • カカオポリフェノール…チョコレート・ココア
  • ショウガオール…しょうが、など

りんご×ヨーグルト(乳製品)

ヨーグルトは、たんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンの5大栄養素が含まれた栄養価の高い食材。さらに、乳酸菌も豊富に含まれているので、腸内環境を整える効果が抜群です。

そこでおすすめなのが、りんごとヨーグルトの組み合わせ。
りんごに豊富に含まれる水溶性食物繊維のペクチンには、乳酸菌のエサとなり乳酸菌を活性化する働きがあります。そのため、ヨーグルトの乳酸菌とりんごのペクチンは相性抜群。Wパワーで腸内環境を整える効果が高まります。

りんご×鉄を多く含む食材

鉄は、子宮内膜の材料となる重要な栄養素。子宮内膜は受精卵のベッドとなるもので、鉄が十分に足りていると着床しやすいふかふかのベッドに、不足していると着床しにくい薄くてかたいベッドとなってしまいます。
さらに、鉄は精子の形成にも関与するとされていて、妊活男性にとっても不可欠なものなのです。

そこでおすすめなのが、りんご×鉄を多く含む食材の組み合わせ。
りんごに含まれているリンゴ酸には、疲労回復効果のほかに、鉄やカルシウムといったミネラル類の吸収を促進してくれる「キレート作用」があります。
リンゴ酸が鉄を包み込み吸収しやすい状態へと変化させてくれるので、効率よく体内へ摂りいれることができるのです。
また、りんごには鉄の吸収と血液の生産を助ける銅も含まれているので、貧血予防に効果的ですよ。

鉄を多く含む食材

ちなみに、鉄を多く含む食材には次のようなものがあります。

  • 肉類…豚レバー・鶏レバー・牛レバー・牛赤身肉
  • 魚介類…あゆ・かつお・あさり・しじみ
  • 藻類…あおのり・ひじき
  • 野菜類…小松菜・みずな・ほうれん草・切り干し大根、など

りんごと鉄を多く含む食品の相互作用で、妊活必須の鉄をしっかりとカラダへチャージ。卵巣機能や精子の質を高めていきましょう。

1日1/2個のりんごが妊娠体質へ導く

「1日1個のりんごは医者を遠ざける」
こんなことわざがあるほど、1つの果実のなかにさまざまな栄養が詰まっているりんご。やはり、妊活にも効果は抜群です。
りんごポリフェノールの優れた抗酸化作用が卵子や精子の老化を予防したり、豊富な食物繊維が腸内環境を整えてくれたり、さらに、リンゴ酸が疲労回復を促進し免疫力を高めてくれたりと、妊娠体質へ導くパワーが秘められていますよ。
ぜひ1日1/2個のりんごで、妊娠力を高めていきましょう!

この記事を作るため参考にした文献・サイト名

監修

  • 管理栄養士
    柳 寿苗(やなぎ としえ)

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